『キングダムカム・デリバランス』シリーズ開発元Warhorse Studiosのクリエイティブディレクターを務めるDaniel Vavra氏によれば、『キングダムカム・デリバランス』は歴史を題材にしたゲームが少ないことに“腹を立てて”作ったのだという。PC Gamer マガジン第402号に掲載されており、Gamesradar+などが報じている。
『キングダムカム・デリバランス』は、Warhorse Studiosが手がけた中世オープンワールドRPGのシリーズ作品だ。1作目『キングダムカム・デリバランス』は、1403年のボヘミア王国を舞台とし、故郷を滅ぼされ復讐を誓う主人公ヘンリーが、血の抗争と数奇な運命に巻き込まれていく。プレイヤーは広大なオープンワールド世界にて、キャラクターを育成し激しい戦いに臨みながら、自らの決断によって分岐する物語を追う。
また本シリーズは最新作として『キングダムカム・デリバランス2』が2025年2月11日にリリース予定。同作ではボヘミアの大都市クッテンバークや自然溢れるボヘミアン・パラダイスを新たな舞台に、ヘンリーの新たな冒険が描かれる。
そんな本シリーズを手がけるWarhorse StudiosのクリエイティブディレクターDaniel Vavra氏に対し、PC Gamer誌がインタビューを実施。Vavra氏は、一般的に歴史に関するゲームがまったくないことに腹を立てていたという。同氏は映画や本などのほかの媒体では「歴史もの」が高い人気を誇っていることを指摘しつつ、ゲームではあまり取り上げられない傾向にあるとの見解を示した。
Vavra氏によれば、あまり歴史もののゲームが出てこないのはゲーム業界に存在する“保守主義”のような考えが理由だという。同氏が歴史を題材にしたゲームを提案すると「モンスターがいないのは変だ(it’s weird, there are no monsters)」と言われるそうだ。そうした事情もあり“腹を立てて”いたVavra氏は、一念発起し『キングダムカム・デリバランス』を開発することにしたそうだ。
歴史を題材としたゲームといえば、『Civilization』シリーズや『Hearts of Iron』シリーズなどのシミュレーションゲームの印象が強いだろう。また近年ではシミュレーションゲーム以外にも、『アサシン クリード ヴァルハラ』や『Ghost of Tsushima』などといった、歴史をモチーフとした有名な作品も多くみられる。しかし『キングダムカム・デリバランス』のような歴史もののオープンワールドRPGは、同作がリリースされた2018年時点では少なかったといえるかもしれない。
深い歴史考証が好評の理由のひとつとなっている『キングダムカム・デリバランス』。そうした執念にも近い作りこみは、歴史もののゲームが少ないことに対する“いらだち”が昇華されたものなのかもしれない。
なお続編である『キングダムカム・デリバランス2』では1403年のボヘミアを舞台とし、フス戦争の直前の様子が描かれているという。さらには歴史家などとの協力も経て、楽しく中世ヨーロッパの歴史を学ぶことができるゲームとして作られているとのこと(弊誌インタビュー記事)。新作におけるさらなる作りこみにも期待したいところだ。
『キングダムカム・デリバランス2』はPC(Steam)/PS5/Xbox Series X|S向けに2025年2月12日に発売予定だ。