発売後すぐ販売停止のFPS『CONCORD(コンコード)』、開発スタジオ閉鎖。サービス再開ならず、スタジオごと閉鎖


ソニー・インタラクティブエンタテインメントは10月30日、傘下のFirewalk StudiosとNeon Koiを閉鎖することを発表した。閉鎖に伴ってFirewalk Studiosが手がけていた『CONCORD(コンコード)』、およびNeon Koiが手がけていたモバイルゲームは開発中止となる。

Firewalk Studiosは、当初2018年にProbablyMonstersの傘下スタジオとして設立。2023年にSIEに買収され、PlayStation Studiosに加入した。SIEの傘下スタジオとしては、オンライン専用ヒーローFPS『CONCORD』を開発。プレイヤーが独自のアビリティやロールをもつキャラクターを使って、5対5のPvPバトルを楽しむ作品となっていた。

『CONCORD』はPC(Steam/Epic Gamesストア)/PS5向けに今年8月24日に発売されたものの、Steam版では発売直後からプレイヤー数が振るわないといった苦戦を見せていた。そうした状況を受けてか、SIE/Firewalk Studiosは発売後わずか10日となる9月4日に本作の販売を即時停止し、返金対応をおこなうと発表。また9月6日にゲームはオフラインになり、サービスは一旦停止された(関連記事1関連記事2)。


サービス停止に際して開発元Firewalk Studiosはローンチの初期段階などについて、スタジオの意図したとおりにはいかなかったと説明。そのため販売停止やサービスの一時停止がおこなわれ、プレイヤーにより良いものを届けられるようにさまざまな選択肢が模索されると伝えられていた。

そうして『CONCORD』のサービスが再開されるのかどうかも含めて注目されていた中、今回SIEはFirewalk Studiosを閉鎖したことを発表。この数か月間あらゆる選択肢が検討されてきたものの、熟考の末、ゲームと共にスタジオを閉鎖することが最善の道だと判断されたという。

閉鎖の背景として、PvPのFPSは非常に競争が激しく、常に進化しているジャンルであり、『CONCORD』では目標を達成することができなかったと説明されている。SIEとしては『CONCORD』から学んだ教訓を生かし、将来的な成長に向けて引き続きライブサービス領域に取り組んでいくという。

ちなみに先日にはSteamの非公式データベースSteamDBにて、閉鎖中であった『CONCORD』のストアページ情報が更新されたことが判明。一部では“復活”の兆しではないかと注目されていたものの、サービス再開には至らず、スタジオが閉鎖に至った格好だ。

また今回の発表では、Firewalk Studiosと共にNeon Koiの閉鎖も伝えられている。Neon Koi(旧・Savage Game Studios)は、モバイルゲーム開発を主軸にしていたスタジオであり、2022年にSIEにより買収。ライブサービス型のAAAモバイルアクションゲームを開発すると発表されていた。今回の閉鎖に伴って同スタジオが手がけていたモバイルアクションゲームも開発中止となる。