話題の新作シューター『Strinova』の一部マップが“『オーバーウォッチ』にそっくり”と指摘される。似すぎとして物議も


デベロッパーのiDreamSkyは『Strinova』をリリース予定。対応プラットフォームはPC/iOS/Android。Steamではベータテストが実施されて盛況を博している一方、本作に登場するマップが「他タイトルのものとよく似ている」という声が多く寄せられ、波紋を広げている。

『Strinova』は、アニメ調ビジュアルが採用された5対5のチームシューターだ。本作の世界では、大災害が発生したことを受けて人類はストリノヴァと呼ばれる多次元領域に移住。そして、異なるイデオロギーをもつ超弦体の各勢力が、各々の信念に基づいて絶え間ない闘争を繰り広げる。


ゲームプレイではキャラクターを3Dと2Dとの2つの形態に自由に切り替えられる、弦化システムが特徴となる。これによって3Dのキャラクターである超弦体を、ペラペラの2D形態に切り替えられる。角度によって当たり判定が大幅に減少したり、壁に描かれた絵のようになって壁の表面を移動したり紙飛行機のように滑空したりといったことが可能になる。なお本作は10月10日から10月22日にかけて第2回ベータテストを実施。SteamDBによればピーク時で1万5000人近くのプレイヤーを集めるなど、盛況を博している(関連記事)。


そんな本作について「あるゲームとマップが非常に似通っている」とSNS上で注目を集めている。言及されているのは、攻撃側と防衛側に分かれ、護送車両の到達をかけて戦う「エスコート」のマップだ。

エスコートでは本稿執筆時点で「アクサ工場」と「追放地」の2マップが存在している。このどちらも、『オーバーウォッチ』に登場するマップに酷似していると話題になっている。


たとえばアクサ工場については、『オーバーウォッチ』におけるマップ「Watchpoint: Gibraltar」に似ているとされている。「Watchpoint: Gibraltar」はルール「ペイロード」におけるマップ。ルールとしては、攻撃側と防御側に分かれて戦う。攻撃側はペイロードなる車両を最終ポイントまで運べば勝利。一方防御側は最終ポイントに到達させず、一定時間守り切れれば勝利。つまり『Strinova』における「エスコート」は、おおまかに『オーバーウォッチ』における「ペイロード」と同様のルールといえる。

ixLyuna氏によってアクサ工場を移動している様子が収められた上記の動画では、Watchpoint: Gibraltarと“酷似している”箇所が見受けられる。攻撃側がポイントを出てすぐに頭上に見える横にかかった橋のほか、正面奥に見える遮蔽物のある高台や、右折して潜る道などが具体例として挙げられるだろう。

「アクサ工場」

「Watchpoint: Gibraltar」


また全体マップを確認しても、概形やペイロード/護送車両のルートなど、随所がかなり似ているといえる。一方で似ているのはあくまで構造のみであり、オブジェクトや地形の3Dモデルは別物。アートスタイルの差異による印象の違いもあるほか、Watchpoint: Gibraltarでは通路として繋がっている部分がアクサ工場では一部途切れていたり、坂となっていた部分が切り立った崖のようになっているなど、各所で異なる部分もいくつか存在している。

左:アクサ工場、右:Watchpoint: Gibraltar
Image Credit: namuwiki, fandom


こうした“類似点”は「追放地」でも同様にみられる。こちらは『オーバーウォッチ』におけるマップ「King’s Row」にそっくりだとする声が相次いでいる。King’s Rowはまず特定のエリアを確保してからペイロードを巡る攻防を始める「ハイブリッド」ルールのマップとなっている。そんなKing’s Rowによく似ているとされる「追放地」では、初めから車両を移動させることになることもあり、攻撃側スポーン地点近くの車両のルートにKing’s Rowとの 若干の違いがみられる。

とはいえ、「ミュージックストア(乐器行)」や「デザート屋(甜品屋)」などをはじめとした各ポイントは、King’s Rowのレイアウトと類似しているほか、最初の広場から路地に抜けるアーチ状の建物や、その渡り廊下なども共通。なお終盤エリアは、King’s Rowではトンネル状になっているのに対し、追放地では開放感のあるデザイン。しかしやはり、建造物の配置は似通っている。

左:追放地、右:King’s Row
Image Credit: namuwiki, fandom

左:追放地、右:King’s Row


先述のとおり『Strinova』は第2回ベータテストが開始されたばかりの作品ながら、SNS上では初めて遊ぶゲームにも関わらず、強力なポジションが手に取るようにわかるなどと、“既視感がある”と言及する反応が多くみられる。装いや細部こそ違うものの、アクサ工場とWatchpoint: Gibraltar、追放地とKing’s Rowがそれぞれ大まかな構成が類似している点は広く指摘されているようだ。ジャンルやゲームシステムは大きく異なるものの、見知ったマップでプレイしているような感覚を覚えたという報告もある。ちなみにこのほかには、『Strinova』における別のマップ「88区」が、『Counter-Strike 2』に登場する「Dust 2」に類似しているとの見方もある。

いずれにせよ、新作シューターとして大きな人気を博している『Strinova』にて、“『オーバーウォッチ』によく似たマップ”が一部見られることは、話題となっている。中には「似すぎではないか」として問題視する意見もみられる。一部物議も醸しているものの、公式からはこの件についての声明は現時点では投じられていない。本作はベータテスト段階であり、リリースに向けて“既視感のあるマップ”に手が加わるかどうかも注目されるところだろう。