『サイレントヒル2』リメイクでは「マップいちいち開きがち」誇張ネタが、妙に共感を呼ぶ。確かめないと気が済まない

『SILENT HILL 2(サイレントヒル2)』リメイク版にて、攻略の際に「マップを何度も開きがち」といったあるあるネタが面白がられ、広く共感集めている。

コナミデジタルエンタテインメントは10月8日、『SILENT HILL 2(サイレントヒル2)』を発売した。同作にて、攻略の際に「マップを何度も開きがち」といったあるあるネタが面白がられ、広く共感集めている。

本作は、2001年にPS2向けに発売されたサイコロジカルホラーゲーム『SILENT HILL 2』のリメイク版だ。舞台となるのは、霧の街サイレントヒル。亡き妻からの手紙を受け取ったジェイムスは、2人の思い出の地であるこの街で彷徨い、現実とは思えない世界へと迷い込むこととなる。リメイク版の開発を手がけるのは、ホラーゲーム『Layers of Fear』シリーズや『The Medium』などを手がけたポーランドのスタジオBloober Teamだ。


マップ開きがち

本作発売後に、「マップ」にまつわるあるあるネタに共感が寄せられ、ネットミームのように面白がられている。なかでもコンテンツクリエイターのMarcus Shave氏が投じたTikTok動画は、ひと際話題となっているようだ。


Marcus氏は『SILENT HILL 2』リメイク版では「5秒毎にこうなる」とする実写動画を投稿。ジェイムスに似た緑のシャツを羽織り、肩越し視点での撮影にて本作のゲームプレイを再現している。ルーズリーフをマップに見立て、マップを開くシーンも再現。そのまま1本道の路地を走り出すものの、すぐさままた“マップ”を取り出して確認するという動画だ。つまり『SILENT HILL 2』リメイク版では“マップを確認しがち”といったあるあるネタを示しているわけだろう。

Marcus氏の動画はX上でも広く話題となっているほか、『SILENT HILL 2』リメイク版ではマップを確認しがちという考え自体も広まっている様子だ。中でもXユーザーのtoluaclake氏は本作の“平均的なプレイスタイル”として、「道を右や左に曲がる際に、いちいちマップを確認してあっているか確かめないと不安になる」ことをコミカルに説明し、大きな反響を呼んでいる。

toluaclake氏の投稿にはプレイヤーからの共感が集まっており、「自分だけじゃなくてほっとした」といった反応のほか、クリア後の統計で「700回以上」もマップを開いていたことが判明して笑ってしまったという報告もみられる。5秒に一回、あるいは道を曲がるたびにマップを開くといった一見大げさに見える投稿に対して、多くのプレイヤーが共感を示している格好だ。

『SILENT HILL 2』リメイク版では、オリジナル版よりも強化されたグラフィックで、深い霧に包まれた市街地や、暗い建物内などが再構築。さらに視点は俯瞰カメラから肩越しカメラに変更されており、“カメラの位置”で場所をある程度把握することができなくなっている。オリジナル版時点で元々迷いやすかったところに、リメイクによる変化が加わり、よりマップの重要性も高まったといえるだろう。リメイクではさらにマップを何度も見がちなプレイスタイルになりやすいことからか、あるあるネタとして注目され面白がられている格好だ。


ミニマップは必要?

なおゲームによっては、ミニマップ表示や画面上のコンパス表示、ルート表示などで行き先を示して誘導を促す場合も多い。そうしたゲームになぞらえて、あるユーザーは本作の画面上に体力バー・スタミナ・ミニマップ・行き先の目印を付け加えたジョーク画像を作成。さらにジェイムスが「あのドアに新しい鍵が使えそうだ」とつぶやくなど、誘導をてんこ盛りにしたジョーク画像となっている。

実際の本作にはUIがほとんどないため、上述の画像では“UIのやかましさ”も際立つかもしれない。またいずれも大げさなUIとなっており、ユーザーは本作に本気でこうしたUIを求めているわけではなく様子だ。マップを何度も開きたくなる本作ながら、UIがほとんどないゆえの没入感も持ち味として受け入れられているのだろう。またマップを何度も開いて進むこと自体が、『SILENT HILL』シリーズの醍醐味であるとの意見もみられる。

なお『SILENT HILL 2』リメイク版でもオリジナル版と同じく、入れなかったドアや通れる場所などの情報が、マップに赤いペンで手描きしたように書き込まれていく。またリメイク版ではたとえば街中の探索パートにて、探索すべき場所が示されたり、完了済みの場所にチェックが付いたりとオリジナル版よりも少し親切になった部分もみられる。

このほかリメイク版では先述のMarcus氏の動画のように、ジェイムスが紙の地図を開くアニメーションでシームレスにマップ画面に移行するように変化。オリジナル版よりも没入感を高める演出であり、マップを何度も開くことは開発者の想定どおりのプレイスタイルなのだろう。改めてあるあるネタとして広まったことで、多くのユーザーが共感を寄せ合っている。


なお今回のtoluaclake氏の投稿に向けては、『SILENT HILL 2』リメイク版に限らず、ほかのゲームでもマップを開きまくりながら遊びがちになるというユーザーも複数みられる。特にミニマップのないゲームでは、マップを命綱にして探索するユーザーは一定数いるようだ。

ちなみにミニマップがないゲームの中では本作のほかにも『The Last of Us Part II』のように、マップを開くアニメーションが用意されたりマップに情報が書き込まれていったりといった仕組みが用意される例がある。あえてUIとしてミニマップを用意せず没入感を高めつつ、マップ自体の変化も楽しめるような工夫なのだろう。

『SILENT HILL 2(サイレントヒル2)』リメイク版はPS5/PC(Steam)向けに発売中。なお本作コンソール版は、1年間のPS5時限独占が予定されている。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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