『Outlast』開発元、サイバー攻撃を受けたと発表、“1.8テラバイト規模”との報道も。開発への被害は甚大

『The Outlast Trials』

Red Barrelsは10月2日、同社内の一部データについて、外部からの不正アクセスを受けたことを発表した。また海外メディアMP1stに寄せられた匿名の情報源によれば、合計で1.8TBほどのデータが盗まれたとされている。

Red Barrelsはカナダ・モントリオールに拠点を置くゲーム開発スタジオだ。『プリンス オブ ペルシャ 時間の砂』や『スプリンターセル』などの各種タイトルに携わった経験のあるゲーム開発者のPhilippe Morin氏、David Chateauneuf氏、Hugo Dallaire氏によって2011年に設立された。同スタジオは2013年に『Outlast』をリリースし、サバイバルホラーゲームとして非常に高い評価を獲得。なお今年3月にはマルチプレイ対応のシリーズ最新作『The Outlast Trials』がPC(Steam/Epic Gamesストア)/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S向けにリリースされている(関連記事)。

『The Outlast Trials』


Red Barrelsが現地時間10月2日に公開した、公式サイトでの発表によれば、同社内のITシステムにおいてセキュリティインシデントが発生し、一部データに不正にアクセスされたという。この事象を確認したRed Barrelsは、サイバーセキュリティ専門家グループなどを迎え、詳細な調査をおこなったそうだ。この問題の影響がおよぶ可能性のある関係各所にもすでに通知しており、従業員に対しても再発予防措置としてサポートを施したとのこと。

また海外メディアMP1stは、Red Barrelsのデータ流出について、匿名の情報源からの証言を報じている。情報筋によれば、サイバー攻撃をおこなったのは「Nitrogen」と呼ばれる、新たに結成されたハッカーグループとのこと。流出した対象は『Outlast』および『Outlast 2』の全ソースコード、人事関連情報などを含めた、1.8TB、150万行におよぶデータとされている。また証言によればRed Barrelsはデータの“身代金”も要求されているそうで、いわゆるランサムウェア攻撃を受けたものと推察される。

ちなみにRed Barrelsは今回のデータ流出にあたって、プレイヤーやユーザーに対する影響はないとしているものの、タイトル開発などを含めたスケジュールへは大きな打撃を受けた(The hit on our production timeline has been significant)という。具体的には明かされていないが、当初予定していたロードマップから延期せざるを得ないものもあるようだ。延期するものについては、出来るだけ早く情報を伝えるとしている。続報にも注目されるところだ。