『ザ・シムズ』シリーズのゼネラルマネージャー兼Electronic Artsのバイスプレジデントを務めるKate Gorman氏に対し、海外メディアVarietyがインタビューを実施。このなかで、現時点で“ザ・シムズ5”を発売する計画がないことが明かされた。
『ザ・シムズ』シリーズは、EA傘下のMaxisが手がけるシミュレーションゲーム。現時点での最新作『ザ・シムズ4』は2014年9月に発売され、2022年10月からは基本プレイ無料タイトルとして提供されている。プレイヤーはシムと呼ばれる住民たちの人生を自由にコントロールできるほか、シムの外見からファッション、性格から願望までカスタマイズ可能。シムたちの人生を見守ったり振り回したりして楽しむのだ。同居させたシムたちが関係性を深めていったりする中で、予測不可能な人間ドラマが次々と生み出されていく点も持ち味となる。
高い人気を誇る『ザ・シムズ』シリーズながら、『ザ・シムズ4』の後継作として“ザ・シムズ5”を打ち出すつもりは現時点でないという。Kate Gorman氏はVarietyに向けて、これまでのシリーズでは、次回作がそれ以前のタイトルの代替品のように見なされてきたと説明。一方で『ザ・シムズ4』においては、同作に置き換わるような新作として“ザ・シムズ5”を手がける計画はないそうだ。
Kate氏は、『ザ・シムズ4』におけるプレイヤーの創造物にはそれぞれの思い入れがあり、プレイヤーが歩んできた道のりだと考えているという。そうした創造物をリセットしたくない想いがあり、シリーズは今後も『ザ・シムズ4』での進捗を維持できるように続けられていくとのこと。また『ザ・シムズ4』にはプレイヤーが“ザ・シムズ5”に求めるような新展開を提供しつつ、サポートを続けていくそうだ。
さらにKate氏によると、今後『ザ・シムズ4』にはユーザーのコンテンツ制作をサポートする「Creator Kits」が登場予定。コンテンツ制作者が収益を得られるようにする仕組みとなるようで、現在クリエイターを交えつつ実装に向けた取り組みが進められているそうだ。
なおインタビューにおいては、Maxisが開発中の「Project Rene」についても語られている。同作はマルチプレイ対応のシリーズ新作として、2022年10月に発表された。基本プレイ無料作品となり、ユーザーが作成したコンテンツを共有できる仕組みも用意される見込み（関連記事）。こちらは“ザ・シムズ5”とはまた別の独立したプロジェクトとして展開されるようである。
Kate氏は、「Project Rene」と同じくオンラインプレイ対応のシリーズ作品として、2002年にリリースされ、2008年にサービス終了となった『The Sims Online』について言及。同作での、ソーシャル要素もあるリアルタイムなマルチプレイヤー環境からは、多くのことを学んだそうだ。一方で現状ほかの『ザ・シムズ』シリーズではオンラインプレイ要素は提供されていないこともあり、さまざまな可能性が検討されているとのこと。シリーズの持ち味であるシミュレーションを中核においた、プレイヤーが望む体験を目指して開発中だそうだ。また同氏は、「Project Rene」に関する詳細を近日中に披露することも示唆している。
“ザ・シムズ5”を現時点では手がける計画がないことが明かされた今回のインタビュー。開発中の「Project Rene」についても、少なくともゲームタイトルは“ザ・シムズ5”にはならないようだ。「Project Rene」は『ザ・シムズ4』と両立させながら運営されることがかねてより明かされており、今後も『ザ・シムズ4』の拡張を続けるかたちでシリーズ展開が続けられるのだろう。一方でプレイヤーが“ザ・シムズ5”に求めるものを提供していくとも伝えられており、どのような新展開が用意されていくのかも注目される。
『ザ・シムズ4（The Sims 4）』はPC（Steam/Epic Gamesストア/EA App）/PS4/Xbox One向けに、基本プレイ無料で配信中。またMaxisは「Project Rene」を開発中だ。
【UPDATE 2024/9/19 11:30】
“ザ・シムズ5”の計画がないのは現時点で限ったものであることを強調
