Epic Games、「Epic Online Services導入は強制じゃない」と強調。SteamとEpic Gamesのクロスプレイに必要なだけと開発元もコメント
パブリッシャーのFocus Entertainmentは9月9日、Saber Interactiveが手がける『Warhammer 40,000: Space Marine 2』(以下、Space Marine 2)をリリースした。Steamではさっそく盛況を博しているものの、本作が「Epic Online Services」を採用していることを巡って一部から批判も噴出している。
そうした中でEpic Gamesは海外メディアEurogamerの問い合わせに返答し、「Epic Online Services」について説明。たとえEpic Gamesストア向けにゲームを発売する場合でも、メーカー側に同サービスの採用を強制していないことなどが伝えられている。
『Space Marine 2』は、Games Workshop社が展開するミニチュアウォーシミュレーション『Warhammer 40,000』を題材とした三人称アクションシューターだ。舞台となるのは宇宙進出を果たした人類が、エイリアンや異次元から現れる悪魔などとの苛烈な生存競争を強いられる遠い未来。ストーリーを楽しめるキャンペーンのほか、最大6対6の対人戦が行われるPvP、最大3人までの協力プレイが可能なPvEの3つのモードが用意されている。オンラインプレイにあたってはクロスプレイなどにも対応。PvPのみ公平性を考慮してPC(Steam/Epic Gamesストア)とコンソール(PS5/Xbox Series X|S)でマッチングが分離されているものの、ほかのプラットフォームのプレイヤーともマルチプレイを楽しめる。
あわせてインストールされる「Epic Online Services」とアカウント連携
そんな本作Steam版をインストールする際に「Epic Online Services」(以下、EOS)もあわせてインストールされ、Epic Gamesストアアカウントへのログインや連携を求められることを受けて、一部ユーザーから批判が噴出していた。EOSとは、マルチプラットフォーム向け機能の開発サポートサービス。開発者向けに無料で提供されており、クロスプレイやクラウドセーブ、フレンドリストといった機能を実装することが可能だ。
EOSはSDK(開発者キット)を通じてゲームに統合され、ゲームの一部としてインストールされる。この点について、一部『Space Marine 2』Steam版ユーザーからは“EOSが勝手にインストールされた”といった批判が寄せられている格好だ。また、SteamアカウントとEpic Gamesストアアカウントの連携を求められる点も批判を受けている。
一方でコミュニティ担当者は公式フォーラム上で、プレイにあたりアカウント連携は必須ではないことを説明している。EOSは、あくまでSteam版とEpic Gamesストア版の間でのクロスプレイやフレンドリスト同期などをサポートするサービス。そうしたオプション機能を用いるために、Epic Gamesストアアカウントへのログインが必要となる。そのためSteam版のプレイにあたって、SteamとEpic Gamesストア間でのクロスプラットフォーム機能を用いないのであれば、Epic Gamesストアアカウントとの連携は必須ではないことが上述のフォーラム上では強調されている格好だ。
Epic Gamesストアでの販売にEOSは必須ではない
なおEpic Gamesも、Eurogamerの問い合わせに返答するかたちでEOSに関する説明をおこなっている。まず同社は、Epic Gamesストアでのマルチプレイヤーゲームのリリースにあたって、すべてのPCプラットフォーム間でのクロスプレイ機能実装を求めていると説明。一方で開発元にEOSの利用を強制しているわけではないと伝えている。EOSを用いれば比較的手軽に PCプラットフォーム間のクロスプレイ機能実装をサポート可能で、かつ無料で提供されていることもあり、あくまでそれぞれの開発元が自発的に利用しているということだろう。
またEOSを利用するだけでEpic Gamesストアアカウントへのログインなどが求められるわけではないことも留意したい。オンラインプレイ実装にあたってEOSが採用されている作品は多くあるものの、中にはEpic Gamesストア向けに配信されていないゲームも存在。同ストアとのクロスプラットフォーム機能が必要ないこともあってか、そうした作品ではEpic Gamesストアアカウントへのログインは一切求められない仕様となっている。
マルチプラットフォームで展開されるゲームが増加を見せるなかで、今回のEOSのほか、PSNとの連携機能「PlayStationオーバーレイ」など、各社でプラットフォーム間の連携機能が用意される例も増えている。一方でSteamでは、そうした機能が実装されているためにアカウント連携などを求められる点に懸念を見せるユーザーも一部見られ、批判に発展することもある(関連記事)。マルチプラットフォーム機能にはフレンドの管理など便利な一面もあり、今後受け入れられていくかどうかも注目される。