辺獄和風ホラー『お結び』Steamにて8月1日配信へ。あの世とこの世の狭間で少女が体験する幻想と恐怖、受賞フリーゲーム完全版

日下部一氏およびVaka Game Magazineは6月7日、『お結び』完全版を8月1日にリリースすると発表した。少女が辺獄へと迷い込んでしまう、和風ホラーゲームである。

インディーゲームデベロッパーの日下部一氏およびVaka Game Magazineは6月7日、『お結び』完全版を8月1日にリリースすると発表した。対応プラットフォームはPC(Steam)。発表にあわせて、トレイラーが公開されている。

『お結び』は、高校生の少女が辺獄へと迷い込んでしまう、和風ホラーゲームである。同作の主人公である日向子は、おむすびが大好きで少しぽっちゃり体型な女子高生だ。彼女は幼い頃、奇妙な体験をしていた。幼い日向子が森の中で泣きわめいていたところ、浮遊する不思議ななにかが現れ、おむすびを渡してくれたのだ。その後高校生になった日向子はある日の通学中、車に轢かれてしまう。しかし日向子が気がつくと、見慣れた日常の光景が奇妙な空間へと変貌。進んでいった先には、あの世とこの世の間にある辺獄が待っていた。化け物の群れが徘徊する中、日向子は変わった風体の色男・一茶と遭遇。彼と共に、謎めいた屋敷を進んでいく。辺獄での波乱万丈な冒険を通して、恐怖や人と神の愛が描かれる。


オリジナルの『お結び』は日下部一氏が制作し、2020年に公開された和風ホラーゲームだ。ジャンルとしては探索型のアドベンチャーゲームとなっている。日向子は屋敷の奇妙な仕掛けなど、パズルを解きながら進行。敵や罠を回避するアクションも交えつつ、辺獄での物語がマルチエンディングによって展開されていた。なお2019年に実施されたコンテスト「第二回ゲームマガジン新人大賞」では、大賞を獲得。2024年4月22日まで、ゲームマガジンのサイト上などでフリーゲームとして公開されてきた。

 


本作『お結び』完全版では、少なくともグラフィックが強化されているようだ。Steamのストアページによると、ピクセルアートによって日本独自の死の世界観を表現。花魁屋敷や狐の嫁入りなど、日本の古い風習や伝承を取り入れたホラー演出も用いられているという。また本作では死を巡る物語が、マルチエンディングによって描かれる。

なお本作は日下部一氏自身が、親族の死に直面したことから制作がスタートしたという。人生の取り返しのつかなさやかけがえのなさ、人との結びつきなどについて、小さな町の人間と神の愛の物語を通して、マルチエンディングによって体験できるそうだ。


本作を手がけている日下部一氏は、個人サークル「studio libera」としても活動するクリエイター。クリエイターとしては、『霧雨が降る森』リメイク版のマップ制作や、『被虐のノエル』の主題歌ムービー制作などに参加。本作『お結び』完全版は、同氏にとって初の商業作品となるそうだ。


『お結び』完全版は、PC(Steam)向けに8月1日発売予定だ。

Keiichi Yokoyama
Keiichi Yokoyama

なんでもやる雑食ゲーマー。作家性のある作品が好き。AUTOMATONでは国内インディーなどを担当します。

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