『No Man’s Sky』開発者、Steamストアレビュー好評率の“1%アップ”を喜ぶ。粘り強く這い上がり「非常に好評」に手を伸ばす大きな1%
Hello Games設立者のSean Murray氏は4月2日、『No Man’s Sky』Steamユーザーレビューの好評率が1%上昇したと報告した。本作が約8年間の歳月をかけ粘り強く改善したSteamにおける評価ステータスが、「非常に好評」を狙える圏内に到達している。
『No Man’s Sky』は、2016年8月にPC/PlayStation 4向けに発売されたオープンワールド型のアクションゲームだ。のちにXbox One向けにも発売されている。舞台となるのは広大な宇宙で、数々の惑星と宇宙がシームレスにつながっている。プレイヤーが旅する宇宙に惑星は1800京個以上存在しており、それぞれの惑星にはまったく異なる生命体や気候が見られるなど、小規模スタジオの開発作品とは思えないほどの野心的コンセプトとなっている。惑星を探索したり、宇宙の住人たちと交流したり、新たな宇宙船を獲得したり、宇宙海賊と戦ったりと、自由に宇宙を冒険可能だ。
しかし、発売当初は、こうしたコンテンツは十分に実装されていなかった。野心的な宣伝文句を前面に押し出しプロモーションをおこなった結果、宣伝内容とコンテンツが見合っておらず批判が殺到。野心的なコンセプトと薄味なゲームプレイのギャップに落胆の声があがった。6080円というインディータイトルとしては高価な価格による内容への期待と落胆や、発売前にほのめかされていたマルチプレイが未実装などの状況もあり、発売当初のSteamストアレビューステータスは「不評」となった。
こうした評価を受けた開発元Hello Gamesは無料アップデートの提供を約束。起死回生への道のりを歩みだすこととなった。2016年から今年3月にかけて、28回にわたる大型無料アップデートを実施。マイナーアップデートを含めれば数え切れぬ数の改善と拡充を積み重ねてきた。
その甲斐あってか、リリース5年目となる2021年には全期間におけるSteamユーザーレビューが「やや好評」ステータスへと改善。好評率としては発売当初の19%以下となる「不評」ステータスから好評率70%以上へと前代未聞の盛り返しを見せたかたち。また、当時殺害予告をされるほどバッシングを受けていたHello Games設立者のSeam Murray氏も、現在は同開発元の顔として親しまれるほどになった(関連記事)。
このたびMurray氏は上述のXポストにて、本作の全期間におけるSteamユーザーレビュー好評率が1%上昇し、78%となったことを報告した。同氏は喜びをあらわにし、また多くのユーザーからも祝福のコメントが寄せられている。
Murray氏は今回のポストにて、「数学的には、レビュー好評率は1%上昇するごとに、より獲得が難しくなる」と説明した。評価が高くなればなるほど、さらに高めるにはたゆまぬ努力が必要ということだろう。また、同氏は本作の評価がこんなに改善すると思っていなかった旨を述べつつ、「いつか非常に好評(好評率80%以上)ステータスを得られるかもしれない」と期待を伝えている。
なお『No Man’s Sky』は本稿執筆時点で、直近30日間のレビューにおいて2822件中92%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得している。直近の大型無料アップデート「ORBITAL」配信後にはSteam同時接続プレイヤー数が連日ピーク時で1~2万人の間で推移する盛況に(SteamDB)。大型無料アップデートも引き続き高めの頻度で実施されると思われ、全期間のレビューステータスもじわじわと改善されていきそうだ。
また、Hello Gamesは昨年末、地球と同規模の世界をゲーム内に再現するというサバイバルサンドボックスRPG『Light No Fire』を発表。マルチプレイにも対応する意欲作として、現在開発を進めている(関連記事)。『No Man’s Sky』に粘り強く取り組んできた同開発元の、新たな作品にも期待したい。
『No Man’s Sky』は、PC/PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/Nintendo Switch向けに販売中だ。Xbox Game Pass(PC/コンソール/クラウド)向けにも提供されている。現在、各プラットフォームにて本作が定価の50%オフとなるセールがおこなわれている。終了予定はまちまちなものの、Nintendo Switch版では本日23時59分に終了となるなど近く終了するため留意されたい。
『Light No Fire』はPC(Steam)向けに発売予定だ。