人気サイバーパンクアクション『RUINER』開発元にて「スタッフの半分以上」がレイオフされたとの報道。欧米ゲーム業界レイオフの流れ止まらず
海外メディアKotakuは、2024年のゲーム業界では現時点で5900名以上のレイオフが実施されていると伝えている。中でもサイバーパンクアクション『RUINER』の開発元Reikon Gamesや、『デストロイ オール ヒューマンズ!』リメイク版開発元のBlack Forest Gamesでは約半数ものスタッフがレイオフされているという。
Reikon Gamesは、ポーランドに拠点を置くスタジオだ。見下ろし型サイバーパンク・アクションゲーム『RUINER』の開発元として知られる。同作は2017年にPC/PS4/Xbox One向けに発売され、Nintendo Switch向けにも展開。Steamユーザーレビューでは本稿執筆時点で約9000件中90%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得している高評価作品だ。
今回、海外メディアKotakuは、現地時間1月23日にReikon Gamesにて60~70人のレイオフが実施されたことを報じている。これは全従業員の約56%の人員にあたるという。ビジネス向けSNSであるLinkedIn上でも同スタジオの元スタッフらが大規模レイオフが実施されたと報告。レイオフされたスタッフの多くがKotakuに対して「突然の出来事で衝撃を受けている」と語っているという。
本稿執筆時点では大規模レイオフについて、Reikon Games側からの発表やメディアを通した声明などは明かされていない。なお同スタジオは2020年の『RUINER』Nintendo Switch版発売以降、新作を展開していなかった。一方で昨年9月には新作SFゲームを開発中であると告知していた。スタジオの過半数に及ぶというレイオフによる、新作開発への影響も懸念されるところだ。
またKotakuはそのほかにもゲーム業界のレイオフをまとめて報道。記事は順次更新されており、直近ではBlack Forest Gamesで全従業員の約半数がレイオフされたことも伝えられた。同スタジオはドイツに拠点を置くTHQ Nordicの子会社だ。最近では『デストロイ オール ヒューマンズ!』シリーズのリメイクを担当していた。現在は「ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ」をもとにするアクションゲーム『TMNT: The Last Ronin』を開発中。こちらもレイオフによる新作開発への影響は注目されるところだろう。
このほかThe Vergeなどは、マイクロソフトはXbox部門および複数の傘下企業で約1900人のレイオフを実施すると報じている。同社のゲームに関係する全従業員は約2万2000人だそうで、約8.6%にあたる従業員がレイオフの対象となる。
大手、中小を問わず多岐にわたるゲーム関連企業でレイオフが実施されており、Kotakuが現時点で報じるところによれば2024年はすでに合計5900名以上がレイオフの対象になっているという。昨年のゲーム業界でも多数のレイオフがおこなわれたものの(関連記事)、2024年は開始早々、昨年全体に迫る勢いで業界の従業員が職を失っている状況にある。