PS5『Marvel’s スパイダーマン2』ヒロインの顔モデル、電話による「ストーカー被害」に遭ったと報告。フェイスモデル抜擢の知名度アップには弊害も

『Marvel’s Spider-Man 2』にてMJことメリー・ジェーン・ワトソンのフェイスモデルを担当する人物が声明を投稿。一部ユーザーから電話によるストーカー行為を受けたと報告している。

Marvel’s Spider-Man 2』にてMJことメリー・ジェーン・ワトソンのフェイスモデルを担当する人物が声明を投稿。一部ユーザーから電話によるストーカー行為を受けたといい、そうした迷惑行為をやめてほしいとお願いしている。


『Marvel’s Spider-Man 2』は、マーベル・コミックのヒーロー「スパイダーマン」が主役のオープンワールドアクションゲームだ。『Marvel’s Spider-Man』および『Marvel’s Spider-Man: Miles Morales』の続編となる。本作では、ピーター・パーカーとマイルズ・モラレスの2人のスパイダーマンが主人公。メインストーリーなどを除くほとんどの場面で、2人を切り替えながら遊ぶことも可能となっている。

そのほかのメインキャラクターとしては、『Marvel’s Spider-Man』にてピーターの元カノとして登場していたMJことメリー・ジェーン・ワトソンも登場。本作『Marvel’s Spider-Man 2』ではピーターとヨリを戻しており、前作同様さまざまな活躍を見せてくれる。


MJの顔モデルが「ストーカー被害」を報告

本作ではキャラの3Dモデルに、実在の人物がフェイスモデルとなっている。MJのフェイスモデルは前作に引き続きStephanie Tyler Jones氏が担当。そして今回、同氏はThreadsと見られるSNSに声明を投稿。一部迷惑ユーザーによる「一線を越えた」行動をやめてほしいとお願いしている。


Jones氏は声明にて『Marvel’s Spider-Man』シリーズファンによるMJへの愛や同氏への好意的な反応に感謝していると前置き。一方で同氏はもう積極的に役者やモデルとしてのオーディションを受けておらず、現在携わっている出演作品は交友関係や創作活動としてであると説明した。同氏は現在スキンケア系のビジネスをおこなっているようで、役者活動を生業として続けていく予定はないようだ。

そうしたなかでJones氏に対して、複数のユーザーが「一線を越えた」行動をおこなったという。Jones氏はあるユーザーは同氏の現在の職場に向けて電話をかけてきたと報告。何度も「話したい」との留守電を残し、折り返し電話をするように要求してきたという。同氏はこれをストーカー行為であり、容認できないと批判。ひとりの人間であることを尊重してほしいとして、迷惑行為をしないように伝えている。またスキンケアに関する連絡先は『Marvel’s Spider-Man』やMJのファンに向けたものではないと強調。いずれにせよ、ゲーム中のキャラが実在の人物をフェイスモデルにしていることから、フェイスモデル本人に向けた迷惑行為が発生したようだ。


過去にはピーターの「顔」を巡る騒動も

なお『Marvel’s Spider-Man』シリーズでは、過去にも“キャラのフェイスモデルとなった人物を巡る騒動”が違うかたちで起こっていた。というのも、オリジナルとなるPS4版『Marvel’s Spider-Man』ではピーター役のフェイスモデルをJohn Bubniak氏が担当していた。しかしPS5向けにリマスターされた『Marvel’s Spider-Man Remastered』および続編『Marvel’s Spider-Man: Miles Morales』ではピーターのフェイスモデルがBen Jordan氏に変更。馴染みある顔の突然の変更を受けてファンからは否定的な意見も寄せられるかたちとなった。両氏が顔立ちの大きく異なる人物であった点も、こうした批判を大きくした一因かもしれない。

左:PS4版『Marvel’s Spider-Man』、右:『Marvel’s Spider-Man Remastered』

変更に際しては開発元Insomniac Gamesにて本作のクリエイティブディレクターを務めるBryan Intihar氏が声明を投稿。慣れ親しんだ顔が“奪い去られる”落胆について理解しているとしつつ、フェイスモデル変更の背景を説明していた。同氏によると、PS5向け展開を考慮した『Marvel’s Spider-Man』シリーズの将来を考えた協議の結果、ピーターの声優およびフェイシャルキャプチャを務めるYuri Lowenthal氏の演技によりマッチするフェイスモデルが必要であるとの判断がおこなわれたそうだ。一方でフェイスモデル変更について納得がいかず批判を寄せ続けたファンも一部存在。フェイスモデル変更の発表後にはIntihar氏が脅迫被害にあったことを報告していた(関連記事)。


さらに『Marvel’s Spider-Man 2』においても発売前に「MJのフェイスモデルも変わったのではないか」との疑念を抱くユーザーが発生。髪型やメイク、グラフィック自体の変化などから別人のような印象を受けるユーザーもいたようだ。ピーターの先例があることでユーザーが敏感になっていた側面もあるだろう。こうした疑問に対してInsomniac Gamesのコミュニティ&マーケティング部ディレクターのJames Stevenson氏がフェイスモデルと声優が変わっていないことを強調していた。


また約3年を経た新作『Marvel’s Spider-Man 2』発売に際して先述のYuri氏は海外メディアComicBook.comの取材に「フェイスモデル変更について話すのはもううんざりだ」とコメント。ただしYuri氏は騒動からは“ポジティブな面”も見えるといい、フェイスモデル変更に際して怒りが噴出するほどPS4版『Marvel’s Spider-Man』のピーターにプレイヤーたちが深く感情移入してくれていたからだとも伝えている。

本シリーズではオープンワールドアクションとして展開されるゲームプレイだけでなく、シネマティックに描かれる物語も大きな特徴。さまざまな障害に立ち向かいながら戦うキャラに感情移入してきたファンは多いだろう。そうしたなかで「フェイスモデルを誰が演じているか」にこだわるファンは一部見られ、今回MJ役のJones氏に向けてはストーカー行為まで発生する事態となったようだ。

なおゲームキャラのフェイスモデルにおいては実在の俳優・モデルを起用するケースがほかにもある。元々人気の役者を採用する作品もあるほか、逆に人気ゲームの主役級のキャラを務めた人物が世界的に周知される場合も見られる。たとえば『デトロイト ビカム ヒューマン』にてコナー役のフェイスモデルや声優・フェイシャルキャプチャを務めたBryan Dechart氏はTwitchにて人気実況者としても活躍。最近では『バイオハザード RE:4』ではアシュリー・グラハム役のフェイスモデルをインフルエンサーのElla Freya氏が担当し、注目を集めていた。

『デトロイト ビカム ヒューマン』

主役級キャラのフェイスモデルとなった人物の顔はプレイ中に長く見続けることになるだけに、元になった人物はプレイヤーの印象に強く残るのだろう。知名度上昇といった利点もある一方で、今回のJones氏のように有名になったことで迷惑行為を呼び寄せてしまう事例もあるようだ。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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