Steam年間統計から見えるユーザー像が話題に。Steamの平均的プレイヤーは今年リリースのゲームをあまり遊ばず、年平均で4本遊ぶ
Valveは12月19日、Steamでの1年間のゲームプレイについての統計をまとめた「Steam年間レビュー2023」を開始した。そのページで確認できる統計が興味深いと、SNS上で話題になっているようだ。
「Steam年間レビュー2023」とは、自身がSteam上で2023年にプレイしたゲームについて、タイトルや作品数、実績などの記録を確認できる企画だ。特設ページではプレイしたタイトルの一覧を確認できるだけでなく、月別のプレイ時間や連続プレイ日数なども記載されている。ほかにもプレイしたゲームのジャンル傾向や、投稿したレビューの数など、細かな統計まで記載されている。
こうしてまとめられたデータは、XやFacebookなどといったソーシャルメディアやWebで共有することが可能。またSteamでは公式ハッシュタグを「#SteamYearInReview」と定めており、SNS上で多くのSteamユーザーが今年1年のゲームプレイを振り返っている様子が確認できる。
そんな「Steam年間レビュー2023」で確認できる統計が面白いと話題になっている。それは自身の項目と比較する際に現れる項目だ。たとえば今年プレイしたゲームの本数を確認する時には「Steam平均(Steam Median)」という値が登場する。厳密にいえばMedianは中央値であり、この場合Steamユーザーの上位50%についての値となる。また「2023年にリリースされた新作ゲームをプレイした割合」などの項目では、Steamの平均的プレイヤーとの比較も存在する。
Steamによれば、今年ゲームをプレイした本数の中央値は4本だという。また、Steamの平均的ユーザーが今年遊んだゲームについて、そのうち2023年にリリースされた新作が占める割合はわずか9%だったという。
この統計について反応が集まっている。ゲームがリリースされた年にプレイすることは非常にまれだとして、“平均的プレイヤー”の統計結果に同意する声がある。また『Counter-Strike 2』や『Dota 2』などといった、複数人での対戦ゲームのプレイヤーが多く、1つのゲームをずっとプレイし続けている。そのため、結果としてプレイする本数が減り、新作のプレイ率も減っているのではないかと推察する意見もある。
*2023年12月12日~19日にかけてのグローバル売上チャート上位20製品
実際にSteamDBで同時接続プレイヤー数を確認してみると、『バルダーズ・ゲート3』や『THE FINALS』といった新作も見られるが、上位にあるゲームの多くは2023年以前にリリースされている。マルチ対戦可能なゲームが数多くラインナップに上がっていることもあり、先述のユーザーによる推察がおおよそ当たっているといえるだろう。
さらにSteamの週間チャートによれば、週間売上上位の大半が2023年以前リリースのゲームで占められていることがわかる。統計ページでは“平均的プレイヤー”が今年プレイしたゲームのうち、2023年発売の新作をプレイした割合が9%で、過去1~7年間にリリースされたゲームが占める割合は52%、8年以上前のゲームが占める割合は38%とのことだ。
この“過去作志向”は、弊誌が『龍が如く』クリエイターにインタビューをおこなった際にも、開発者の口より語られていた。チーフプロデューサーの阪本寛之氏曰く、新作ゲームの発売日に遊ぶプレイヤーはそれほど多くないとのこと。しかしながらインディー、AAAの区別なく、しっかりと時間を割く傾向もあるという(関連記事)。古いゲームであってもじっくり腰を据えて遊ぶとされるスタイルが、年平均4本、新作の割合9%という統計に寄与していると考えられるだろう。バックカタログ/過去作がよく売れるマーケットとも言えそうだ。
今回話題になったSteamユーザーのゲームプレイ傾向。自身が新作/過去作志向のどちらなのかや、自分がどれほどゲームに時間をかけているかといった内容が気になった方は「Steam年間レビュー2023」の特設ページにて確認可能だ。