The Game Awards 2023にてGOTY含め「受賞スピーチに“30秒制限”があり登壇者を急かしていた」として不満の声。去年は長すぎ今年は急かしすぎの難しさ
ゲームの祭典「The Game Awards」が日本時間12月8日に開催され、さまざまなゲームの新情報や新作発表がおこなわれた。またゲーム・オブ・ザ・イヤー(Game of the Year・以下、GOTY)をはじめとする部門別の受賞作品も発表。こうした受賞作品における代表者スピーチにて「時間内にスピーチを終えるよう登壇者を急かしていた」との報告があがり、波紋を広げている。
The Game Awards 2023においては、GOTYを含む5部門の賞をLarian Studios の『バルダーズ・ゲート3』が受賞。またRemedy Entertainment手がける『Alan Wake 2』がBest Game Directionをはじめとする3冠を獲得。そのほかフロム・ソフトウェアの『アーマード・コア6』がBest Action Game部門を、任天堂の『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』がBest Action/Adventure Game部門を受賞するなど、今年の話題作がそれぞれ栄冠を手にする結果となった(関連記事)。
各受賞作品においては開発元などの代表者によるスピーチも実施。壇上ではファンやチームへの感謝や開発における苦労など、さまざまな想いが伝えられた。一方でこのスピーチに関して、イベント会場で撮影されたと見られる動画が投稿。あわせて「スピーチの時間制限が厳しかった」ことが報告され、物議を醸している。
スピーチの時間制限について報告したのはMetaにてMeta Quest Storeのオペレーションマネージャーを務めるJaviera Cordero氏だ。同氏は受賞者のスピーチ時間が30秒しか用意されていないと伝え、現地で撮影されたと見られる動画を投稿。壇上の人物に向けたスクリーンが映されており、カウントダウンののち「Please Wrap It Up(スピーチを締めてください)」との指示が表示されている。
上記の映像は、Best Adaptation部門を受賞したドラマ「The Last of Us」の受賞スピーチにおける録画とみられる。The Game Awards 2023の公式アーカイブにて該当部分を確認すると、スピーチをおこなったNeil Druckmann氏が壇上に登るや否や「clock’s ticking(時間がない)」とこぼしながらいそいそとスピーチを始めていた様子もうかがえる。
さらに、下記のJaviera氏の報告によると、この表示はGOTYである『バルダーズ・ゲート3』の受賞スピーチの際にもおこなわれた模様。アーカイブ映像と見比べると、カウントダウンが終わるタイミングでスピーチの経過時間が約30秒であったことが確認できる。スピーチではLarian Studiosの創設者兼CEOのSwen Vincke氏が、先月この世を去った本作のリードシネマティックアニメーターのJim Southworth氏を追悼する発言もあった。こうしたなかでも「スピーチを締めてください」と表示されていた点が報告され、ユーザーからイベント運営元に対する批判も渦巻いている。なおVincke氏の『バルダーズ・ゲート3』の受賞スピーチは全体で約1分となっていた。
なお受賞者の中にはほかにも30秒を超えるスピーチが複数見られる。Best Narrative部門を獲得した『Alan Wake 2』は約1分20秒、Best Ongoing Game部門を受賞した『サイバーパンク2077』では約1分7秒のスピーチがおこなわれていた。こうしたスピーチでは、スピーチ中に「退場音楽」が流れ始めており、報告されたようなカウントダウンを過ぎていたのかもしれない。
なおこれを受けてか、主催者のGeoff Keighley氏によれば「受賞スピーチ後に音楽が流れるタイミングが早すぎる」との指摘も寄せられたようだ。退場音楽を早めに流して、登壇者に退場を迫っているのではないかといった見方だろう。同氏は「音楽のせいでスピーチが途中で終わることはなかった」としつつも、この指摘には賛同すると伝え、今後改善していくことを示している。
ちなみに昨年のThe Game Awards 2022において退場音楽は1分をすぎた辺りから流れる傾向にあった。スピーチ時間がどのように設定され指示されていたかは不明ながら、少なくとも退場音楽は今年よりも少し遅く流されていた傾向はありそうだ。
【UPDATE 2023/12/9 18:48】
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