『Starfield』公式、賛否両論状態Steamの不評レビューに反応し始める。批判を受け止めつつ、おすすめの遊び方を紹介

『Starfield』のSteamユーザーレビューでは、不評とするレビューに対するBethesdaのカスタマーサポートチームによる返答も散見される。評価ステータス「賛否両論」のSteamにおいて、一風変わった対応がおこなわれているようだ。

Starfield』のSteamユーザーレビューでは、不評とするレビューに対するBethesdaのカスタマーサポートチームによる返答も散見される。課題とされる点を一部受け止めつつ、本作の楽しみ方を紹介する一風変わった対応がおこなわれているようだ。

『Starfield』は、『The Elder Scrolls』シリーズや『Fallout』シリーズの開発で知られるBethesda Game Studiosが手がけるRPGだ。本作の舞台は人類が太陽系外に進出した2330年の世界。プレイヤーは希少なアーティファクトを求める宇宙探検家集団コンステレーションの一員として、広大な宇宙の星々を冒険することになる。本作には100以上の星系に1000以上の星が存在し、プレイヤーはほぼすべての星について探索可能となっている。


好調ながらSteamユーザーレビューは「賛否両論」

本作はPC(Steam/Microsoft Store)/Xbox Series X|S向けに9月6日に発売。翌日にはすべてのプラットフォームをあわせた同時接続プレイヤー数が100万人を突破するなど、高い人気を博している(関連記事)。またレビュー集積サイトMetacriticではXbox Series X|S版がメタスコア83、PC版がメタスコア86を記録。メディア・批評家からは一定の評価を受けている。

対してSteamユーザーレビューでは苦戦気味で、本稿執筆時点では8万件以上が寄せられ好評率は69%の「賛否両論」ステータスとなっている。なお過去のBethesdaのシングルプレイ向け作品の本稿執筆時点のSteamユーザーレビューを見ると、『The Elder Scrolls V: Skyrim Special Edition』が約14万5000件中95%を好評とする「圧倒的に好評」ステータス。『Fallout 4』では約21万件中83%が好評の「非常に好評」ステータスだ。過去作品と比べ、現状では『Starfield』の評価ステータスは伸び悩んでいることがうかがえる。

『Starfield』のレビューには、エリア移動や惑星への着陸などさまざまな場面で頻繁にロード画面を待たなければならない点を課題として指摘する声が散見される。また宇宙船同士の戦闘やランダム生成されるミッションの単調さなども不満点として挙げられている。


不評レビューへの公式返答始まる

そうした不評とするSteamユーザーレビューに対して、Bethesdaのカスタマーサポートスタッフらが動き出したようだ。その内容としては、ユーザーの批判を一部受け止めつつ、ゲームの楽しみ方を紹介するといった対応がおこなわれている。たとえばロードが頻発するといった指摘に対してスタッフは、エリアの読み込み自体は短いロード時間で完了すると説明。プレイヤーたちが世界への没入感をそがれる妨げにはならないはず、との見解が示されている。

またスタッフは、本作を単調で楽しめないといった意見に対して、作中のミッションの展開はプレイヤーキャラのスキルや選択によって変化する点に言及。以前のキャラとは正反対の出自や特徴をもつキャラを作成し、違ったスキルを獲得していくことで、新鮮な体験を得られるだろうと勧めている。ほか、ストーリーを楽しめなかったと述べるユーザーに対してスタッフは、サイドミッションをはじめとするさまざまなコンテンツをおすすめ。レビュー内容に応じて、作品のさまざまな要素を魅力としてアピールしている様子だ。

なお『Starfield』における「賛否両論」ステータスのSteamユーザーレビューでは、上述したような不評もある傍らで、好評とするレビューも見られる。スタッフがおすすめするように、大量に用意されたコンテンツや大ボリュームのサイドミッション、キャラの育成の多彩さなどは一定の評価を受けている。本作は膨大な要素を備えているだけに、要素を見逃したままプレイを終えるユーザーもいるだろう。不評とするレビューに対するスタッフらの返答も、そうしたユーザーを想定してもう一度別の側面から遊んでみてほしいといった想いからおこなわれているのかもしれない。


いずれにせよSteamレビューへの返信は、小規模デベロッパーがするケースは見られるが、大手がするのは珍しい。それほど今の評価を深刻に考えているのかもしれない。ちなみにBethesdaは『Fallout 76』や『Redfall』などでも、Steamにおける不評とするユーザーレビューに返答。フィードバックを求めたり、カスタマーサポートへの連絡を勧めたりといった対応が見られた。

『Starfield』はBethesdaの新規IPとして開発された作品だ。エリア間のロード自体は過去作でも見られたものの、舞台を宇宙に移したことで過去作以上にロードが頻発するゲームサイクルになっている点は課題としてありそうだ。また発売延期を重ねつつ開発が長期間にわたったこともあり、過去作を踏襲したゲームシステムが採用された作風とは裏腹に、ユーザーからは最新ゲームとしての期待値が上がり続けていた側面もあるかもしれない。本作に寄せられたフィードバックが、今後のアップデートやスタジオの次回作『The Elder Scrolls VI』にどのように活かされるのかは注目される。

『Starfield』は、PC(Steam/Microsoft Store)/Xbox Series X|S向けに発売中だ。Xbox/PC Game Pass向けにも提供されている。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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