アプリゲームが続かない自分が『崩壊:スターレイル』を169日続けられた理由を考える【PS5版配信開始記念振り返り】

筆者は『崩壊:スターレイル』を169日続けている。本稿では、飽き性の筆者が本作を続けられている理由を、ゲーム内容要素と共に考えてみる。

アプリゲームは私たちの日常生活において重要な娯楽となっている。スマートフォンやタブレットを手に取れば、手軽にさまざまな新作アプリゲームを楽しむことができる。一方で多くのプレイヤーが、新たなゲームにワクワクしながら飛び込んでみるものの、数日や数週間で飽きてしまうことが少なくない。ようするにゲームが続かないわけだ。読者も共感するところがあるだろう。理由は人それぞれであるが、疲れてしまう、というのがもっともの原因である。

で、筆者が『崩壊:スターレイル』を169日続けている。配信から今日に至るまでの169日。16日ではない、169日である。そしてガチである。飽き性の自分がこれほど続けられるのは、自分でも驚くぐらいだ。なぜ続けられているのか。本作の要素と共にその理由を考えていこう。PS5版をきっかけに本作デビューを検討している人に届けば幸いだ。

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宿題が少ないのがいい

まず結論から言おう。本作に疲れづらい最大の理由は、“1日にやるべきことの少なさ”がある。リリースされているアプリゲームの大半にはデイリーミッション、いわゆる日課と呼ばれるものがある。そして『崩壊:スターレイル』にも日課があるのだが、それがとにかく変化があり、とにかく短く消化できる。一方で、達成感をももたらす。

崩壊:スターレイル』の日課は極めて手軽だ。開拓力消費(スタミナ消費)はオート戦闘を眺めているだけでいい。デイリー訓練は数分で終わる。写真を撮影し、チャーハンを作り、オブジェクトを壊せば、オート戦闘をして終わり。作業の合間や移動中、スキマ時間で終わらせてしまえる。お手軽さを追い求めすぎるがあまり、キャラクターに生ゴミを食べさせてしまうこともある。とにかくお手軽だ。また、日課クリアによって本作において重要な「マイレージ」を貰えるというのも大きい。短い拘束時間でいろんな報酬を貰えるため、結構充足感がある。あんまり何もやってないのに、いっぱいご褒美がもらえる。嬉しい。


そして、デイリー訓練にあるデイリークエストは、アプリゲームに珍しく毎日内容が違う。『崩壊:スターレイル』のデイリークエストでは、毎日異なる内容が用意されている。なぞなぞを全力で解き、オシャレしたいお婆ちゃんの相談にのり、孤児院の少女を撮影できず切なくなる。これらデイリークエストを進めていくうちにNPCのパーソナリティ、街を生きる人々の日常、裂界での悲しい過去などがわかっていく。ただそこに存在しているだけだと思っていたオブジェクトやNPCには、それぞれ繋がりや過去、考えがあり実際に『崩壊:スターレイル』の世界を生きている/生きていたことがわかる。デイリークエストをこなすうちにやたらと『崩壊:スターレイル』世界への理解度が深まっていくわけだ。

ちなみにデイリーコンテンツといえば、筆者は手に入れたキャラからメッセージが送られてくるチャットが大好きだ。それぞれキャラが話しかけてくれるのが嬉しく、選択肢の存在によって、実際にキャラクターとチャットしているような気になれるのも嬉しく、メッセージ上でのコミュニケーションだからこそ表現できる、キャラクターの一面を見ることができる。キャラクターが非常に魅力的な本作において、好きなキャラクターからのチャットはモチベーションに直結する。以下、自分の好きなキャラのチャットを貼ったので見てほしい。

 


いろいろと語ってしまったが、つまるところ、デイリークエストがとっとと終わるし、その割に報酬も多いし、クエスト内容が結構凝ってるし、送られてくるテキストチャットがかわいい。めんどくさくないし、かわいい。これほどわかりやすい“続けやすい理由”はないだろう。とはいえ、デイリーが楽で遊びやすくかわいいゲームは本作だけではない。なので、熱中しやすい理由にもう一歩踏み込みたい。


“めっちゃちょうどいい”やりこみ要素

デイリーがらくちんで疲れないとは言ったが、一方でゲームにはやりごたえ、“やりこみ要素”がないとつまらない。そして、本作にはやりこみ要素がある。それもほどよく。ほどよくというのがとても重要なのである。あまりに歯ごたえがありすぎるやりこみ要素では、疲れてしまううえ、やる時間を確保するのも難しくなってしまう。しかし、本作のやりこみ要素は、時間のない人でもかなり楽しめる。

本作におけるやりこみ要素といえば、ローグライクな「模擬宇宙」とエンドコンテンツにあたる「混沌の記憶」が代表される。どちらも攻略するにはキャラクターの強化がどうしても必要となってくる。最初4人だけでよかったキャラの強化が、6人になり、あるいは8人になり。あるいはランダムな性能な遺物を厳選したり。結構やることが増えてくる。


と聞くと宿題増えた感がしてげんなりするが、ここでお手軽なデイリーやオート戦闘が活きてくる。デイリー訓練などのタスクを毎日やっていけば、キャラが勝手に育つ。私として、デイリー訓練の報酬がやたらに多いと感じるからだ。本作はほかのHoYoverseゲームの例に漏れず、短期集中プレイより長期コツコツに適したデザインとなっている。日々のちょっとした時間にガチャ石のために日課を終わらせればあら不思議。いつの間にかキャラが育ってる。そのキャラをエンドコンテンツに連れて行くことで、どんどんモチベが上がっていくわけだ。エンドコンテンツに行く準備をせずとも、毎日遊んでいればエンドコンテンツの方からこちらに寄ってくるわけである。

そして、『崩壊:スターレイル』のキャラクターの性能がそれぞれ非常に個性的であることで、ビルド組みがとても楽しい。その部分をやりこみ出すと一気にハマりレイヤーが上がる。追撃特化や持続ダメージ特化、デバフ特化など。キャラクターとアイテムの数だけビルドがある。

ここで筆者の一番好きなキャラクターでもある「クラーラ」を紹介したい。クラーラはカウンター特化のユニークなキャラクター。ユニークではあったが、自発的な攻撃の難しさと耐久面の問題から扱いは難しいキャラクターであった。しかしゲームを進めるにつれ、遺物の厳選、軌跡の強化によって大きく存在感を示すにように。他キャラとのシナジーによって、二人で混沌の記憶を攻略してしまうほどの存在となった。強くて硬くてかわいい、素晴らしいキャラクターだ。

『崩壊:スターレイル』のやりこみ要素は、遊びやすさ、攻略方法の多彩さによって、プレイヤーに対するプレッシャーとストレスを軽減。つまり疲れさせない。高難易度でありながら遊びやすく、やりこみ要素によってプレイヤーは自分の進捗、推しキャラクターの使い方を追求し続ける意欲をもつことができるのだ。このほどよいやりこみ要素が『崩壊:スターレイル』を続けられた要因の一つである。


ちょっと難しくて、そこがいい

ここまで『崩壊:スターレイル』の続けやすさについて語ったが、一方でハードルの高さも結構ある。筆者が『崩壊:スターレイル』を初めた時、一番に感じたのは続けやすさと“難しさ”であった。設定の難しさ、用語の難しさ、戦闘システムの難しさ……さまざまな難しさがプレイヤーを襲う。本作を初めると早々に「星神」「星核」「絶滅大君」などなど、難解な用語と設定を浴びせられ、チュートリアルの段階でテキストから目が滑ることも度々だ。というか、今でもわからないことがよくある。

そして、戦闘システムも昨今では少し珍しいコマンドRPGであることが、難易度を高くしている……と個人的には思う。最近流行りの直感的な操作で楽しめるアクションゲームとは違い、システムを理解しないと深くは楽しめない。とにかく理詰めなのだ。ちょっとゲームがうまいというだけでは、ごまかせない。あなたは良き司令官である必要がある。ということで、世界観が難解であり、頭脳プレイを結構求める『崩壊:スターレイル』は硬派で入門に難しさのあるゲームであると感じる。事実、多くのプレイヤーにとってチュートリアルを終えるまで、星穹列車に乗るまでが本作を続けられるか否かのターニングポイントとなるのではないだろうか。


しかし、一度星穹列車に乗ってしまえば、その難解さが愛着を感じる理由にもなりえる……というか自分がそうである。難解な設定や専門用語は、冒険クエストやストーリーを追いかけることで次第に理解が深まり、その世界観に没頭できるようになる。「星神」や「絶滅大君」といった数々の難解な専門用語は、最初はよくわからない呪文のように思ったとして、しっかり遊べばそこそこ思い入れのある呪文になるだろう。

また、コマンドRPGという戦闘システムも、数字を見る段階になると楽しくなってくる。本作の戦闘はパラメータが多く、それらを乗算していく掛け算が多い。ひとつのアイテムを強化することでぐんぐん能力がインフレしていくので、アイテムの厳選にもモチベーションが湧く。逆説的に、数字をいじらねば強くなれないので、少しでもいい装備を厳選したくなるのだ。

『崩壊:スターレイル』の独特のハードルの高さは欠点にも思えるかもしれないが、それこそが本作のもつ深みや満足感を生み出す要因となっている。その難しさを乗り越え、世界観を理解し没入すること、戦術を磨く過程こそが、プレイヤーにとって一層充実感のある体験をもたらし、長期間のプレイを後押しする。難しく難解であるからこそ、本作にハマった時の沼っぷりは深いものがある。


競争しなくていいのめっちゃ楽

ちなみに筆者が本作を好む理由として、競争要素/対人要素がまったく存在しないことを追記したい。人と競うことがないので、プレイヤーに対するプレッシャーが非常に少なく自由に遊ぶことができる。キャラクターを強化し最新コンテンツを攻略し続けるのはもちろん、模擬宇宙で面白いビルドを模索し続けるもよし、フィールド上の膨大なテキストを読み『崩壊:スターレイル』の世界に浸るもよし、好きなキャラを眺め続け美しいロケーションで撮影するもよし、遊び方は千差万別だ。モチベーションがないときは、いっそ一度すべてをサボってしまい、再び興味が湧いた時やストーリーの更新時にガッツリやってしまうのも遊び方の一つだと私は考えている。クラーラのめっちゃかわいい放置モーションを眺めるためだけにプレイを始めてもいい。


『崩壊:スターレイル』は多彩なデイリーコンテンツ、遊びやすさとやりこみ要素、それぞれが互いにゲームの魅力を引き立て、プレイヤーに深みのあるゲーム体験を提供している。遊びやすさによってプレッシャーとストレスを抑えて継続性を高めつつ、成長要素・エンドコンテンツが、プレイヤーのモチベーションを長期間にわたって維持し、ゲームを楽しむ意欲を高めているのだ。多彩なデイリーコンテンツと遊びやすさとやりこみ要素、それぞれの絶妙な組み合わせこそが、本作を今日まで続けられた理由であろう。

と、つらつら書いたが、正直なことを言うと「ちょっとなにかしただけで、たくさんのものをもらえる」というのが、続けられた本質かもしれない。ちょっとデイリーやっただけで報酬いっぱいだし、すぐ強くなるし、キャラクターのかわいいモデルがめっちゃ動くし、いつのまにかエンドコンテンツに挑めるし。時間や労力に対するリターンが大きいというのが、究極的な答えになるかもしれない。


PS5のクラーラもかわいい

そんな本作がPS5向けにもリリースされた。PS5版については、基本的なシステムは当然PCやモバイル版とは変わらないが、3機種の中でもグラフィックはトップクラスに美しい。PS5のトゥーンシェーダー系の中の作品ではトップレベル。筆者はPC版をプレイしているが、あくまで印象に過ぎないものの、PS5版のグラフィックに驚いた。PCとモバイルとのクロスプログレッションに対応しているので、このクオリティのクラーラを見るために、最近はPS5版でゲームを遊んでいる。クラーラのビジュアルを見るだけでも、本作をプレイする価値がある。下のクラーラはPC版のもの。PS5版のクラーラを見たい方は……PS5版でぜひ確かめて見てほしい。


いろいろ書いたが、『崩壊:スターレイル』はとにかく続けやすい。ターン制バトル、頭を使うゲームが好きで、面倒くさがり屋なら、一度波に乗ればかなり楽しいだろう。PS5版リリースに際して、いろいろ語ったが、とにかく一度インストールしてみてほしい。筆者がなぜここまで本作を続けられたのか、クラーラの魅力、その両方を理解できるはずだ。

崩壊:スターレイル』はPS5/PC/モバイル向けに基本プレイ無料にて配信中である。

Sora Hashio
Sora Hashio

MMOからMOBAまで幅広くプレイしています。ローグライクゲームが特に好き。

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