『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』にて“ラスボスをおもちゃ化”する遊びが一部で流行中。ケツバット、ぬいぐるみと3ショット、すべて耐え忍ぶボス
『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』にて、最終ボス戦でグリッチと見られる現象を引き起こし、ボスとのさまざまな“遊び”を試みるユーザーが現れている。されるがままのボスの姿のシュールさは、国内外のユーザーやメディアから注目を浴びている。
弊誌はそんな“最終ボス遊び”の様子を数多く報告しているユーザーのゆきのさんに、ボス遊びの発見の経緯や、お気に入りの遊び方について訊いた。なお本稿では最終ボス戦に関する言及のほか、画像・動画も複数含まれるため留意されたい。
『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』は、Nintendo Switch向けに発売中のアクションアドベンチャーゲームだ。『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』の続編である。新作では、ハイラルの地が突如として天変地異に見舞われる。城は宙へと浮かび上がり、空からは謎の遺跡群が降り注ぐ。大地と大空が広がった世界にて、“右手”に力を宿したリンクがハイラルの異変に立ち向かう。
本作では多くのシリーズでリンクの宿敵となってきたガノンドロフが登場。「魔王ガノンドロフ」として最終ボス戦でリンクの前に立ちふさがる。一方でそんなガノンドロフ戦にてグリッチと見られる現象を引き起こし、魔王との遊びに興じるユーザーが現れている。そうしたガノンドロフ遊びについて数多く報告しているひとりが、ゆきのさんだ。同氏は前作から仕様の限界に挑むなどさまざまな検証をしてきたユーザー。同氏の研究成果はTwitterアカウントやYouTubeチャンネルで確認可能だ。研究の一環としてか、同氏はSNS上でガノンドロフとの遊びの数々を報告している。
たとえばゆきのさんは以下の動画にて、ガノンドロフに“ケツバット”を叩きこむマシンを紹介。大きなタイヤに取り付けた丈夫な木の棒が、魔王ガノンドロフのお尻をめがけて回転。バシっとお尻を強打しながら周回を続けている。この間、魔王はほとんど反応を見せず、堂々たる立ち姿で背を向けてこちらを睨み続けている。
そのほかにもゆきのさんとガノンドロフとの遊びは続く。タイマーバクダンをガノンドロフめがけて転がすボウリングマシンを作ったり、ガノンドロフの頭の上にリンゴを置いて弓で射抜いたり。ちなみに後者の遊びを同氏は、スイスにて弓の名手として伝わる英雄にちなんでか「ウィリアム・テルごっこ」と称している。ウィリアム・テルごっこには“NGテイク”もあったようで、リンゴではなくガノンドロフのご尊顔に矢がクリーンヒット。これには魔王もご立腹の様子だ。
そのほかゆきのさんを含む一部ユーザーらはガノンドロフを使ったさまざまな遊びを考案しており、国内メディアのほかKotakuなど海外メディアもそれらを報道。シュールな遊びの数々は国内外で注目を集めていた。
なおゆきのさんは柵を使ったガノンドロフ遊びを続けるなかで、ボス戦エリア内にどんどん柵を増やしていく実験もおこなっている。オブジェクト数があまりにも増えたからか、しまいには部屋の主であるガノンドロフが消失する事態もあったようだ。際限なく散らかっていく部屋を見て、魔王がたまらず家出したような印象も受ける。
そしてその後、ゆきのさんは柵を増やす実験中に、謎の場所にたどり着いたことを報告していた(関連記事)。そこには明かりもアイテムも音も存在しないといい、ゲーム世界のどこに位置するのかもはっきりしない謎の多い場所だ。辿り着いて以降、再起動するまではどのデータをロードしてもこの部屋から始まる状態だったという。同氏は負荷をかけすぎたためにそうした状態に陥ったと見ており、この場所を“懲罰房”と呼んでいた。後日同氏は、確実ではないとしつつも再現可能な方法を発見している。ガノンドロフ遊びはほどほどにしないと“懲罰房行き”になる可能性もあるわけだ。
なお魔王ガノンドロフは本来、棒でお尻を叩かれて大人しくしているような相手ではない。また、ガノンドロフによる一部の攻撃はブループリントで作った物体を消してしまう。通常であれば、本作では“ガノンドロフで遊ぶ”ことはかなわないのだ。一方これを実現しているのが、ゆきのさんの一連の動画で確認できる、格子の入った緑色の板と見られる。
この板は、ゴーレム製造房・右脚の蔵にある「エレベーターの柵」だ。ゾナウギアなどを用いてエレベーターを破壊することで無理やりもぎ取ることが可能。普通の物体と違って、基本的に何が起こっても破壊されず、軽量かつ不思議な物理演算を有する特性が注目されている(関連記事)。そしてこの柵で囲むと、ガノンドロフは開発元が予期していないと思われる挙動に陥る。借りてきた猫のようにピタリと動きを止めてしまうのだ。こちらの動きに応じて攻撃してくる場合もあるものの、基本的にはその場から動かなくなる様子だ。
弊誌はゆきのさんに、ガノンドロフがエレベーターの柵で止まることを発見した経緯を訊いてみた。同氏によるとそのきっかけはライネルにあるという。ゆきのさんはガノンドロフに先がけてライネルについても、エレベーターの柵を用いて異常な挙動を引き起こせることを報告していた。ライネルは本来、ブループリントされた物体などを咆哮で消し去ることができる。一方でエレベーターの柵は咆哮でも消えないことから、ライネルが咆哮し続ける挙動を見せるのだ。
ゆきのさんはライネルに効果があるなら、ガノンドロフにも応用できるのではないかと考え、好奇心から魔王を柵で囲むことに。ライネル用の柵をそのまま用いて、1回目の実験でガノンドロフの鎮静化に成功したそうだ。なおボスエリアに入ってすぐに柵で囲んだため、実験開始から成功まで時間にして1分未満とのこと。咆哮し続けるライネルと違ってガノンドロフはまったく動かなくなる点に、思わず笑ってしまったという。
ちなみにゆきのさんによると、ガノンドロフは複数の武器を用いるものの、柵で動きを止められるのは剣を用いているときのみだという。ガノンドロフは初期状態で剣を装備しているため、出会いがしらに柵で囲んだ最初の実験が偶然成功に至ったそうだ。
なお弊誌は、されるがままのガノンドロフを見て罪悪感を覚えたりしないかをゆきのさんに訊いた。すると、同氏の返答は「ハイラルを滅ぼそうとする魔王様なので特に(罪悪感は)ありません」とのことであった。ただ同氏としては「一方的に攻撃するより明るくネタにする方が好み」だそうだ。さらに弊誌はゆきのさんにお気に入りの“ガノンドロフ遊び”を訊いたところ、以下の3つを挙げてくれた。
それぞれ好みのポイントとしては、一つめはシュールさ、二つめはギャップ萌え、三つめは想像以上に(エノキダ看板に)黒幕感が出た点にあるそうだ。ウツシエのインカメラに映しつつ一緒に仲良くダンスしたり、ぬいぐるみやエノキダ看板を背に厳めしい顔つきをする魔王の写真を撮ったりと、ガノンドロフが(物理的に)傷つく心配のない安全な遊びが講じられている点にも注目したい。
不思議な素材が可能にする“ガノンドロフ遊び”。なおエレベーターの柵と同じくゴーレム製造房のオブジェクトであるU字型のブロックも、ライネルの挙動の不具合を引き起こしていた。しかしU字型のブロックは更新データ1.2.0後に、咆哮で壊れない性質がなくなったことが報告されている(関連記事)。そのため柵についても今後の更新データによって、壊れない性質が撤廃される可能性はありそうだ。
ちなみに本作では特定のイベントを進めることで、イチカラ村にてウツシエで撮った敵の人形を作ることが可能。ガノンドロフも例外ではなく、エレベーターの柵を使わない、あるいは使えなくなった場合は、ガノンドロフ人形相手に遊んでみるのもいいかもしれない。
『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』はNintendo Switch向けに発売中だ。
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