Steamから消えた高評価石器時代生活ゲーム『Roots of Pacha』ストアページが復活。衝突していた開発元と販売元が“平和的に”お別れ
デベロッパーのSoda DenとパブリッシャーのCrytivoは5月27日、『Roots of Pacha』に関する声明をTwitterに投稿した。両者の間では本作の権利を巡った争いが発生しており、一時Steamのストアページが削除される事態となっていた。声明によると平和的に合意したという。Steamのストアページも復活し、現在は購入可能な状態となっている。
『Roots of Pacha』は石器時代を舞台にした、農業・生活シミュレーションゲームだ。プレイヤーはPachaという地域の住民として集落を築いていく。狩猟や採取、シンプルな耕作から始め、やがて金属加工や水車小屋など高度な技術を発明し、文明を発展させるのだ。
森やジャングルを探検して新たな作物の種を手に入れたり、洞窟から鉱石を掘り出したりなど探索要素も存在している。
野生動物は狩猟するだけでなく飼育することも可能で、仲良くなれば背中に乗ることもできる。村人との交流イベントも用意されており、一部のキャラクターとは恋愛関係になり結婚することも。家具や敷石を作って景観をコーディネートするなど、石器時代の暮らしを自分なりに楽しむことができる。また、マルチプレイに対応しており最大3人のプレイヤーを招待可能だ。
本稿執筆時点で本作はSteamユーザーレビューにて、1000件中93%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得、高い評価を得ていた。しかし、そんな本作のSteamストアページは日本時間5月13日頃削除され、購入することができない状態が続いていた(関連記事)。当時Soda DenとCrytivoがTwitterに投稿した声明によると、両者間で発生した権利関係の争いが原因だったようだ。声明で開発元のSoda Denは、Crytivoが同意なしにストアページ削除許可をValveに対して出したと非難していた。一方で販売元のCrytivoは、本作のリリースから2日後に突如Soda Den側が一方的に契約の取り消しを求めてきたとコメント。ストアページが削除されたのはValveのポリシーによるものだと主張していた。
主張が大きく食い違っていた両者だったが、合意に到達することができたようだ。5月27日にSoda DenとCrytivoはふたたびTwitterに声明を投稿、『Roots of Pacha』のSteamでの販売が復活したと発表した。声明では、両者は共通の利益のために道を分かつことに同意したという。また、両者がそれぞれ、お互いの作品への献身に感謝の言葉を述べており、平和的な話し合いだったことを強調するような内容になっている。SteamのストアページからCrytivoの名前が消えており、パブリッシャーの座から退いたことがうかがえる。現在はSoda Denが開発と販売を兼任しているようだ。
声明には断片的な情報しか含まれていないため、実際に何が起きていたかは当事者のみが知るところ。しかし2週間ほどで合意に達し、販売を再開することができたのはゲーマーにとって朗報といえるだろう。
『Roots of Pacha』はPC(Steam)向けに販売中だ。