『龍が如く 維新!極』阪本P×プロレスラーのケニー・オメガの相思相愛対談。相思相愛のふたりが『龍が如く』のルーツから最新作まで語り合う
セガは2月22日、『龍が如く 維新! 極』(以下、維新! 極)を発売した。同作は、2014年にPS3・PS4で発売された『龍が如く 維新!』をフルリメイクした作品だ。グラフィックが刷新され、装い新たに全世界向けに発売された。『維新! 極』には追加要素も盛り込まれており、新たに加わった隊士カードの中には、今をときめくタレントやインフルエンサーの顔ぶれが並んでいる。そしてそこには、AEW(All Elite Wrestling)所属プロレスラーのケニー・オメガも名を連ねている。
隊士カードは、本作の主人公である坂本龍馬の仲間となってくれる隊士が、カードとなって戦闘に参加してくれるもの。カードごとに固有の隊士能力を持っており、戦闘でこの隊士能力を使うことで龍馬はさまざまな恩恵を得られるシステムだ。隊士たちは、体力などを上昇させてくれたり、強力な必殺技を使ったりして龍馬をサポートしてくれる。『龍が如く 維新!』ではバトルダンジョンだけだったが、『維新! 極』では本編の戦闘でも隊士能力が利用可能。本編に登場とはならなかった『龍が如く』シリーズのキャラクターをモデルとしたキャラクターも隊士として現れる。
隊士カードとはいえ、ケニー・オメガが『龍が如く』内にいるのは、どことなく不思議かもしれない。しかし実はケニー・オメガと『龍が如く』の間にはちょっとした縁が存在する。というのも、ケニー・オメガは『龍が如く』の大ファンなのだ。同氏は以前からセガにラブ・コールを続けており、今回ようやくその念願がかなったかたち。そして面白いのは『維新! 極』のチーフプロデューサーである阪本寛之氏はプロレスとケニー・オメガのファンであること。ケニー・オメガと『龍が如く』プロデューサーは相思相愛なのである。
このふたりはすでに面識があり仲良しのようであるが、対談してみるとどうなるのか。そんな好奇心もありセガにリモート対談をセッティングしていただいた。結論からいうと、とにかくふたりがお互いリスペクトしまくる内容となった。その相思相愛っぷりを余すことなくお伝えする。
阪本寛之氏(以下、阪本):
今日はよろしくお願いします。
ケニー・オメガ(以下、ケニー):
いつもプロレスの話ばかりだから、ゲームの話ができるのはとても嬉しいので楽しみです。
阪本:
早速いろいろ楽しくお話しましょう。
ケニー:
(日本語で)ぜひ!
阪本:
まず、『維新! 極』でのコラボレーションありがとうございました。すごく盛り上がっていて、本当に良いコラボレーションとして盛り上げられたかなと思っています。
ケニー:
こちらこそ、ありがとうございます。私自身『龍が如く』のゲームに出演できて嬉しいですし、私のファンが喜んでくれて嬉しいです。私のファンだけでなく『龍が如く』のファンが、私のカードを使って喜んでくれて嬉しいですね。
阪本:
ケニーさんの隊士カードが、実はかなり強くてですね……。
ケニー:
ああ、そうですね(笑)
阪本:
あれを使うと結構簡単に勝ててしまうという……(笑)
ケニー:
強く作ってくれて本当に嬉しいです。出演できること自体嬉しいですが、いろいろなシチュエーションですごく使いやすいカードにしてくれたので嬉しいです。
阪本:
今回のコラボレーションのきっかけとしては、『龍が如く6 命の詩。』(以下、龍が如く6)の時にケニーさんがツイートしたことがきっかけでしたね。
あの時、実はケニーさんも出演する候補に挙がっていたんですよ。『龍が如く6』の時に新日本プロレスの現役プロレスラーの方々とコラボレーションしようとしていて、最初はケニーさんももちろん入っていたんですよね。ですが、日本のいろいろな地方を舞台にしたシナリオで、ケニーさんが入ってくることを物語的にパッケージするのが少し難しかったので、当時は泣く泣くケニーさんを外したという背景があったんです。
ケニー:
てっきり、セガさんが私のことを嫌いなのかと……。
一同:
(笑)
阪本:
そんなことはまったくないですよ!その後も、『龍が如く6』のことがずっと私の心の何処かにあって。今回の『維新! 極』は、海外に向けてもプロモーションで盛り上げようと思っていて、隊士カードを使ってうまくコラボレーションしたいな、というアイデアがありました。ゲーム以外のジャンルでもコラボレーションして盛り上げたかったのもありまして、そこで真っ先にプロレス業界が思いつきました。その最初の第一声で、ケニーさんの名前を挙げさせていただきました。
ケニー:
ありがとうございます(笑)自分のカードの絵を見た瞬間、これは自分にも、世界観にもバッチリハマっていると思いました。素晴らしい出来でした。
昔のモノをまた世に送り出す意義
ケニー:
『維新! 極』は、時代劇ものですが、本作のような時代が動くときというのは、西洋各国にもカウボーイのようなかたちであったので知っています。そんな時代を描いた『維新! 極』に自分自身が出演して、日本のことや明治維新のことを語る手伝いができているということは本当に素晴らしいと思います。
今はいろいろなゲームがあると思うんですが、時が経つに連れてどんどん似通ったようなゲームばかりになってしまっています。その中で『龍が如く』シリーズは独自の路線を失わず、コアのようなものが常にある作品だと思っています。そのコアこそが日本の心みたいなものなんじゃないかと考えています。そんなゲームで自分がカードになるということで、昔の日本の文化や、日本がどんなに美しい国かというのをいろいろな方に知ってもらえることが、僕はとても嬉しいです。
阪本:
ありがとうございます。そこまで思っていただけるなんて本当に感無量です。
ケニー:
自分はすごく難しく考えてしまう人間なので、どんなに簡単なことでもこうやって深く考えてしまうのかもしれないですね。
阪本:
私もケニーさんが仰っていることはすごくわかります。日本の侍のゲームである『龍が如く 維新!』ですが、今まで日本でしか販売していなかったんです。『維新! 極』ではきちんとローカライズして、今回ワールドワイドに販売したんですが、海外の皆さんの盛り上がりが、日本よりも圧倒的に強いです。
昔は侍のゲームだから海外には売れないんだろうな、とずっと思っていたんですが、今は海外の人たちもそういった文化の違いを楽しんでくれる土壌が備わってきています。下手に気を遣って海外向けに作り直すということをせずに、そのまま送り出したものが、良いものは良いものという形で評価される時代なのかなと思います。
私たちがオリジナル版である『龍が如く 維新!』を作ったのが9年前なんですね。9年前に発表した作品を今リメイクしても、物語やゲームの中身が面白かったからこそ今も通用しているという部分はあるのかなと。下手に大きくゲームを作り直す必要はありませんでした。良いものはそのまま時代を越えても良いという風に評価されるんだな、というのはすごく実感しています。
ケニー:
たとえば科学は時間が経つに連れて進歩していくものだから、時間が経てば経つほど良いものを作れるようになる、というのが当たり前です。だけど、実際には過去から学ぶものってたくさんありますよね。今培われている最新の技術っていうものを使うのに良い方法というのは、過去のものからの影響を、最新の技術で表現することじゃないかな。
阪本:
そのとおりですね。私たちも最新の技術を裏で研究をしているのですが、何でもかんでも最新の技術さえ使えばいい、という短絡的なものづくりはもちろんしていないんですよね。「この組み合わせだとより可能性が広がる」といった取捨選択をしながら技術を取り入れるというアプローチをしていて、これはこの先もずっと変わらないと思います。
ケニー:
ええ、それはすごく良いことだと思いますね。
ケニーと振り返る『龍が如く』誕生
ケニー:
今の新しいゲームは日本の文化が西洋文化の影響を受けて変わっていっていますが、『龍が如く』は、『維新! 極』以外のシリーズに関しても、作中では日本人の古い生き様を貫いていて、それがとても良いですね。
阪本:
実は初代『龍が如く』を作る前は、どんなゲームを作るべきかかなり悩んでいたんですよ。
ケニー:
えー!(笑)
阪本:
当時、日本では売れるタイトルがかなり限られていて、ユニークなものを作らないと勝てないんじゃないかと考えていました。そこで初代『龍が如く』を作るときは、「ゲームに飽いた人たちへ、そしてゲームを愛する人たちへ」というキャッチコピーで、日本の大人しか楽しめないゲームを作ろうって割り切ったんですよ。
子供たちはまったく楽しめなくてもいい。ただ大人の男性がすごく楽しめるゲームを作ろう、という。歌舞伎町をモチーフにして、風俗とかも出てくるようなものをあえて選んだんです。やっぱりほかの競合タイトルと似たようなものを作っても、我々はこの先勝てないと思っていたんですよね。それが『龍が如く』を作った時のきっかけだったりします。
ケニー:
いろいろなゲーム会社がありますが、時代が変わるにつれて「らしさ」を失っていっているように思います。というのも、やっぱり売れるゲームを作りたいから、誰でもプレイしてもらえるゲームを作ろうと考えて、その方向性がやっぱり良くなかったんじゃないかなと思います。
阪本:
本当にそのとおりで、たとえばキッズ向けのゲームで言うと、やっぱり任天堂さんには敵わないんですよ。ものすごくリッチな映像で勝負するとなると、初代『龍が如く』の開発当時だとスクウェア・エニックスさんのような、すごく綺麗なクオリティの高い映像を作るメーカーさんがいて敵わない。そういう背景がある中で、尖ったゲームを作ろうとなりました。最初に初代『龍が如く』を作った時、本数としてはそんなに売れなかったんです。話題にはなったんですけど……。
ケニー:
ええ、日本であまり売れなかったんですか?
阪本:
そうです。初代『龍が如く』のときは「ものすごく変なゲームがある」とクチコミが広まって、徐々に徐々にバズっていったんです。
ケニー:
例に出すならアメリカでの『MOTHER2 ギーグの逆襲』と同じような感じかな?アメリカで最初は全然売れなかったけど、時間が経って今では伝説的なゲームになっています。
阪本:
それでも、我々は作り続けたんですよ。『龍が如く2』も『龍が如く3』も『龍が如く4 伝説を継ぐもの』も、1年に1本ぐらいのペースで。後半は2年で1本ペースでしたけど、本当にずっと作り続けたんですよね。
ケニー:
あ、それに関して質問してもいいですか?「このゲームが何本以上売れないと今後のシリーズが打ち切りになる」などあったんですか?それとも、売れなくても4までとか、5までは絶対続けるとか、そういう風に決めて作っていたんですか?
阪本:
いやいや!1本1本勝負で、次が作れない可能性は常にありましたよ。なので、毎回今回が本当に最後、という気持ちで。次のことを考えずに作り続けていました。
ケニー:
次のことを考えずにやっていたということは、全体を通してのストーリーも考えていなかったわけですね。じゃあ、キャラクターがどんどん歳をとってどうなっていくかっていうことを考えていない状態で、『龍が如く2』を作らないといけなかったわけですよね。やっぱり大変でしたか?
阪本:
当然初代『龍が如く』を作っているときに『龍が如く2』の話なんて一切考えていなくて。後のシリーズ作品もすべてそうなんですが、『龍が如く』ではキャラクターの設定をすごく深掘りしていたんですよね。で、このキャラクターがまた出てくるんだったら、多分こういうドラマとか物語が作られていくだろうと。人が物語を作るといった感じで、メインストーリーをこれまで作ってきました。
キャラが大事なのはプロレスも『龍が如く』も同じ
ケニー:
プロレスでも同じ話があります。キャラクター作りというのはとても大切ですよね。阪本さんが話したのは、キャラクターが「勝手に動き出す」的な発想。キャラクターさえちゃんとできていれば、キャラクターが勝手に動き出すということだと思うんですが、プロレスでもそれは同じです。
ただ、プロレスの場合、そのキャラクターのすべてをさらけ出すことはしないんです。お客さんの想像で補完させる部分もあり、将来どんな状況になったときにも動ける道筋を残しています。全てをオープンにしてしまうと、このキャラクターはこういうシチュエーションではこうしか動かない、となってしまうので、どう動いても大丈夫なように、お客さんにすべてを見せないようにしています。
そうすると、ケニー・オメガというキャラクターが別の生き物として生きていくというか、別の人生を持ち始めるんです。ある人は「ケニー・オメガはそんなことしないよ」と言うかもしれないけど、「いやいや、ケニー・オメガだったらああするかもしれないよ」と言ったりして、その答えのどれもが正しいものなんです。
もちろんケニー・オメガではない自分という存在もいます。ただ、その本物の自分すらも、「ケニー・オメガという人間はこう生きるべき」と思っています。こういうことはケニー・オメガとしてするべきではない、と本物の自分ですら思ってるわけです。それくらいキャラクターという存在は強いものです。それは『龍が如く』のキャラクターも同じですよね。
『龍が如く』でもキャラクターが作り込まれているからこそ、作品の中でキャラクターたちが生きていて、そのキャラクターに反する動きや物語は起きないですよね。キャラクターたちにはそうした“キャラクター”を裏切ってほしくない。でも、逆にあまりにもそのキャラクターらしいことはしすぎてほしくないとも思います。
阪本:
キャラクターが良ければ、その後の人生を描けば物語になっていくので、そこは共通する部分だと思います。私自身もプロレスが大好きで、プロレスって予定調和じゃないワクワク感があるじゃないですか。それもゲームとかエンターテイメントに通じる部分だなと思っています。ファンの人たちは、新作が発表された時はどんな作品になるか予想するじゃないですか。「どうせこんなゲームなんでしょ?」という風に。『龍が如く』のゲームを作っていく上で、その予想のいかに斜め上のものを作るかということは、すごく考えていたりします。
ケニー:
ファンたちの予想を裏切って違うことをするのもひとつの選択肢かもしれないし、より時間をかけて回り道して同じところに着くというのもありますよね。
ケニーは『龍が如く7』をどう捉えたか
阪本:
ここ最近で言うと、ケニーさんはご存知だと思いますが、『龍が如く7 光と闇の行方』(以下、龍が如く7)で主人公を変更して、ゲームのジャンルも変更したんですよ。で、それらを発表したことでものすごく批判が集まり炎上したんです。ファンから「何でアクションをやめたんだ」とか「今すぐ作り直せ」みたいなことを言われました。
ケニー:
自分としては、今となってはあれが一番自然なスタイルだと感じています。『龍が如く』の強みというのはアクションの戦闘だけではないし、何ならキャラクターたちの方がもっと重要ではないでしょうか。もちろん戦闘システムが重要な部分だということもわかります。
大切なのは言い方は悪いですが暴力をどう見せるかというインパクトの部分ですよね。その部分さえ外さなければ、バトルシステムがアクションからコマンド式に変わろうが、自分は問題ないです。
阪本:
大炎上はしたんですが、私たち(開発チーム)は大丈夫だと思っていたんです。『龍が如く7』を作っていく中で、『龍が如く』ってこういうこと、という定義がちゃんとあったので。RPGになっても『龍が如く』だと思ってくれるだろう、と考えていたので、そのまま制作を続けていたんですよね。
ケニー:
『龍が如く7』をプレイし始めて、最初の荒川組のストーリーや神室町、主人公の春日一番についてのストーリーを見た時点で戦闘システムとかは、もうどうでもよくなっていました。絶対このゲームは良いゲームだと、確信しました。ストーリーを進めていくと、まず悪の存在が明らかになって、でもその悪役も同情できないほど悪いやつではないことがわかります。春日については、最初は細かい部分はよくわからなかったけれど、少し間抜けなところはありつつも、強い心をもった男だということはわかりました。そんなやつを嫌いになれるわけがない。自分は「はじめの一歩」が好きなんですが、春日を見て作品に登場するキャラクターの鷹村守を思い出しました。
阪本:
鷹村守(笑)
ケニー:
春日も鷹村守も、頭はちょっと良くないかもしれないし、間抜けなところもあるけれど、男として魅力的だし、何より強い。
阪本:
ありがとうございます。ただ、炎上したことを思い返すと、私たちがずっと作ってきたのが硬派なアクションゲームだったので、アクションゲームを好きでいてくれたファンの人たちはやっぱり心配になるよな、というのはもちろん思いました。
ケニー:
人間は変化には敏感になるから、それは仕方がないですよね。
阪本:
ただ、我々は『龍が如く』らしさについては理解しつつも、何かを必ずしも定義しているわけではなくて。ほかのメディアインタビューでも答えたことがあるんですが、もしかしたらパズルゲームで『龍が如く』を出すかもしれないというほどなので……。
一同:
(笑)
阪本:
『龍が如く』というゲーム自体の定義が、アクションゲームだとか、そういう風にこだわって考えていないんですよね。たとえば将棋のゲームでもドラマは作れるじゃないですか。なので、ドラマを楽しんでもらえるかたちで、一番いい遊ばせ方っていうものは何だろうと考えるんです。だから、考え方は結構特殊かもしれません。
ケニー:
今となっては『龍が如く』というシリーズそのものが有名になったので、それを他ジャンルに変えることは、たしかに前よりは簡単かもしれないですね。すでに何でもやれるっていうところまで、『龍が如く』はきているんだと思います。『龍が如く』の世界観がしっかりできているからこそ、『ジャッジアイズ』シリーズも展開できたんでしょうし。
阪本:
はい、そのとおりですね。『ジャッジアイズ』シリーズは『龍が如く』でお馴染みの東京・神室町や横浜・伊勢佐木異人町を舞台としていますが、世界観がしっかりしていればいろいろな作品のドラマを作れるというひとつの例ですね。
ケニー:
同じ世界観を使った、スピンオフはまた考えていないんですか?
阪本:
今は新作のことしか考えていないですね。今作っている新作も、ケニーさんに見せればびっくりすると思います。
ケニー:
おお!楽しみです!
阪本:
まだ詳しくは言えないんですが、今年はいろいろ情報が出てくると思います。
ケニー:
ちなみに、AEWでは今プロレスのゲーム『AEW: Fight Forever』(開発は株式会社ユークスが担当)を作っているんですが、プレイしている人たちがゲーム内の動きを自分で実際に感じられることはすごく重要なことだと思っています。今のプロレスゲームは動きのスムーズさとか滑らかさとか、そういうところに焦点がいきがちで、何かを殴ったインパクトとかが少ないんですよね。
たとえば相手を殴ったときや叩きつけたときに、そのインパクトをコントローラー越しにどう感じられるのか。そういったものがゲームで伝わらないと、やっぱり本物のプロレスゲームにはならないと思いました。そういうところは、『龍が如く』がとても参考になっていますので、AEWのゲームにも使わせていただきます。
阪本:
ぜひ使ってください(笑)
次に向けて
ケニー:
新作の制作はいろいろ大変だとは思うのですが、こちら側で助けられることがあるんだったら何でもしますよ。
阪本:
ありがとうございます(笑)そういわれると……あの……、頼らせていただきますよ、本当に(笑)
ケニー:
もちろん!自分が初めて『龍が如く』をプレイしたとき、大好きになっていろいろな人と語りたかったんですけど、『龍が如く』のことを他人に説明するには、1から説明しないと、みんなにわかってもらえなかった。
今は『龍が如く』と言うだけでもうみんな知っています。それは自分も同じで、ケニー・オメガのことをAEWで知ったという人もいるし、日本人の多くは新日本プロレスリングでケニー・オメガを知ったと思う。でも、その前にケニー・オメガは、カナダの地元のインディー団体や日本のDDTプロレスリングでも試合をしていました。
でも、その頃からケニー・オメガを知っている人はそこまではいないですよね。だから、今有名になったものが元はどこから来ているのかっていうことを知るためにも、昔を振り返りたいという動きはあってしかるべきものなんじゃないかな。だからこそ今、リメイクが多く出ているんだろうね。今となってはこんなに有名だけど、最初はこうだったと。だから自分みたいに『龍が如く』を最初から知っていて遊んでいるよ、というファンたちにはご褒美があってもいいんじゃないでしょうか?たとえばゲームに出してくれる、みたいな。
阪本:
(笑)
話は変わるんですが、「AEW Revolution」で新選組の羽織を着ていただいてありがとうございます。すごく盛り上がっていましたね。
ケニー:
実際羽織を着て試合で入場するとなったとき、「そんなこと勝手にやって大丈夫なの?」と周りは心配していました。セガさんに許可を取るべきなのか、それともAEWに許可を取るべきなのか。でも、実際に着てみると、自分の水色のコスチュームにしっかりマッチしていて違和感が全然ありませんでした。ツッコまれることはまったくありませんでしたが、話題にはなりました。宣伝をするために無理やりねじ込んだ、みたいな印象はなかった……ですよね?
阪本:
格好良かったですよ。これからも着てほしいなと思うくらいナチュラルでした。
ケニー:
どなたが『龍が如く』のアートディレクションをされているのかわからないんですが、服だったりタトゥーだったりとか、『龍が如く』はそういったところのデザインレベルが非常に高くて、本当に格好良いですよね。そんな格好良いゲームの一部を自分に取り入れられたことはとても嬉しいです。
阪本:
ありがとうございます。そう言っていただけると本当に嬉しいです。
阪本:
それでは締めということで、最後の言葉を……。『維新! 極』で良いコラボレーションができて、本当に嬉しいです。お礼だけになってしまいますが。
ケニー:
何よりも、作品が大好きだからこそ、『龍が如く』をアメリカで広めるお手伝いができたらそれが一番嬉しいですよ。自分のレスラーとしての知名度や、自分のキャラクターを何かゲームの宣伝に使ってくれたら嬉しいです。
阪本:
ただただ、ありがたいですね。ケニーさんから、この記事を読んでいるゲームファンの方にメッセージお願いします。
ケニー:
今の時代、いろんなエンタメがありますよね。ゲームでも音楽でも文化でも映画でも、何でもそうなんですけど、多種多様なものがあって、何にでも手が届く時代だと思うんです。そんな時代に人間のフィジカルのすごさや、格闘技を見るのが好き、あるいはエンターテイメントが好きな人は、俺の試合を見てほしいです。
一同:
(笑)
ケニー:
そして、コントローラーを持って何かを楽しみたいというゲームファンたちには、『龍が如く』は間違いなくおすすめです。ケニー・オメガの試合も、『龍が如く』もハズレはありません。
阪本:
素晴らしい締めくくりをありがとうございました(笑)
『維新! 極』は、PS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S/ PC(Windows/Steam)向けに発売中。ケニー・オメガが王座を保持する、新日本プロレスのUSヘビー級の防衛戦やAEWでの試合は、新日本プロレスワールドで配信中だ。
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