三國死にゲー『Wo Long(ウォーロン)』にて、“最初のボス強すぎ”報告多数。プレイヤーに基本を叩き込む棍棒教育
コーエーテクモゲームスは3月3日、『Wo Long: Fallen Dynasty(ウォーロン フォールン ダイナスティ)』(以下、Wo Long)を発売した。対応プラットフォームはPC(Steam/Microsoft Store)/PlayStation 4/PlayStation 5/Xbox One/Xbox Series X|S。Xbox Game Pass/PC Game Pass向けにも提供されている。“死にゲー”を標榜する本作では、最初のボスでいきなり苦戦したという報告が数多く寄せられている。
『Wo Long』はコーエーテクモゲームスより発売されたダーク三國アクションRPG。開発はTeam NINJAが担当している。舞台は後漢末期の中国。プレイヤーは中国武術をコンセプトとした攻撃を振るいながら、三国志に名だたる英雄と出会い、群雄の動乱に巻き込まれていく。
本作にはリトライを繰り返して攻略を進展させる、いわゆる“死にゲー”方式が採用されている。また「氣勢」ゲージが重要となる戦闘システムも本作の特徴。氣勢ゲージは攻勢をかけるほど上昇し、回避などで守勢に回るほど低下するほか、武技や仙術などの使用に必要となる。敵の攻撃を受け流す「化勁」では、敵の氣勢を衰えさせ、自身の氣勢を高められる。相手の氣勢を完全にそげば、強力な一撃「絶脈」を繰り出せる。戦闘においては、無駄のない動きと化勁によって氣勢ゲージの優位を保つことが重要となる。
そんな本作における、とあるボスの強さが話題を呼んでいる。本作で最初に立ちはだかるボス「人公将軍 張梁」だ。海外掲示板Reddit上では張梁に苦戦したユーザーたちがスレッドを投稿。「あのくそったれのせいで75回も死んだ」「最初のステージで4時間も詰まって心が折れそう」といった悲痛な声が寄せられている。
ユーザーから強いと評判の張梁は、巨大な棍棒を担いだ大男だ。時おりガード不能の強力な攻撃「秘技」を繰り出してくるものの、こちらの攻撃には怯みやすく基本的には秘技にさえ注意していれば戦いやすい。
しかしながら、張梁には第2形態が存在する。第1形態で削りきった体力が全回復し、左腕が巨大な異形に変化。こちらの攻撃に怯みにくくなり、攻撃パターンも大きく変化する。リーチの長い攻撃が加わるほか、連続攻撃も繰り出すように。防御や回避でしのぐだけでは氣勢ゲージが不利になるため、化勁を使いこなす必要があるだろう。
つまり張梁は化勁の使い方や氣勢ゲージの意識といった、本作の戦闘システムの基本を身につけなければ倒しにくいボスとなっているわけだ。“死にゲー”方式のゲームにおいて、序盤のボスの強力さが注目されたり、基本的なゲームシステムの“教師”を兼ねたりしているケースは珍しくはない。たとえば『Bloodborne』におけるガスコイン神父は、銃撃による体勢崩しを身に着けるとかなり優位に戦える。『エルデンリング』におけるマルギットは、世界の探索と強化を促すような難易度調整となっている。張梁も『Wo Long』の世界に踏み込む前に、スパルタ教師的にゲームシステムをプレイヤーに身に着けさせるボスといえるだろう。
なおRedditでの張梁苦戦報告のなかには、『ダークソウル』シリーズや『仁王』シリーズなどの過去の“死にゲー”をプレイしてきたというユーザーによるコメントも。同ユーザーは、そうした作品における、これまでのどの序盤ボスよりも死亡回数を重ねていると報告。ひょっとしたら経験済み“死にゲー”の序盤ボスでの死亡回数を合計しても、張梁に殺された回数にかなわないかもしれないと述べている。同ユーザーは恐怖や苦痛を味わったとする一方で、化勁などのシステムを身に着けて上達できたときの達成感は驚くべきものだったと語っている。ちなみに本スレッドは、『Wo Long』発売前に「最終体験版」をプレイしたユーザーによる投稿だ。
本スレッド内には張梁の強さから、「呂布」がどれほど強いのかを期待する声も見られた。呂布とは、本作が題材とする「三国志演義」において最強と評されることの多い猛将。本作においてはボスとしてその武勇を発揮しており、発売後にはその強さを多くのユーザーたちが報告している。呂布は本作において、連続攻撃や秘技に加えて、飛び道具も駆使してくるボスである。敵の動きを見極めて化勁を的確に使いこなす必要があり、ここでも張梁戦で身に着けた戦い方が役に立つことだろう。本作の戦闘システムの持ち味を生かした攻略が必要となるため、強いだけでなくリトライを重ねても楽しいボスであるとの評価も散見される。
新たな“死にゲー”としてリリースされた高難度ゲーム『Wo Long』。特徴的な戦闘システムを身に着けさせるべく新規プレイヤーの前に立ちはだかる張梁に、苦戦を強いられた意見も多く見られる。一方で本稿執筆時点でのSteam上の本作の実績取得率を確認すると、張梁撃破後のトロフィー「旅の始まり」の取得率は84%。8割以上のユーザーが張梁という最初の関門を越えているようだ。張梁の“教え”はユーザーの心を折らないギリギリの厳しさにとどまっているのかもしれない。なお先述のマルギットも撃破時のSteam実績取得率は70%を突破(関連記事)。こちらも基本を叩きこむ序盤ボスとして多数のプレイヤーを導いたようだ。
ちなみに呂布撃退時の実績「人中の呂布」の取得率は43%。こちらについては発売直後でそもそも呂布戦までたどり着いていないユーザーも多いだろう。今後のトロフィー取得率の変化も注目される。
『Wo Long』はPC(Steam/Microsoft Store)/PlayStation 4/PlayStation 5/Xbox One/Xbox Series X|S向けに発売中。Xbox Game Pass/PC Game Pass向けにも提供されている。