Steamにて約6500万円のゲームが登場、からの自主的に販売停止。あまりにお騒がせな“うっかり”経緯

Steamにて『MEGAJUMP』なるゲームが、一時的に約6500万円で販売されていたという。開発者の好奇心が引き起こしたアクシデントのようだ。

Steamにて『MEGAJUMP』なるゲームが、一時的に約6500万円で販売されていたという。結論からいうと、開発者の好奇心が引き起こしたアクシデントのようだ。結果的にSteam史上最高額のゲームが更新される事態となったが、現在は開発者の要請により販売停止となっている。


『MEGAJUMP』は3Dジャンプアクションゲーム。溜めが可能なジャンプを駆使し、落ちないように足場から足場に跳び移っていく。溜めジャンプではより高く跳び上がることができるものの、水平の移動距離が短くなるという。攻略には溜めを調整することが必要となるだろう。シンプルなゲームプレイの作品といえる。

本作は2020年にリリースされ、これまで4.99米ドル、日本向けには520円で販売されていた。しかし1月30日に突如値上げが実施。50万2634米ドル(約6500万円)、日本向けには737万4480円という途方もない価格になった(SteamDB)。当然ながら、Steam史上最高価格のゲームである。しかしながら、本稿執筆時点では、Steamで本作は販売停止となっている。何があったのだろうか。

インフルエンサーのJake Lucky氏は本作をSteamでもっとも高価なゲームとして紹介。さらにLucky氏によると、同氏のもとに本作の開発者matrHS氏が連絡してきたそうだ。同氏は、開発者が語ったというSteam史上最高価格のゲームが誕生した経緯を伝えている。

発端となったのは、matrHS氏が試しに送信してしまった本作の価格設定リクエストだという。同氏は566万3784ノルウェークローネ(約7370万円)に価格を設定したリクエストを送信し、それが承認されてしまったという。

matrHS氏は自身のTwitch配信でも経緯を語っている。同氏は、Valveが途方もない金額を承認したことを「バカげている(Silly thing)」とコメント。Valveは価格変更を自動承認ではなく都度手動で承認すべき、とも語っている。同氏によればValveが価格設定を認めるとは考えておらず、試しに送ったリクエストが承認されてしまったそうだ。いずれにせよ、自分が過去にリリースしたタイトルの価格設定をむやみに変えるという、matrHS氏のいたずらが引き起こした事態ともいえるだろう。matrHS氏はその後も「Steamで一番高いゲームを遊ぶ」といった配信もしており、手違いではなく意図的にこうした販売価格を設定しているようにも見える。

matrHS氏は価格の再設定を試みたものの、Valveは30日間価格の再変更を受け付けてくれなかったという。これを受けて同氏はSteamストアページの紹介文に本作を購入しないよう注意喚起を記載。その後matrHS氏がValveに連絡し、当面の間は販売停止となる対応がとられたそうだ。それに伴い、Steamストアページの紹介文も更新されている。


Steamでは1月23日、販売ソフトのなかで最高額と見られる22万円のゲーム『The Hidden and Unknown』が発売され注目を集めていた(関連記事)。matrHS氏が『MEGAJUMP』でSteam上での販売価格の限界を試したのも、そうした作品の登場が関係しているのかもしれない。結果的に、『The Hidden and Unknown』発売の約1週間後に、30倍以上の差をつけて最高価格を更新するゲームが現れたわけだ。

ちなみに『MEGAJUMP』が566万ノルウェークローネ相当の価格で販売されていたのは、米ドルを含む一部地域だけだったようだ。一方で現状では適正な販売価格への修正に伴って、全地域で販売が停止されている。『MEGAJUMP』の販売はいずれ再開されるとのことで、日本ではまた500円程度で購入可能となるのだろう。

matrHS氏はValveの価格の自動承認システムに疑問を呈しているものの、もとはといえば本人の行動が問題。目立つ手段にはなるものの、販売停止といった不都合も起こり得る。ペナルティなども整備され、こうしたいたずらが増えないことを望みたい。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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