人気リズムゲームSteam版『O2Jam Online』、歴史的低評価。音ズレ連発に月額課金で驚異の好評率4%
かつてPCで提供されていたが、2012年にサービス終了したオンラインリズムゲーム『O2Jam』。その待望のPCリブート版である『O2Jam Online』が2023年1月17日、Steamにて配信開始された。しかし蓋を開けてみれば「無料プレイ」とは名ばかりの楽曲レンタル制やスマホ版のベタ移植らしきUI、設定項目不足や不具合の多さに批判が集まり、現在Steamユーザーレビューが「圧倒的に不評」ステータスとなっている。
『O2Jam』はいわゆる「落ちゲー」に分類されるリズムゲームで、同じくSteamで遊べる『DJMAX RESPECT V』や『EZ2ON REBOOT:R』と同じ系譜のゲームだ。おおむねファンベースも重なっており、Steam版の『DJMAX』や『EZ2ON』が高評価なことで『O2Jam Online』にも若干のノスタルジーも込めて期待していたプレイヤーが多かっただろう。
そんな多くの韓国リズムゲームファンの期待を背負ってサービス開始した『O2Jam Online』だが、残念ながらその出来は惨憺たる有様だったようだ。まず楽曲は買い切ることができず、7日もしくは30日のレンタル方式となっている。プレイ画面には奥行きがついており、(7K以外の)譜面なども含めてゲームの骨子はスマホ版の移植と思われる。月額サブスクはスマホ版とほぼ同じ内容ながらも1600円。ちなみにスマホ版だと100円である。
『O2Jam Online』では選曲画面の時点でかなり処理落ちしており、UIも不明瞭で使いづらい。解像度は2種類しか選べず、キーバインドにも使えないキーが多く全体的に設定項目が不十分。そして極めつけは音ズレで、プレイ中に音が大きく乱れることがあるだけではなく譜面と音楽の同期がズレるという、音ゲーとしては非常に致命的な不具合が頻発しているようだ。
『O2Jam Online』の記事執筆時点のSteamユーザーレビューは589件中4%が好評の「圧倒的に不評」ステータス。これは驚異的な数字であり、去年瞬間的に好評率ワーストをマークした『eFootball 2022』ですら8%であった(関連記事)。「圧倒的に不評」は500件以上のレビューで好評率20%以下が条件となっており、Steam上には数えるほどしか存在しない。しかもそのほとんどが好評率16~18%となっている。『O2Jam』の場合、ここからノンストップで120件の好評レビューがついてやっと「圧倒的に不評」を脱出できるという計算になる。
もちろん母数がまだ600件弱ということで極端な数字になっているとも考えられる。しかし、現状のままでは特に好評率が上がっていくということもないだろう。なお好評率8%を記録した『eFootball 2022』は、その後地道な改善を続けてその評価を持ち直しており、現在は32%好評の「やや不評」ステータスとなっている。
そもそも極端に低評価なゲームは、レビュー数が500件に到達する前に買われなくなることが多い。プレイ自体は無料とはいえリリース直後にここまで低評価がついたのは、それだけ『O2Jam』に期待していたファンが多いということの裏返しでもある。今回不名誉な記録を樹立してしまった『O2Jam』ではあるが、今後の改善には期待したい。
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