RPG作成ツール「WOLF RPGエディター」Ver3公開。新機能大量追加の、約11年ぶり大型アプデ
国内の個人ゲーム開発者SmokingWOLF氏は11月22日、「WOLF RPGエディター(通称ウディタ)」のVer3を公開した。記事執筆時点では、同氏の個人サイトSilverSecond内からVer3.02が無料ダウンロード可能。大型アップデートにより、多数の新機能や改善が実施されている。またあわせて、使い込んだユーザー向けのプロ版がBOOTHにて税込5000円で販売開始されている。
「WOLF RPGエディター」は、SmokingWOLF氏が手がける、PC向けのRPG作成ツールである。同氏により、2008年にVer1.00が公開。その後2011年のVer2.00への大型アップデートを経て、2017年のVer2.20ではワイド画面に対応するなど、アップデートが続けられてきた。また「WOLF RPGエディター」を使用して、SmokingWOLF氏自身は『片道勇者』などのゲームを作成している。同氏以外にも多数のユーザーに利用されており、『巡り廻る。』『Mad Father』『マッドプリンセス-華麗なる闘士たち- 』を含めて、RPGだけに留まらない多くのゲームが同ツールで開発され、リリースされてきた。
今回のVer.3は、そんなWOLF RPGエディターの約11年ぶりの大型アップデートとなる。具体的なアップデート内容としては、キャラクターチップのレイヤー機能、エフェクトのマスク機能、ピクセル単位での移動機能など、多数の新機能が新たに追加されている。新機能以外にも、文字コードのUnicodeへの変更、イベント処理速度の大幅な高速化、ゲーム起動/リセット処理の高速化、描画速度が平均2倍になるなど、多数の仕様変更や改善も実施。SmokingWOLF氏のツイートによると、今回のアップデートはウディタ史上一の更新量とされており、大幅な進化を遂げているようだ。一部挙動の代わる箇所などもあるものの、Ver2.29系からVer3.00以降へのコンバート機能も用意されている。なお、アップデート内容の全文については、SilverSecond内のバージョンアップ履歴を参照してほしい。
Ver.3の公開にあわせて、「WOLF RPGエディター」プロ版の販売も開始されている。「WOLF RPGエディター」プロ版は、ウディタを一定以上使い込んだユーザー向けの特別版だ。機能としては、画面サイズのピクセル単位での指定や、マップエフェクト/全体エフェクトの追加、全処理を一定時間停止させるウェイト機能、ゲームのプロテクト機能など、無料版にはなかった機能が利用可能。一方、95%以上の機能は無料版と同じで、プロ版の導入によって開発が楽になったりはしないという。本当に使い込んでいるユーザーや、プロ版の機能が必要なユーザー向けのバージョンになっているのだろう。なお、SmokingWOLF氏が毎年開催しているWOLF RPGエディター製ゲームのコンテスト「WOLF RPGエディターコンテスト」では、プロ版の機能などは使用できないそうだ。
「WOLF RPGエディター」Ver3は、SmokingWOLF氏の個人サイトSilverSecond内から無料ダウンロード可能。有料のプロ版は、税込5000円でBOOTHにて販売中となっている。またSmokingWOLF氏は、現在『片道勇者2』を開発中である。
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