『テラリア』がSteamで初の「100万レビュー以上で圧倒的好評」ゲームに。アプデし続ける開発と喜び続けるファンの深すぎる両思い

 

Re-Logicの手がける大人気サンドボックスゲーム『テラリア』。本作はSteamユーザーレビューにて、とある条件のもと「圧倒的に好評」のステータスを獲得した初のゲームとなったようだ。

『テラリア』は、破壊/設置可能なブロックで構築された世界を舞台にした、サンドボックス型の2Dアクションゲーム。PCだけでなく、コンソールやモバイル向けにも配信されている。プレイヤーは目に見えるオブジェクトのほとんどを破壊可能。地表にある木を斧で伐採したり、地面を掘り進み石をツルハシで破壊しながら、探索を進めていく。手に入れた物資を活用して、家や拠点を作ったり、施設を使って装備やアイテムを作成することも可能だ。また、クラフトだけでなく充実した戦闘要素も本作の持ち味である。

本作はSteamユーザーレビューにて最高のステータスである「圧倒的に好評」を獲得している。それもただの「圧倒的に好評」ではなく、実に97万8864件もの好評を集めて、堂々たるステータスを樹立しているのだ。好評率はというと、実に97%。不評とするレビューをあわせると、レビュー数は100万308件(本稿執筆時点)。100万件以上のレビューを集めて「圧倒的に好評」のステータスを打ち立てた、初のゲームとなったようだ(SteamDB)。

なお、Steamにはそもそも100万件のレビューを集めている買い切りゲームが本作のほかにない。たとえばほかの人気作を見ると『Portal 2』は約25万件、『Stardew Valley』では約50万件、『ウィッチャー3 ワイルドハント』では約64万件ほど。『テラリア』は名だたる人気タイトルのなかでも圧巻のレビュー数を誇りながら、「圧倒的に好評」のステータスを維持しているわけである。

Image Credit: SteamDB

*なおSteamレビューで「圧倒的に好評」になる条件は、レビューが500件以上投稿され好評率が95%以上となる

前人未踏の記録の一因は『テラリア』開発元Re-Logicの愛すべき“嘘”にあるのかもしれない。本作は2011年にリリースされた作品だ。Re-Logicはこれまでに何度も“最終アップデート”を実施してきた。2020年には、旅の終わりを意味する大型アップデート1.4「Journey’s End」を配信。しかしその後、「Journey’s Actual end」と称して1.4.1アップデートを配信していた。さらに、昨年になってからは『Don’t Starve Together』とのコラボコンテンツがゲーム内に追加された。

そしてさらなるアップデートであるバージョン1.4.4「Labor of Love」の配信も計画されている。リプレイ性を高める多岐にわたるバランス調整が実施されることが発表されており、いくつかの新要素も追加されるという。以上のように、Re-Logicは“最終アップデート”を何度も突き抜けてきた過去があるわけだ。


長年にわたってアップデートを重ね、多種多様なコンテンツを実装してきた『テラリア』。なお、次期アップデートの「Labor of Love」という名称は、昨年Steamアワードにてファン投票にて選ばれた表彰と同一で、日本語では「愛の為せる業」と名付けられたアワード(関連記事)。長期的なアップデートによりファンから愛される作品が対象となる賞だ。そうしたアワードを受賞できたことを踏まえた、ファンへのお返しとして、今回のアップデートは開発されてきたのかもしれない。

なおバージョン1.4.4「Labor of Love」は、9月下旬のリリースが予定されている。海外向けにはコンソール/モバイル版でも同時リリースとなる見込みだ。同アップデートの後には、クロスプラットフォームプレイ対応も計画されているという。確約されたものではなく道のりは険しいながらも、開発元はクロスプラットフォームプレイを実現するべく取り組んでいるようである(関連記事)。


このたび100万件のレビューを集めながら「圧倒的に好評」のステータスを維持しつづける初のゲームとなった『テラリア』。ユーザーの愛を受けて、ユーザーに愛を返してきたことが今回の快挙の背景としてあるのだろう。なお次期アップデート「Labor of Love」について、Re-Logicのビジネス戦略責任者Ted Murphy氏は、「『テラリア』最後のアップデートになる」とは言わなかったそうだ。あわせてMurphy氏は「『テラリア』は活気に満ちており、歩みを止めることないだろう」と示唆。次なる“最終アップデート”に向けた開発は続くのかもしれない。いずれにせよ、『テラリア』はまだまだユーザーたちを楽しませつづけることだろう。