コマンド選択式RPG『龍が如く7 光と闇の行方』(以下、龍が如く7)を、“アクションゲーム化”するModが開発中のようだ。先日、Mod開発進捗動画が公開され、にわかに本作コミュニティの注目を浴びた。コマンド式RPGがベースとは思えない自然な仕上がりには、本作のやや特殊な戦闘システムも寄与していそうだ。
『龍が如く7』は、セガが2020年にリリースしたドラマティックRPGだ。本作は戦闘システムとして「ライブコマンドRPGバトル」を採用。アクションバトルだった過去作から打って変わって、コマンド選択式のターン制バトルとなっている。このシステム変更の発表時などには、戦闘のシステムが大きく変化してしまうことにファンから懸念の声もあった。しかし、リリース後にはコマンド選択式バトルもおおむね好評で、多くのファンに受け入れられた。一方で、過去作のアクションバトルを懐かしむ声も根強い。本作へのアクションモード実装や、次回作でのアクションバトル復活などを望むファンもSNS上で散見される。
そうした「アクション復活」の希望を叶えるようなModの開発が進行しているようだ。制作者により、『龍が如く7』のなかで実際にアクションバトルを繰り広げる映像が公開され、にわかにファンの注目を浴びている。開発しているのは、Mod制作者のJhrino氏。過去にも『龍が如く7』のModを手がけている人物だ。同氏は少なくとも今年2月頃からこのアクションゲーム化Modに取り組んでいる様子。そして7月26日には、現在までの開発進捗やMod動作の様子をまとめた動画が公開された。
この『龍が如く7』アクションゲーム化Modは「Brawler」との通称で呼ばれているようだ。Jhrino氏は「戦闘中に自由にキャラを動かす方法」を発見したのを契機に、本Modの開発に挑戦したとのこと。実際にModが動作している様子を見ると、まるで元々アクションバトルだったかのような自然な戦闘が繰り広げられている。サイドステップやターゲットロック機能のほか、シームレスなヒートアクション発動機能なども実装。また、敵の攻撃に合わせてのカウンターや、掴みからの攻撃など、ほかの過去作アクション要素も盛り込まれている。
Jhrino氏が紹介した目覚ましい成果には、上述の動画にてファンから称賛のコメントが寄せられている。また、海外掲示板Redditの『龍が如く』シリーズコミュニティでも同Modが紹介され、アクションゲーム化に期待を寄せるプレイヤーが多い様子が見受けられる。
ここまで高度なアクションゲーム化が進んだ背景には、『龍が如く7』のコマンド選択式バトルがやや特殊な仕様なのも関係しているだろう。本作のターン制バトルでは、時間がぴたりと静止するわけではない。リアルタイム要素も盛り込まれており、敵味方キャラの位置関係はコマンド選択中でも流動する。戦闘中であれ、通行する車両に衝突されればダメージを食らったりもするわけだ。ほかにも、敵味方の位置関係を上手く調整しつつタイミングよくコマンドを選択し、当たり判定に多くの敵を巻き込んだりする要素もある。コマンド選択式バトルでありながら、アクションバトルに近い感覚で楽しめるように設計されているわけだ。
本作アクションゲーム化の試みにおいて、Jhrino氏自身による研究や努力はもちろん、『龍が如く7』コマンドバトルのアクション寄りな仕様が寄与した部分も大きいだろう。本Modが完成を見れば『龍が如く7』にて、また違った楽しみ方が出来そうだ。なお、Jhrino氏は自身のYouTubeチャンネルにて、本作および一部シリーズ作品のマルチプレイ化などのテストの様子も投稿している。こちらでは「大量の桐生がくんずほぐれつボスを倒す」などのカオスな様相を楽しめるため、チェックしてみてほしい。
また、シリーズ最新作『龍が如く8』は 、現在開発中であることのみが明かされている。戦闘システムが引き続きコマンド式かどうかも含め、未だ多くの要素がベールに包まれている。ただ、本シリーズ元主要開発者であった名越稔洋氏および細川一毅氏は、過去のIGNによるインタビューにて『龍が如く7』以降の展開について言及。『龍が如く』シリーズはターン制コマンドバトル式となり、アクションバトルは『ジャッジアイズ』シリーズが引き継ぐことが示唆されていた。
ただし、前述の両名は現在独立して名越スタジオを立ち上げている。龍が如くスタジオの代表には横山昌義氏が新たに就任し、『龍が如く8』は新しい体制化で開発されている。いかなる作品となるのかは、実際の発表を楽しみに待つしかないだろう。なお、先日には格闘家の朝倉未来氏が同作に登場することが明らかに。チラ見せされた映像からは、春日一番・ナンバ・足立の続投が示唆されている(関連記事)。