『エルデンリング』プレイヤー達は、どこで詰まりどう対処したか。国内褪せ人アンケートで見えた十人十色

まだ発売から間もなく、多くのプレイヤーが興じる『エルデンリング』。難所も多い本作において、プレイヤーたちがどこで“詰まって”いるのかは興味深い点だ。本稿では、弊誌の実施した読者アンケートの回答から、本作における「詰まりポイント」の傾向や、多彩な対処法を示す声を紹介する。

まだ発売から間もなく、多くのプレイヤーが興じる『エルデンリング』。難所も多い本作において、プレイヤーたちがどこで“詰まって”いるのかは興味深い点だ。本稿では、弊誌の実施した読者アンケートの回答から、本作における「詰まりポイント」の傾向や、多彩な対処法を示す声を紹介する。記事の性質上、本稿には序盤以降のボス名など、ネタバレになりうる要素がある点に注意されたい。


『エルデンリング』は、フロム・ソフトウェアが贈るアクションRPGだ。本作は『ダークソウル』シリーズなど従来作と同じく、ダンジョンやボス敵に関してはトライアル・アンド・エラーが前提となる難易度調整になっている。一方で、舞台をオープンなフィールドへと移したことにより、序盤からの探索範囲はぐっと拡大。アイテム収集や、レベル上げに必要とされるルーン稼ぎなどを、豊富なロケーションの探索を兼ねておこなえる仕組みだ。また、NPCを呼び出す霊体召喚など、戦闘を助ける要素も実装されている。腰を据えてのキャラ強化や戦術の工夫により、従来作より比較的強敵や難所にも取り組みやすい傾向があるのだ。一方で、ほかのプレイヤーがどこに詰まっているかに興味がある人もいるだろう。筆者もかくいうその一人である。

そこで今回、弊誌は読者向けに『エルデンリング』で攻略に苦戦した体験と、その対処方についてアンケートを実施した。対象としたのは、『エルデンリング』で現在詰まっている箇所がある、もしくはどこかで詰まっていたプレイヤーたちだ。内容は、「詰まっている特定の箇所はあるか」「攻略サイトや動画、および協力プレイを利用するか、または自力で頑張るか」「もっとも攻略の助けになった要素はなにか」の3つ。同アンケートには、120件の回答が寄せられた。ご協力頂いた読者の皆様に、深くお礼を申し上げたい。


貴公の詰まりボスはどなた?

ここからは、アンケートの集計結果を順に紹介していく。「詰まっている特定箇所」については、ボスやダンジョン、もしくはアイテム収集など、ユーザーを釘付けにする要素ならなんでも可としてお答えいただいた。

さまざまな名前やエリア名が詰まった箇所としてあげられるなか、実に回答全体の25%を占める圧倒的なボスがいた。序盤の難敵、「忌み鬼、マルギット」である。マルギットは、ゲームの誘導に従い進めると最初に出会うストーリーボスだ。本作プレイヤーたちのなかでは強いとして評判にもなった。やはりその存在感はアンケートでも突出しているようだ。ただし、マルギットは従来作の初期ボスに比して意外と撃破率は低くない(関連記事)。頑張れば意外となんとかなる相手ということだ。倒せた方には賛辞を、現在取り組んでいる方には応援を送りたい。


次いでボスとしての詰まりポイント第2位の座を獲得したのは、13票を集めた「坩堝の騎士」だ。とはいえ、これは出番の多さもあるかもしれない。というのも、同ボスは複数回登場するのである。こまかいシチュエーションを述べるのは控えるものの、手にした大剣を縦横に操り、一撃も重めの難敵である。続いては、10票でデミゴッドのひとり「ゴドリック」が3位にランクインした。重要人物であり、印象的なカットシーンも見せてくれる序盤の山場だ。しかし、『DARK SOULS III』の地名「ロスリック」と混同されたのか名前を「ロドリック」と間違えられたり、「接ぎ木の人」と二つ名の方にフォーカスされたりと不遇である。マルギットのインパクトとハードルが高すぎたのかもしれない。
【Update 2022/03/02 15:22】坩堝の騎士の記載内容について更新。

ほかには、ゲームを開始してフィールドに出た直後に遭遇する「ツリーガード」にも9票が投じられている。同ボスについては、8時間をかけて倒し、お陰でその後はスムーズに進められているとして「ツリーガード師匠」と慕うユーザーがいた。新しい褪せ人をいの一番に出迎えるボスとして、脚光を浴びている。ほかに多かったのは、本作トレイラーでも「戦祭りじゃ!ラダーン祭りじゃ!」との豪放磊落なアナウンスと共に姿を見せた「星砕きのラダーン」が6票を獲得している。全体的には、リムグレイブで出会うボスが目立つ。本作のボリュームの多さゆえに、まだ比較的序盤を楽しんでいる人も多く、こうした結果になったと考えられそうだ。

レガシーダンジョンの手強さと、自由度による迷子

そして、手強いエリアとしてもっとも多くの票を集めたのは、最初のレガシーダンジョンである「ストームヴィル城」だ。強敵としては、各所に配置された騎士が挙げられている。また、同エリア内では足に剣をつけた鳥が随所に配置されており、時折爆弾を投げつけてくる場合もある。こちらもなかなかの強敵であり、SNS上などでは「クソバード」の異名を取るほどだ。戦闘鳥の脅威も、ストームヴィル城が多く挙げられた理由かもしれない。


そして、ボスやエリア以外の苦戦した理由としてもっとも多かったのが「迷子」である。本作でプレイヤーをメイン目的地に導くのは、チェックポイントである祝福から伸びる光やNPCとの会話などだ。しかし、オープンワールド作品などでしばしば見かける、目的地を明確に指し示すクエストマーカーは存在しない。つまりプレイヤーが自分で記憶し、探索して道を切り拓かなければならないのだ。そのため、目的地を見失う者も多いのだろう。人によっては、「マルギットに会うまでに16時間がかかった」として、その間にまったく別のエリアのボスを撃破してしまったとの声もあった。たとえ道を間違えてもそこに何かが存在する、『エルデンリング』らしい体験かもしれない。

ストイックに行くか、あらゆる手段を使うか

続いて、「攻略サイトや攻略動画、協力プレイ利用の有無」に関する質問の回答を紹介する。こちらは、現在詰まっている方には利用する予定の有無を、詰まっていない方には実際に利用したかどうかをうかがった。結果として、実に全体回答120のうち半数以上になる67人の回答者が「意地でも自分の力で解決する」と答えている。『エルデンリング』には、プレイヤーの闘志に火を付けるなにかがあるのだろう。

そして、攻略サイトや動画を利用するユーザーは25人、オンライン協力プレイを利用するユーザーは10人で、どちらも利用するユーザーは8人との結果が出た。あわせて43人のユーザーが、なにかしらの助けを利用するとの結果が出た。攻略の方法は人それぞれであり、オンライン協力プレイも本作の魅力的な要素のひとつだ。孤独に難所を乗り越える達成感も捨てがたいものの、あらゆる手を尽くして先を目指すのも取り組み方のひとつだろう。そのほかのケースとしては「コミュニティや友達に聞く」「SNS上でやんわりと情報収集する」などの声があった。また、「迷子になったら」「攻略が済んだ後に」など、自分なりに攻略リソースを利用する条件を設けるユーザーもいるようだ。


エルデの王への道をもっとも助けるのは

最後に、「もっとも攻略の助けになった要素はなにか」との質問だ。こちらには多彩な答えが寄せられた。しかしそのなかでも傾向はあり、特に多かった回答が「霊体召喚」だった。こちらは30人近いユーザーが言及しており、「ボスのターゲットを散らして背後から攻撃できるのが有利」として、囮用途での有用性をあげる声が多かった。固有の霊体としては「はぐれ狼」と「霊クラゲ」への言及が散見された。本作からの新要素は、しっかりとプレイヤーたちの助けとなっているようだ。

続いてほぼ同率で多かった意見が、「武器の強化」および「レベル上げによるステータスの強化」だ。鍛石強化による大幅な攻撃力の増加と、レベル上げによる生存性などの向上は、本作におけるキャラ強化の両輪であり納得の結果だ。次いで多かった回答は「プレイヤースキルの向上」である。なかには、行動をメモして勉強し対処する、ストイックな褪せ人もいるようだ。また、ガードカウンターやジャンプ斬りなどの本作の新アクションの有用性を見出したとの声もある。ボスの観察/研究とスキルの向上、および多彩なアクションを試行する工夫も、相変わらず本作攻略の重要要素だ。

ほかには、本作のオープンフィールド要素ゆえに、飽きずに探索して強くなれるとの意見も散見された。道中で拾ったアイテムや、探索中に溜まったルーンのほか、前述の武器強化には鍛石の入手も不可欠だ。気晴らしの寄り道も、攻略にしっかり繋がっている。ほかには、体力回復に直結する「聖杯瓶の強化」や、ほかプレイヤーのメッセージが役立ったとの声もある。そして、「運」「根性」「折れない心」「寝る」などプレイヤー自身のメンタル面や休息の重要さを挙げたユーザーも多い。やはり、最後に頼れるのは健康と気合である。


日本でも海外でも、褪せ人はやっぱり褪せ人

なお同様のアンケートは海外掲示板ResetEraでもとられている。海外ユーザーたちが「プレイ中にぶちあたった壁」を共有しているようだ。なかでもやはり言及が目立つのはマルギットである。彼の存在感は国内外を問わないようだ。ほかにも、ゴドリックやラダーンなど、国内外で共通する強敵の名前が見られる。回答対象が序盤に集中する傾向も同じ。また、「エリアが広大過ぎる」「どこに行こうか迷う」など、本作のスケールに途方に暮れるユーザーもいるようだ。そして、複数のユーザーが「プレイ時間が足りない」と悲嘆の声を投じている。この悲しみは、多くの国内ユーザーも共感できるのではないだろうか。筆者もである。

ほかのプレイヤーは一体どこで詰まっているのだろうか。筆者およびAUTOMATON編集部のとりとめのない疑問から始まった今回のアンケート。その結果からは、本作の変わらない要素、そして新しい要素をユーザーたちが思い思いに活用していることがわかった。また、思わず共感してしまう内容も多く見られた。『エルデンリング』を通じて国内外のプレイヤーたちに共通体験が育まれていく様子は、ビデオゲームという媒体そのものの魅力でもあるだろう。改めて、読者アンケートにご協力いただいた皆様に感謝を述べたい。今回の結果は序盤の要素に集中したが、クリア済みのプレイヤーが増えた時期に、ゲームを振り返ってどの敵/エリアが一番強かったか、意見を募ることも面白いかもしれない。

『エルデンリング』はPC(Steam)およびPlayStation 4/PlayStation 5/Xbox One/Xbox Series X|S向けに発売中だ。





※ The English version of this article is available here

Sayoko Narita
Sayoko Narita

貪欲な雑食ゲーマーです。物語性の強いゲームを与えると喜びますが、シューターとハクスラも反復横とびしています。

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