『Dead by Daylight』海外ゲーム実況者らがDDoS攻撃の被害を報告。運営側は調査表明も、当面は自己防衛を促す
ハロウィーンのイベント実施や新キラーの発表が続き、発売から5年が経った今も多くの人にプレイされている『Dead by Daylight』。同作においては現在、ゲーム実況者をターゲットとした嫌がらせが発生しているようだ。複数の配信者が、同ゲームのライブ配信時にDDoS攻撃を受けたことを報告している。
DDoS攻撃とは、インターネットに接続した多数のホストを利用し、特定のネットワークやWebサービスを意図的に利用できないようにする攻撃行為である(JPNIC)。オンラインゲームでは、ライブ配信の妨害や、プレイヤーにポイントの獲得妨害やペナルティを与えるためにおこなわれることがある。また、DDoS攻撃のみならず、個人情報を晒す行為や、スワッティング(Swatting)と呼ばれる、虚偽の通報により対象のもとへ警察官などを派遣させるという悪質な嫌がらせも存在する。
『Dead by Daylight』はゲーム実況にも向いた作品。ホラーゲームとマルチプレイゲームという実況人気ジャンルがかけあわさっていることもあり、見ているだけでも楽しい。同ゲームのゲームディレクターも「このゲームを面白いショーとして扱い、楽しんでくれることを目指している」とかつて述べており、怯える実況者の反応もあり、もしくはプレイのうまい実況者のテクを堪能するもありだ。いずれにせよ、国内外では『Dead by Daylight』を熱心に遊ぶ配信者が数多く存在する。そんな実況者に対して、DDoS攻撃を仕掛けているユーザーがいるようだ。
配信者の一人であるElix氏は、11月10日に『Dead by Daylight』をプレイしていた際、一日中DDoS攻撃を受けたとツイート。またさらに、「どうやってIPを入手したのかはわからないが、個人情報が晒され、スワッティングされた」とのこと。虚偽の通報により警察官が9台のSUV車で自宅にかけつけ、周辺は騒然としたという。氏は「銃を向けられ、近所の人たちに見られながらゆっくりと警察に向かって歩き、手錠をかけられるのは最悪」と述べた。
その後すぐに偽の通報であると判明したとのことだが、ライブ配信中に起きた出来事だったために、警察が自宅のすべての部屋を確認するあいだも配信は続行されていたという。Elix氏はデバイスのIPアドレスを隠すために、VPNを使用することを勧めている。そのほか、Violet氏やEevoh氏など複数の配信者がDDoS攻撃の被害を報告している。
またゲームのサーバー自体もDDoS攻撃を受けているようだ。フォーラムでは、プレイ中にDDoS攻撃を受け、インターネットが約10~15分ほどダウンしたとの投稿もある。また、以前はPTB(プレイヤーテストビルド)を介して攻撃がおこなわれていると考えられていたが、Twitterやフォーラム上での報告から、現在は通常のサーバーでもDDoS攻撃が発生している可能性があるとのこと。
集中的なDDoS攻撃が確認されてから数日間、運営・開発元であるBehaviour InteractiveはEurogamerの取材に問題を認識している旨を回答。公式でのアナウンスはしていなかった。しかし、本日16日英語公式Twitterで注意喚起をした。今回の問題について極めて深刻に受け止め、不便をかけて申し訳なく思っているとコメント。発生した複数のDDoS攻撃の事例を調査しており、今後も監視を続けて適切な措置を講じていくと決意表明。DDoS被害者にむけては、被害時には報告をしてほしいと呼びかけつつ、しばらくのあいだは「安全性を確保した接続方法」を勧めると述べた。調査中であることや、被害にあったユーザーへの謝罪の言葉が添えられているものの、現時点での対策としては自己防衛を促すにとどまっている。
DDoS攻撃による嫌がらせは多くのオンラインゲームにとっての悩みの種だ。『Apex Legends』でも同様の被害が報告され、同ゲームではDDoS攻撃を検知すると、プレイヤー全員が試合からキックされる仕組みをアップデートにて導入している(関連記事)。『Dead by Daylight』がなぜ嫌がらせの標的になっているかは定かではないが、人気ゲームにおいてついてまわる問題ではある。
また、DDoS攻撃によってマッチが中断されるというプレイ上の不利益のみならず、虚偽の通報により自宅に警察が押し寄せたような場合では、最悪の事態も想定される。プレイヤー側の対策にも限界があるため、今後も運営のDDoS攻撃に対するより具体的な対策を期待したい。