『ゴースト・オブ・ツシマ』壱岐島が陰鬱。『Twelve Minutes』は好評にも不評にも納得。『Road 96』で一期一会のロードトリップ。今週のゲーミング
Now Gamingは毎週日曜日、各ライターがその週にプレイしたゲームについて、ゆるく書きちらすコーナーです。299回目です。今回が299回目ということは、次回は300回目です。
先週より人が減った気がする…。
『フライングパワーディスク2』のオープンベータテストがもうすぐ終わるので、今週もプレイしていました。本作では、基本的なプレイ感覚は前作と変わらないものの、いくつか新システムが導入。たとえば、相手が投げたフライングディスクを手刀で弾き返すスラップショットはそのひとつです。以前のビルドでは使いどころが難しい操作でしたが、今はトスを上げるのと同じ要領で出すことが可能に。ドロップショットも同様で、積極的に狙っていけるようになった。
またゲージ技のスペシャルムーブは、強力なショットを繰り出す以外に、床に落ちたフライングディスクを跳ね上げる効果がプラス。ミスを帳消しにして試合を続行できます。より広いコートもある本作では、ミス狙いの攻撃は意外に有効。そのリカバーのための手段として用意されたのかもしれません。テストを重ねるたびに、完成度が高まってきていることを実感します。発売時にはさらに盛り上がるといいな。
by. Taijiro Yamanaka
一期一会のロードトリップ
1996年夏。事実上の独裁主義国家ペトリアでは、腐敗した社会から脱出するべく、自由を求めて多くの若者が国境を目指していました。『Road 96』は、そんな国で生きる人たちを描いたロードトリップ。一期一会の旅の物語です。本作では、プレイヤーは若者の1人として、北へ向かって旅をしていきます。若者は、ヒッチハイクで車に乗せてもらったり、日差しが照りつける国道沿いを歩いたり、時には盗んだ車で走り出したりなど、残金やモラルと相談しながら自由を求めて移動。無事国境を超えるか、あるいは捕まるか。死亡や帰宅も含めて、何らかの結末を迎えた時点で、1人の若者の旅は終わります。また1人の若者の旅路は短いですが、複数の旅程を歩むプレイヤーの視点によって、国の行く末やキャラクターたちの変化も描かれていくわけです。
ペトリアでは数か月後に大統領選が迫る中、複数の思惑が動いており、キャラクター同士も対立関係にあります。また、日本語訳のクオリティは少々粗めで、意味が分かる程度のものとなっています。しかし、旅の中で出会う彼らにはそれぞれ人情があり、彼らと歩む道のりには旅情が感じられました。来週には大本命の発売が控えていますが、今年の夏は良いADVが多かったように思います。
by. Keiichi Yokoyama
もう時間を巻き戻したいなんて言わないよ絶対
今週はタイムループADV『Twelve Minutes』を遊んでいました。同作は、筆者がファンである小島秀夫氏に「時間を忘れて遊んだ」と言わしめたインディー作品であり、名優たちの演技やゲームデザインが一部レビュアーの絶賛を受けています。一方で同作に批判的な意見もやや多く見られ、Steamユーザーレビューでも本稿執筆現在「やや好評」ステータスとなっており、賛否が比較的分かれているといえる状況です。本作をクリアした筆者の結論を言えば、「好評は納得、でも不評にも納得」という感想でした。
まず、本作のハードルの高さは、「タイムループのかなりの割合をリアルタイムで過ごす必要がある」という点にあります。設計上同じダイアログを何度も見る必要があり、いわゆる“ループもの”ADVでよく描写される主人公の苛立ちや狂気をプレイヤーも共有する設計です。手探りで進行するかなり高めの難易度もあり、これらの要素を楽しめるかどうかが本作の賛否に強く繋がっていると思われます。ただ、ループの“リセット”方法など、演出とストレス軽減を兼ねた気遣いもあります。人によっては精神をやられそうな強烈な表現などもあり、全体として万人向けとはなかなか言い難い本作。筆者にとっては、忘れられない大切な「狂気のループ体験」となりました。
by. Seiji Narita
基本ねっちゃり
『ゴースト・オブ・ツシマ ディレクターズ・カット』が発売されました。3300円でPS5版にアップグレード。もともとPS5向けに60fpsに対応していて、きれいに美しく遊べていた作品でありますが、DualSenseへの最適化や全体的なビジュアルクオリティが向上されていて、また新たな進化を遂げています。オリジナル版遊んだ時と違い、4Kテレビでプレイできているので、自分の環境変化も関係があるかもしれません。
さっそく新エピソードとなる壱岐の島のストーリーを進めています。進めているのですが、率直に言って話がめちゃくちゃに暗い。青々しい壱岐島を颯爽とさすらうものかと思いきや、そこらじゅうで人は死にまくっているし仁はひどい目にあうし、なにかと陰鬱。『ゴースト・オブ・ツシマ』はこういうゲームだったんだ、というのを思い出しました。ワクワク。
敵も異様に強くなっている印象。通常難易度ですが、雑に刀を振るってもキンキン弾かれる。まわりの兵を鼓舞する呪術士もおり、仁の囲い方も巧みになっており、陰湿度マシマシ。久々のプレイなので自分の腕がなまっているところはありますが、アイテムやスキルをしっかり使わないと勝てなくなっている感触がありました。島としてはそこまで広くないですが、ストーリーは暗いし、戦闘は手強く、イベントは多い。壱岐の冒険は、非常に濃密になっている印象です。ねちっこさと爽快感のギャップがしっかり出てます。
by. Ayuo Kawase