『FF14』生放送で出演者の着ぐるみの“素体”が特定される。しかし着用者の室内氏は完成度に心残りか
スクウェア・エニックスは7月10日、『ファイナルファンタジーXIV』(以下、『FF14』)の生放送「第7回 14時間生放送」を配信した。生放送のオープニングではグローバルコミュニティプロデューサーの室内俊夫氏がコスプレを披露。「漆黒のヴィランズ」のマスコット的キャラクター「ジャイアントビーバー」の着ぐるみ姿で登場した。室内氏のコスプレは初っぱなから強烈なインパクトを残し、ユーザーたちの手で“素体“となったクマの着ぐるみがさっそく特定されるほどであった。
名前のとおり14時間生放送は、『FF14』にちなんだ14時間の生放送である。毎年の恒例となっていたが、2020年は新型コロナウイルスの流行を受けて放送はかなわなかった。2021年2月6日に放送される予定だったものも、緊急事態宣言の発令を受けて中止。本日10日の放送はそうした紆余曲折を経てたどりついたものである。
室内氏はこれまでの14時間生放送でも何かしらの奇抜な衣装を着込んで登場しており、その姿はすっかり生放送の恒例となっている。前回の生放送では真っ白な衣装に仮面をまとった「フォーギヴン・ムロウチ」となって登場し話題を呼んだ。そういった経緯もあり、今回も生放送前にコミュニティの間で室内氏がどんな格好で登場するか期待の声も多かった。
満を持してオープニングに登場した室内氏の格好は、マスコットキャラクターとして人気の高い「ジャイアントビーバー」であった。ふわふわの胴体に被りものの頭、頭を外した室内氏の顔面はペイントでジャイアントビーバー化されているという二段オチ仕様である。その顔に追い打ちのようにジャイアントビーバーでできた耳カチューシャまでつけられると、視聴者のみならずスタッフからもどよめきが起こっていた。衣装はクマの着ぐるみを素体に作られたもので、全身に既製品のジャイアントビーバーぬいぐるみもつけられた主張の激しいコスプレである。
室内氏から「クマの着ぐるみ」というヒントもあったためか、ジャイアントビーバーの素体となった着ぐるみを特定しようとするユーザーも現れている。Darrell氏はジャイアントビーバーの素体として、着ぐるみショップ・mooncatのクマの着ぐるみが素体なのではないかと推測。その後、楽天市場の雑貨店・アジアウインドの着ぐるみかもしれないと訂正を入れている。耳の丸みや潰された鼻の痕跡を見るに、後者のほうが素体に近そうだ。『FF14』では生放送の出演者の着用しているアイテムを特定する文化があり、以前も吉田氏が着用していたSCOTCHのパーカーが特定され、通販ショップの在庫が壊滅する事態になった(関連記事)。
室内氏は生放送内で、プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏と一緒に衣装について語ってくれた。14時間生放送でこれまで室内氏がまとってきた衣装は、毎年ドイツで開催されるゲームショウ・gamescomへ参加した際に購入しているものだったそうだ。吉田氏や室内氏が滞在するホテルの近くに行きつけのコスチュームショップがあり、毎回2人で頭をひねって衣装を選んでいるという。ああでもない、こうでもない、と2人でアイテムを組み合わせ、あの衝撃的なコスプレの数々が作り上げられてきたのだ。ちなみに衣装代は吉田氏のポケットマネーから出されており、平均予算は5万円程度のようだ。
しかし、新型コロナウイルス流行の関係でgamescomはオンラインへ移行。現地に行くこともままならないなか、アシスタントプロデューサーが通販サイトで見つけてきたのがクマの着ぐるみだったそうだ。「クマの鼻の頭を潰して、牙を生やして、目を大きくしたらジャイアントビーバーになる」とプレゼンされた室内氏はアイデアを採用。クマの着ぐるみに魔改造をほどこし、今回のコスプレが完成した。しかし、この着ぐるみに室内氏は「(顔を)塗っちゃダメだと思う」とコメント。彼の美学には少しそぐわないコスプレとなってしまったようだ。前述のとおり、これまでの室内氏のコスプレはドイツのコスチュームショップで吉田氏と組み合わせを考えて選んだものだ。コメントによると、室内氏は店に並んだ数多のアイテムからチョイスしたアイテムの「組み合わせの美学」を大切にしているとのこと。感染症流行のためしかたないこととはいえ、今回のコスプレは室内氏にとっては少し心残りのある結果となってしまったようだ。
『FF14』の14時間生放送は7月10日24時まで放送中だ。
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