リマスター版『聖剣伝説LoM』アップデートで「原作版フォント」を追加予定。匠のドットフォントが最新機種でよみがえる
スクウェア・エニックスは6月27日、『聖剣伝説』シリーズ30周年記念生放送を配信した。放送ではこれまでの『聖剣伝説』シリーズの歩みが振り返られたほか、新たな情報も公開された(関連記事)。そのなかで、6月24日に発売されたHDリマスター版『聖剣伝説 Legend of Mana』にて、原作版のフォントが実装されることが明らかになった。フォントのアップデートは2021年秋を予定している。
原作版『聖剣伝説 Legend of Mana』は、1999年7月に発売されたPlayStation向けのRPGだ。まだ20世紀の時代、今から22年前に制作された作品である。当時はゲーム内で使える市販のフォントはほとんどなかったため、ゲームのタイトルごとにオリジナルのフォントを制作する文化が存在した。『聖剣伝説 Legend of Mana』も例にもれず、アートディレクターの津田幸治氏がドットを打って制作したオリジナルフォントを使用していたそうだ。しかし、時は流れ、技術の進歩によってゲームの画面解像度は大幅に向上。PlayStationの解像度に合わせて制作されていた原作版フォントは、HDリマスター版では視認性を優先してか汎用的なフォントに変更となっていた。
しかし原作ファンからは、津田氏の手がけたあたたかみのあるフォントが好きだったという声も多く寄せられていた。2月18日にHDリマスター版『聖剣伝説 Legend of Mana』が発表された際は、ゲーム内のフォントについてTwitterを中心に話題となり、原作のキャラクターデザインを手がけた亀岡慎一氏からはフォントの「開発秘話」も語られていた(関連記事)。今回の生放送で予告されたフォントのアップデートは、この声が開発スタッフにも届いて実現したもののようだ。
HDリマスター版『聖剣伝説 Legend of Mana』のフォントのアップデートは2021年秋を予定している。生放送では、HDリマスター版の発売からフォントのアップデートまで少し間があいてしまうことについての説明もおこなわれていた。当時のフォントと現代のフォントには構造的な違いがあり、単純にフォントを差し替えればいいというわけではないという。まずは当時のフォントを現代的な仕組みのものに変換する必要があり、現在はその作業の最中とのことだ。
絵本や童話のようなあたたかい世界観が特徴の『聖剣伝説 Legend of Mana』。原作の画面づくりにあたっては、フォントを含めて画面に統一感が出るようにデザインされていたそうだ。フォントのアップデートによって、HDリマスター版でも原作スタッフの細かなこだわりが再現されることを期待したい。
生放送ではそのほかにも、本作のアニメ化についても告知された。アニメのプロデュースはワーナー・ブラザーズ・ジャパン。なお、HDリマスター版『聖剣伝説 Legend of Mana』ではオープニングムービーもアニメで制作されている。『聖剣伝説』シリーズプロデューサーの小山田将氏によると、これもアニメ化に先駆けてのものだったとのこと。原作のオープニングムービーをもとに新たに絵コンテを起こして作られたもので、本編のアニメと同じスタッフによって作られているようだ。
『聖剣伝説 Legend of Mana』はPS4/Nintendo Switch/PC(Steam)向けに発売中だ。