『FF14』の「ミルン式」考案者がクリア時に採用したギミック処理法は「あやとり式」だった。高難易度コンテンツの攻略法は、研究により洗練されていく

『FF14』の高難易度コンテンツのギミックにはさまざまな処理法が存在し、考案者の名前を取って「○○式」と名付けられることが多い。しかし、ミルン式考案者のミルン氏本人は「光の暴走」を自身の考案戦略ではなく、あやとり式でクリアしたことをTwitterで報告した。

『ファイナルファンタジーXIV(以下、FF14)』の高難易度コンテンツのギミックにはさまざまな処理法が存在し、考案者の名前を取って「○○式」と名付けられることが多い。2月に公開されたパッチ5.2「追憶の凶星」で実装された高難易度コンテンツ「希望の園エデン零式:共鳴編」にも多彩な処理法が存在し、4層の難所「光の暴走」の処理法は「ミルン式」と「あやとり式」の2つが主流となっている。前者は実装3日目に4層をクリアしたMel Latour氏のパーティで考案された処理法で、ブレーンとして参加したMilne E-rin氏(以下、ミルン氏)の名前を取ってミルン式と呼ばれている。しかし、4月18日に自身で攻略を行ったミルン氏本人は「光の暴走」をあやとり式でクリアしたことをTwitterで報告。「ミルン式で血反吐吐きながら暴走超えてた人たちすまん… でも暴走のとこ考えたのワイじゃないから許して」と話した。

「光の暴走」は、自身に接近してくる玉と繋がれる4人と、プレイヤー同士鎖で繋がれる4人にランダムに組分けされるギミックだ。玉は接触すると爆発するため玉担当者はメンバーを巻き込まない安全な場所で玉を起爆し、鎖担当は一定の距離を保たないと切れる鎖を切らないようにプレイヤー間の距離を維持しなければならない。その処理をしている間にも、決まった人数で床の模様を踏んだり、ボスに接近して範囲攻撃を誘導したりと忙しい場面が続く。

実装3日目で考案された処理方法のミルン式は、玉担当の処理があやとり式と比べてやや難しい。そのため、玉を他のプレイヤーに当ててしまったり、自分の玉に追いつかれてしまうことで誤って起爆してしまったりといった事故が起こりやすい。後発で考案されたあやとり式はより洗練されており、鎖担当が玉を避けるように移動することで事故率を下げている。筆者が観測した範囲の話となってしまうが、実装初週~3週目頃まではミルン式のパーティ募集が多かったが、以降少しずつあやとり式の募集が増えていった。実装から約2か月が経過した今はあやとり式の募集がほとんどとなっており、より洗練された処理方法がパーティ募集の主流となっていく変遷が見てとれる。

4月22日17時時点の4層パーティ募集。「あやとり」と記載されている募集がほとんどだ。

プレイヤーの研究が進んでいない実装初期段階で出てきたギミック処理方法は荒削りな部分が多く、後からより優れた解法が出てくるのは以前の高難易度コンテンツからあったことだ。パッチ4.4で実装された「次元の狭間オメガ零式:アルファ編4層」の難所ギミック「ハローワールド」では、実装初期は「うどん式」と「1A式」が多かったが、徐々にうどん式は淘汰され、最終的には1A式と後発で現れた「134式」が残った。134式はよりギミック処理がしやすい方法ではあるものの、1A式と比較して近接ジョブが攻撃できる時間が短い。週制限トークンが集まったことで装備が整い火力面での不安が少なくなった、後発ならではの解法ともいえる。どちらの処理法でもクリアは可能であるものの、134式に対しては近接ジョブを中心に否定的な意見も少なくなかった。

有名動画投稿者・はるうらら氏は「私は『(私にとって、私が動画で紹介するには)最適な戦法だ』と思ったものを紹介してるわけで、彼や彼女の最適は私の最適ではない」と苦言を呈している。同氏は「次元の狭間オメガ零式:アルファ編4層」において134式を紹介し、低評価を連発されてしまった過去がある。

はるうらら氏の134式紹介動画。他の投稿と比べて低評価の数が圧倒的に多い。

パーティ募集の主流が変わってしまうこともあり、有名な攻略動画投稿者やブログ執筆者がどの処理法を紹介するかというのは、パーティ募集を渡り歩いて攻略を行うプレイヤーにとっては無視できない問題だ。しかし、はるうらら氏が話している通り、彼らはあくまで自分たちの処理法を紹介しているにすぎない。動画やブログ記事はあくまで参考程度とし、自分たちが攻略するにあたってどの処理法を採用するか、その取捨選択する材料に留めるべきだろう。

今回の「光の暴走」に関しては、ミルン式でもあやとり式でも近接ジョブが攻撃できる回数は大きく変わることはない。どちらの処理法でも、玉担当になるか鎖担当になるかの方が攻撃できる時間に関わってくるためだ。しかし、仮にミルン式は攻撃できる時間が長いが、攻撃できないあやとり式の方が事故率は低い……という状況だったとしたら、1A式vs134式のような争いが起こった可能性も否めない。

今回の「光の暴走」の処理法では、攻略初期段階では早期に詳細な攻略記事が公開されたミルン式が流行し、時間とともにプレイヤー間での研究が進んだ結果、より洗練されたあやとり式に主流が移っていった。しかし、その他の部分のギミック処理法においてはミルン式を採用しているパーティも多く、彼らが残した功績は大きい。「希望の園エデン零式:共鳴編4層」の攻略法は美しく変遷していったが、今後はどうなっていくのだろうか。次回の高難易度コンテンツの実装はパッチ5.4で、まだまだ先のことになる。「漆黒のヴィランズ」最後の零式となる次回がどのようなギミックを仕込んでくるのか、そしてプレイヤーはどのように解き明かしていくのか、高難易度コンテンツに実際に挑まないプレイヤーも、そういった視点で眺めてみても面白いかもしれない。

Aki Nogishi
Aki Nogishi

ポストアポカリプスとドット絵に心惹かれます。AUTOMATONではFF14をメインに担当します。

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