『FF14』の新たな家具に込められたメッセージとは。「サウンドディレクターの亡き父親」へのスタッフ達の敬意

パッチ5.2「追憶の凶星」が盛り上がりを見せている『ファイナルファンタジーXIV』。戦闘コンテンツ以外にも多数のアイテムが実装された今回のパッチで、サウンドディレクター・祖堅正慶氏の父親へのリスペクトと思われる家具が実装された。

今月2月18日に公開されたパッチ5.2「追憶の凶星」が盛り上がりを見せている『ファイナルファンタジーXIV』(以下、『FF14』)。戦闘コンテンツ以外にも多数のアイテムが実装された今回のパッチで、サウンドディレクター・祖堅正慶氏(以下、正慶氏)の父親である祖堅方正氏(以下、方正氏)へのリスペクトと思われる家具が実装された。方正氏はNHK交響楽団の首席トランペット奏者を務めた人物で、2013年に亡くなっている。

実装された家具は「首席奏者のトランペット」(英語名:First Chair’s Trumpet)という名称だ。アイテム名やフレーバーテキストから方正氏のトランペットではないかと感じたユーザー宛てに、正慶氏はTwitter上で反応を返した。

「アイテムの実装については知らされていなかったが、もし本当なら『FF14』のアイテム班には粋なスタッフがいるに違いない」と話した正慶氏。日頃からインタビュー等で父親のことを話すことが多い彼にとって、「首席奏者のトランペット」の実装は嬉しく感じられたようだ。

正慶氏はもともと化学専攻の学生で音楽教育はほとんど受けていなかったが、父親がオーケストラのトランペット奏者で母親がエレクトーン講師という家庭に育ったというルーツは、インタビューなどさまざまな場で語っている。幼い頃から音楽に囲まれていた正慶氏がサウンドディレクターの道を選んだことに、両親が音楽関係の職業であった点は間違いなく影響しているだろう。

2018年に行われたライブツアーで正慶氏は「家にあったトランペット」と冗談めかしつつ形見のトランペットで演奏を行っており、方正氏へのリスペクトが垣間見えた。「首席奏者のトランペット」の実装は、父親へ尊敬を抱く正慶氏に対するアイテム班からのサプライズだったのではないだろうか。

また、方正氏は『FF14』と同じくスクウェア・エニックス(旧エニックス)開発の『ドラゴンクエスト』シリーズのオーケストラ演奏に参加している。2009年に発売されたCD「組曲『ドラゴンクエストI・II』」を演奏した東京弦楽合奏団(NHK交響楽団の選抜メンバーで構成された小編成の合奏団)に、方正氏がトランペッターとして参加していたことを知った正慶氏の当時の驚きがこちら。スクウェア・エニックスが紡いだ父と息子の繋がりと言えるかもしれない。

「首席奏者のトランペット」は、クラフタークラス「甲冑師」のレベル80程度の製作難易度ではあるものの、素材に特殊なアイテムは使用しないため入手はそれほど難しくない。正慶氏のファン、いわゆる「正慶の女」たちは、部屋に一つ飾っておくのはいかがだろうか。

Aki Nogishi
Aki Nogishi

ポストアポカリプスとドット絵に心惹かれます。AUTOMATONではFF14をメインに担当します。

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