任天堂は10月2日、『あつまれ どうぶつの森』にて9月30日に行われた秋の無料アップデート(Ver.1.5.0)について、任天堂公式ページ上のパッチノートを更新した。更新された内容は、「たぬきショッピングで、撮影スタジオに招待したことがあるどうぶつ以外のポスターを注文できる不具合を修正しました」というものである。アップデート前に一部のユーザー間で盛んに行われていた“おさわりポスター”に対し、任天堂側が正式に「おさわりでポスターをオーダー商品に追加できた、これまでの仕様が不具合だった」と表明(関連記事)。今回の秋の無料アップデートにて、不具合が修正された運びとなった。
“おさわり”とは、過去に入手したことのあるアイテムをオーダーすることができる、ATMサービス内の「たぬきショッピング」の仕様を利用したものである。“おさわり”する手順としては、まず他のプレイヤーと交流してどちらかの島に集まる。次に、島でお互いに相手が欲しいアイテムを地面に置き、ポケット(アイテム枠)に一度入れてから地面に戻してもらう。こうすることで、交換相手が貴重なアイテム自体を失ってしまうリスクを負うことなく、のちに自身の島の「たぬきショッピング」からオーダーして欲しいアイテムを入手できるというわけだ。
ユーザーから人気のおさわり対象アイテムであったポスターは、本作に登場する住民などのキャラクターが映った張り紙となる家具アイテムだ。ポスターを入手するためには、飛行場からパニーの島にでかけ、島内にある撮影スタジオで対象キャラのamiibo・amiiboカードを読み込む、あるいは自身の島の住民をスタジオに招く必要がある。amiibo・amiiboカードの中には入手困難なものもある。また本作で登場する住民の数は350人を超えており、自身の島の住民を好きなように選別する道のりも険しいものだ。よって、自力のみでは好きなキャラクターのポスターを得られる難度は高く、先述したおさわりの対象アイテムとして挙げられやすいものだった。“おさわりポスター”は、ユーザー同士が入手難度の高いアイテムをできるだけ入手しやすくするために生まれたひとつの手段である。
そんなユーザー間でポスターをおさわりしあってオーダー商品に追加できていた仕様が、今回正式に不具合として修正されたわけだ。本作において、パッチノートの内容が更新されるケースは今回が初めての様子。「どうぶつの森」公式Twitterアカウントでは、ユーザーから多数の問い合わせをいただいたとも明かされており、それだけアップデート後の突然の仕様変更に対して反響があったのだろう。そして、それだけユーザーが修正に対する疑問を抱いていたという表れともみられる。
ユーザーらの疑問が生じることとなった最大の要因として、今回の不具合に対して任天堂側が遅れて対応したことが挙げられる。ポスターを“おさわり”し合うプレイヤー間の交流については、筆者が知る限り発売直後、発売日同日の3月20日に実施されたアップデートVer. 1.1.0から可能だったのだ。そして、このおさわりポスターはコミュニティではしばしば散見されるアクティビティであった。ほかの不具合対応を調査していれば、任天堂側もこの“おさわりポスター”を認知していたことだろう。
ゆえに、たとえ不具合への対応が困難なものだったとしても、発売からは半年以上が経っているため、長期にわたって未対応だった仕様が突然変更されたことについての、開発側の意図がはかりかねる。つまりは、“おさわりポスター”が禁止になったことが意図した変更なのか、もしくはバグの不具合なのかがはっきりしなかったのである。
結局のところは、今回の“おさわりポスター”の仕様そのものが、これまで放置されていた不具合であると表明された。貴重なポスターを手に入れるにしては比較的お手軽な手段とはいえど、“おさわり”し合う交流を正規のものであると信じ、膨大な数のポスターをオーダー商品から解放していたユーザーらが、突然の不具合宣告について疑問を呈することは理解できる。
今回の修正に至った背景としては、ポスターの入手条件にamiibo・amiiboカードが関連しており、それらの商品販売への影響が考慮された結果と考えられる。しかしながら、任天堂側から言及がない以上、その真意は明らかではない。何にせよ、公式に不具合であると認められた以上は、別の手段でポスターのコンプリートを目指していく必要がありそうだ。