『Skyrim』のNPCモノマネお兄さん、動画がウケすぎてBethesdaに表彰される。全10作のシュールすぎる“あるある”モノマネ
『The Elder Scrolls V: Skyrim』(以下、Skyrim)におけるNPC。彼らはタムリエルの地に暮らす住民であり、それぞれ見た目や性格から立場や信条まで異なる。そんな個性豊かなNPCたちのユニークな側面を、忠実に再現する男が話題となったことは記憶に新しい(関連記事)。繰り返されるお馴染みのセリフ。壁に向かっての歩行。そして突然の方向転換。その全てをシュールかつ鮮やかに再現して見せた彼は、その後も続々と新作を公開している。
『Skyrim』におけるNPCの動きをユニークに再現する男性の名は、Steve Kim氏。同氏は楽曲制作者であると同時に、「Skyrim in Real Life」と呼ばれるNPCモノマネシリーズをTikTokやYouTubeなどに投稿している人物だ。そして、今やモノマネ作品は全10作にものぼる。そこで今回は、これらKim氏による名演の数々をご紹介していこう。
「Skyrim in Real Life」シリーズは、配達人の再現から始まった。これはウルフリックからの手紙を受け取るワンシーンのようだ。画面手前に映り続ける左手。呼び止めてもいないのに突然振り返り、「何か必要なものは?」とつぶやく人物。まさに『Skyrim』“あるある”を再現している。続く第2弾では、酒場の客がモノマネの対象に。イスをなぎ倒しながら歩く姿や突拍子もない動きが“あるある”だとして注目を集め、この作品は大きな反響を呼ぶこととなった。
第3弾では、盗みを発見した際のNPCが演じられている。ゲーム内BGM・SEを利用した音楽の切り替わりや剣を抜いた時の効果音など、前作以上に演出面がレベルアップ。そして第4弾は、吟遊詩人。執拗にこちらを見つめながら歩いてきたと思えば、急に歌いだすなど、相変わらずシュールにNPCの動きを再現している。第5弾は、不法侵入された際のNPCの反応。ここ辺りの作品からUIが表示されるようになり、より高い再現度を目指していることが伺える。
第6弾では、将軍が登場。イスに鎮座していたはずが「何か必要なものは?」のセリフとともに突然立ち上がる将軍。ぎこちなく部屋内をうろつき、挙句の果てに最初に鎮座していたイスとは全く別のソファーに座り始める。衛兵を演じる第7弾では、ぎこちなさがヒートアップ。柱にもたれかかっていたかと思えば、突然剣で威嚇を開始。しかし、ドラゴンボーンであることを明かすと大人しく引き下がり始める。と思いきや、ゴミ箱をなぎ倒しながらまたもや剣を取り出す衛兵。全編に渡って落ち着きがない。
そのほか第8弾ではホワイトランで演説をおこなう“あのNPC”を、第9弾では格闘状態のNPC、そして第10弾ではコンパニオンの動きを再現している。後半になるほど凝った演出が施されている点にも注目だ。なおすべてのエピソードをまとめた動画はこちら。
こうしたKim氏によるモノマネの数々は、Bethesda Softworksの目にも留まることとなった。氏は2月6日、「ベセスダから何か送られてきた…」といったタイトルの動画をYouTubeに投稿。動画の冒頭、「ほかに何か必要なものは?」と開幕早々持ちネタを披露。そして嬉しそうにダンボールを抱えるKim氏。それもそのはず、メリーランド州から東海岸を渡り、なんとBethesda本社から氏の家にプレゼントが送られてきたようだ。なかには一体何が入っているのだろうか。
恐る恐る箱を開けるKim氏。緊張の一瞬だ。そして最初に中から出てきたのは、ウルフリック・ストームクロークのコスプレをしたアヒルの人形。これは、海外おもちゃメーカーTUBBZが販売する商品である。険しい眉間とキュートな口元とのギャップが何とも可愛らしい。使うのはもったいないと発言しつつ、次に箱から取りだされたのは、『Skyrim』のワールドマップが彫刻されるまな板。ホワイトランを指差し、力強い声で「Talos!」と叫ぶKim氏。恐らくこのセリフは、ドラゴンズリーチ前で演説する“あのNPC”のモノマネだろう。
まな板の匂いを嗅ぎつつも、次に箱から出てきたのはノルドをあしらえたワッペンだ。続けて『Skyrim』のロゴマークが刻印された栓抜きも。これで安心してスクゥーマを開けられると、Kim氏は小ネタを挟みつつ喜びの表情を浮かべている。そしていよいよ最後。先ほどの表情から一変、氏が真剣な眼差しを向けて取り出したのは、エイドラのフィギュア豪華9体セットである。これひとつで九大神すべてが揃えられる、ファン垂涎もののグッズだ。以上5品、心が込められたプレゼントの品々にKim氏は満足げ。箱の底にはBethesda従業員の名刺も入っており、最後に氏はBethesda Softworks、そして『Skyrim』に感謝の声を捧げて動画を締めくくっている。
今回のKim氏によるプレゼント開封動画では、約4分というあいだに数々の『Skyrim』ネタが挟まれており、またバックミュージックも同作のBGMから引用されている。こうした部分からも氏の強い『Skyrim』愛が感じ取れるだろう。そしてBethesdaは、Kim氏の作品愛ならびにモノマネのクオリティを高く評価し、今回プレゼントを贈呈するに至ったのかもしれない。