『ディアブロ4』、「サーバーに悪影響が出そう」として人気ビルド調整緊急アプデ配信。あまりにも電撃が出過ぎたか

Blizzardは8月15日、ハクスラARPG『ディアブロ4』。に向けて修正を中心とした緊急アップデートを配信、ソーサラーのある人気ビルドが「サーバーに影響を与える」ほどのビルドであったとして調整が入っている。

Blizzard Entertainment(以下、Blizzard)は8月15日、ハクスラARPG『ディアブロ4。に向けて修正を中心とした緊急アップデート(ホットフィックス)を配信、ソーサラーのある人気ビルドに調整が入った。「サーバーに影響を与える」ほどのビルドであったからだという。PC Gamerが報じている。

『ディアブロ4』は、2023年6月に発売された人気ハクスラARPGシリーズ『ディアブロ』の最新作だ。本作の舞台は前作『ディアブロ III』から数十年後。ゲームプレイやグラフィックを大幅にパワーアップし、140以上のダンジョンなどを実装。過去作の魅力を踏襲しつつ、豊富なキャラクターカスタマイズや、さまざまなゲームプレイ要素を盛り込んで新たな冒険が描かれる。

本作は現在シーズン5「獄炎軍団」が開幕中。8月15日配信のホットフィックスにおいて、ソーサラーのあるビルドを対象にしたと思われる調整が入っている。それはソーサラーの召喚スキル「ライトニングスピア」を主力としたビルドだ。

このビルドの核となるのは召喚スキルのクールダウンを短縮させる 冬玻璃の破片(Fractured Winterglass)というアミュレットと、分割エネルギーの化身(Aspect of Splintering Energy)。これにより召喚スキルである雷の槍のクールダウンを高速で短縮しつつ連発、クリティカルヒットが起きると電撃が連鎖し、高い範囲火力を出すことができる、というビルドとなっている(maxroll.gg)。しかし今回のホットフィックスにより、分割エネルギーの化身によるスキルが連鎖する確率が低下。その代わりに一発あたりのダメージが増加。これにより修正前のように盛大に連鎖することはなくなるようだ。

Blizzardより発表されている今回の調整の理由としては、「(稀な状況において)分割エネルギーの化身と冬玻璃の破片の組み合わせがサーバーのパフォーマンスに悪影響を与える可能性があった」とされている。稀な状況とは、前述のライトニングスピアビルドのことだろう。

Image Credit: Dean on YouTube

『ディアブロ4』は、オンラインプレイ専用タイトルとなっている。プレイ時にはいつでもほかのプレイヤーと遭遇したり、共闘したりする可能性があり、攻撃の当たり判定などもサーバー側で一定の処理がなされる様子だ。そのため、あまりにも多く激しい電撃の連鎖が、サーバーパフォーマンスに影響を与えうる状況になったのだろう。この問題を解決するために、スキルが連鎖する頻度を低下し、その代わりとして単発のダメージを増やしてバランス調整を行ったとのことだ。

今回のこの調整の影響を大きく受けたプレイヤーもいる。本作におけるいわゆるPit pushと呼ばれる挑戦を行っているプレイヤーたちだ。これはエンドコンテンツとなる名匠の奈落(The Pit of Artificers)と呼ばれるダンジョンの階層の、いかに奥深くへ潜ることができるかを競うプレイスタイル。ハクスラタイトルのエンドコンテンツにおける、さらなるやりこみともいえる。

本ビルドはそんなプレイヤーたちにとっても、『ディアブロ4 』シーズン5で高い人気と結果を残しているビルドであるようだ。非公式に集計されている本作のPitランキングでも、ライトニングスピアビルドのソーサラーは上位に多数ランクイン。中でもトッププレイヤーのMekuna氏は自身の配信内でこのビルドを使用しT157をクリアし、非公式ランキングにおいては現在世界一の記録となっている。

上述の動画はMekuna氏の配信の場面切り抜いたもの。ライトニングスピアビルドのソーサラーを使用し、画面を埋め尽くす勢いの雷の槍と雪玉であっというまに高難易度のダンジョンの敵をせん滅しているようすが確認できる。

なお、この動画及び記録はホットフィックス前のもの。しかしMekuna氏いわく、今回の調整で2-3分程で完了していた雑魚敵の掃討が現在7分かかるようになってしまったとのこと。とはいえ上位プレイヤーの一部にとっては大きな弱体化であるものの、一般的なプレイヤーにはそこまで影響はないという。

また本作のグローバルコミュニティ開発ディレクターを務めるAdam Fletcher氏が今回のホットフィックスの内容を伝えたポストに対して、とあるユーザーが「シーズン中にビルドをナーフする方針になったのか」と質問をしている。以前Blizzardが表明した、弱体化に関する調整姿勢を踏まえての質問だろう。これについて同氏は、当初から「ゲームに深刻な影響がない限りは調整しない」という方針であると答えている。今回のビルドはそのケースに当てはまるといえそうで、あくまで強すぎるからではなく、サーバーに深刻な影響を与えてしまうがため修正されたということなのだろう。

Diablo4のエンドコンテンツにおけるビルドはどのクラスでも派手なものが多い。とはいえ、今回のライトニングスピアビルドは少々サーバーに負荷をかけすぎてしまったようだ。一部の上位プレイヤーにとってはナーフといえるものの、それでもライトニングスピアビルドは依然として強力であるとのこと。サーバーに負荷対策として、かつ単純な弱体化にならないよう、慎重な調整を目指したのだろう。Blizzardによる本作の調整方針を示すエピソードといえそうだ。

ディアブロ4』はPC(Steam/Battle.net)/PS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S向けに配信中。

Jun Namba
Jun Namba

埼玉生まれBioWare育ちです。悪そうなやつはだいたいおま国でした。RPG全般が好きですが、下手の横好きでいろいろなジャンルに手を出しています。

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