基本プレイ無料”街”オープンワールド『NTE』で始めるもうひとつの人生。「電車に乗って知る街」

電車によるヘテロシティ横断を試してみたくなった。さっそく橋間地と絵空町、未聞浦の3つのエリアを繋ぐ路線に乗り込み、ヘテロシティ全路線制覇の旅に出た。

Perfect World Gamesは7月3日から7月17日の間、『NTE: Neverness to Everness』のクローズドベータテスト「収容テスト」を実施している。今回の収容テストは日本語に対応しており、字幕表示に加えて日本語版のキャラクターボイスも実装されている。今回弊誌は収容テストを試遊する機会に恵まれた。ということで、全10回に渡って『NTE』での生活日記をお届けする。ほぼもうひとつの世界みたいなものだからである。

あらためてゲーム概要を説明しよう。『NTE: Neverness to Everness』は、Unreal Engine 5で開発中のオープンワールドRPG。基本プレイ無料形式で配信予定。開発はHotta Studioが担当。現時点で告知されている対応プラットフォームは、PS5/PC/モバイルだ。

『NTE: Neverness to Everness』の舞台となるのは、異象(アノマリー)と人間が共存する大都市ヘテロシティ。記憶を失いヘテロシティに流れ着いた主人公は、ひょんなことから巻き込まれた異象事件を見事に解決。その異象に対する能力の高さを買われて、骨董品屋エイボンの異象ハンターとなり、ありとあらゆる異象に関する依頼を解決していく。

記憶なし、身寄りなし、仕事はあり

ゲームの主人公にはありがちなとんとん拍子のサクセスストーリーだが、ちょっと待っていただきたい。記憶もないままに新しい仕事と住処を与えられ、縁も所縁もない大都会で生きていくというシチュエーションは、体にも心にも負担が大きいことは想像に難くない。

この状況を解決するためには、まずこの街を知ることから始めるべきだろう。ヘテロシティのことを深く知っていれば異象ハンターの仕事もしやすくなるだろうし、なにより街を知れば知るほど愛着も生まれるはずだ。

そうと決まればやることは1つ。大都会へ繰り出そう。筆者をメインストーリーへと必死に誘導するマーカーをオフにして、いざヘテロシティへ。勢いよくエイボンを飛び出た筆者を迎えてくれた「橋間地(はしまち)」は、どうやらヘテロシティにおける下町的なスポットである様子。時代の最先端を行くメガロポリスというよりは、そこに住まう人々の確かな活気を感じられるエリアとなっている。個人的に職場はオシャレさよりも居心地の良さを重視するタイプなため、まずは一安心といったところ。

各エリアに点在する「ヴェルテハイモー塔」に触れることで、マップの開放が可能。マップ情報から、ヘテロシティは橋間地を含む5つのエリアで構成されていることがわかった。さらに、それぞれのエリアにまたがるように走る5つの路線も確認できる。大都会の生活に必須となる電車の情報が得られたことは大きい。今後の生活の質を高めるためにも、各エリアと路線の情報は確かめておくべきだろう。

そうだ、だから電車に乗ろう

そんなことを考えながらマップを確認すると、これらのエリアを繋ぐ5本の路線に関する驚くべき事実が明らかになった。5つのエリアと5つの路線があると聞けば、普通は「なるほど、それぞれのエリアに1本ずつ路線が走っているんだな」と考えてしまうだろう。ところが実際には、橋間地、絵空町(えそらまち)、未聞浦(みもんうら)の3つのエリアを繋ぐ路線が1本と、橋間地の中心とニューホランドの中心を繋ぐ路線が1本あり、残りの3本はニューホランドとミゲル区を細かく中継するように敷かれているのだ。

各路線の位置関係。マップ画面では路線を確認しにくいため、ラインを引いてある。

最初はこの偏りのある路線配置に首を傾げたものの、ゆっくり考えてみればその理由も理解できる。橋間地、絵空町、未聞浦の3つのエリアは比較的人の往来に余裕があり、交通機関にそこまで依存していないのだ。逆に、ヘテロシティの中心部であるニューホランドとミゲル区には多くの人が集うため、交通機関を充実させる必要があったのだろう。本作の、リアルな都市づくりへのこだわりが強く表れたポイントだ。

駅の作り込みからも、こだわりが垣間見える。

いざ電車の旅へ

駅同士が近く、乗り換えも楽に行える点も気に入った。ここまでお膳立てされては、電車によるヘテロシティ横断を試してみたくなるというもの。さっそく橋間地と絵空町、未聞浦の3つのエリアを繋ぐ路線に乗り込み、ヘテロシティ全路線制覇の旅に出た。橋間地をスタート地点として未聞浦と絵空町を一周し、ニューホランドの中心へ。そこからゴールとなるヘテロシティ最北、ミゲル区の駅へ向かうというルートを採った。以下、訪れた順番に各エリアの駅やロケーションを紹介していく。

活気に溢れる下町「橋間地」

ヘテロシティでグルメを求めるなら、橋間地一択。
橋間地の沿線を走る路線の駅。桜が名物のようだ。

都会の喧騒を忘れられるリゾート地「未聞浦」

未聞浦が誇る豊かな自然。後ろに見えるのはコンサート会場「イマジニスト」だ。
海の上に浮かぶ、幻想的な未聞浦の駅。

商店街や学校がにぎわいを見せる「絵空町」

絵空町の商店街。買い物客が集う。
絵空町の駅。近くにある学校の生徒も利用するのだろうか。

路線を一周し、橋間地の駅へと戻ってきたあとは、橋間地の中心とニューホランドの中心を繋ぐ路線に乗り換える(上の図で、オレンジで示した路線)。人でにぎわう橋間地の繁華街を抜けて駅に着けば、ニューホランドまではあっという間だ。

橋間地とニューホランドを繋ぐ、アヤメ大橋。

ヘテロシティの経済活動の心臓部、新興ビジネス街「ニューホランド」

ニューホランドには、有名企業の本社が多いらしい。
大都会のど真ん中に位置するニューホランドの駅。
電車の窓から見えた、ニューホランドのイベント施設。ビジネスだけでなく娯楽も豊富なようだ。

豊かな自然とランドマークを誇る観光地「ミゲル区」

ミゲル区の人気スポット「ロンバス湖」には、観光客が集まる。
2つの路線が合流しており、乗り換えが楽なミゲル区の駅。
ミゲル区最北の駅からは、ロンバス湖とニューホランドを一望することができた。

これにてヘテロシティ電車横断の旅は無事終了。スタートからゴールまで、ゲーム内時間で半日も掛からないという驚異的な交通の便の良さを見せた。ヘテロシティは新興の都市だが、その開発計画は順調なようだ。

各駅は交通上の必然性をもって作られているため見つけやすく、位置も覚えやすかった。加えて、ヘテロシティが放つそこはかとない「日本の都会っぽさ」を確認できたおかげで、この生活感溢れる街に愛着が湧いてきた。エイボンに残してきた仕事の続きが心配だが、今回得られた土地勘を武器に地道にこなしていくしかないだろう。期待と不安が入り混じる新生活は、始まったばかりだ。

NTE: Neverness to Everness』はPC/PS5/モバイル向けに基本プレイ無料で配信予定だ。

Daijiro Akiyama
Daijiro Akiyama

ゲームをすることと、ゲームの話をしたり聞いたりすることが同じぐらい大好きです。

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