「GWにゆるくオススメしたいインディーゲーム」第三弾、鉄山靠が妙に似合う妖精フリージアさん

あれは忘れもしない2011年の夏。体験版で衝撃的な手触りの良さを味わい、夏の祭典で製品版の購入を友人に頼み、熱に浮かされるままプレイした作品があった。そのゲームの名は、『花咲か妖精フリージア』。

編集部より:
ゴールデンウィーク向けとして、各ライターに好きなインディーゲームに紹介してもらうという本企画。発売時期やプラットフォーム、価格など問わず、ただ好きなインディーゲームを紹介する。非常にゆるい企画なので、ゆるい気持ちで読んでいただければ幸いだ。第三弾『花咲か妖精フリージア』をお届けする。筆者はKeiichi Yokoyama氏である。

あれは忘れもしない2011年の夏。体験版で衝撃的な手触りの良さを味わい、夏の祭典で製品版の購入を友人に頼み、熱に浮かされるままプレイした作品があった。『花咲か妖精フリージア』。同人ゲームサークル「えーでるわいす」が、C80で頒布した肉弾妖精無双アクションだ。厳密に言えば、本作はインディーゲームではなく同人ゲームなのだが、どうか石を投げないでほしい。

『花咲か妖精フリージア』は、2Dアクションゲームである。主人公であるフリージア───フリージアさんは一般的な妖精のイメージと異なり、リタの森を守るガーディアンにして、敵を刈り取るターミネーターで、かなりの武闘派だ。勇者へ執拗にDMを送ったりなどせず、ただ己の肉体を武器に並み居る敵をなぎ倒す。肉体言語を駆使して全ての敵を殲滅し、フリージアさんが最後に立っていたならステージクリアだ。レベルやマナを使ったスキル習得など、成長要素も用意されており、装備するスキルをカスタマイズすることで、自分好みのフリージアさんを縦横無尽に暴れさせることができる。ゲームモードとしては、物語と共に進行し、5ステージごとにボスがやってくる「ストーリーモード」。クリア後に解放され、森を守るガーディアンとしてひたすら戦い続ける「ガーディアンモード」の2つが用意されている。

本作の特徴は、手触りのよさにある。ゲーム中、フリージアさんは入力したキーへ素直に従って、画面の中で思ったとおりに動いてくれる。本作はアクションゲームなので、当然のことと言えばそうなのだが、レスポンスが良いのかとにかく操作しているだけでも心地よい。ここまで良好な操作感をそれまでに味わったことはなく、衝撃を覚えたのは今でも覚えている。もう一つ、本作の気持ちいいポイントとして、敵を敵にぶつけられる点が挙げられる。敵を浮かせて打撃を加えると、撃ち出された弾のように勢いよく飛んでいき、心地よい打撃音を鳴らすのだが、これが本当に爽快だった。コンボを繋ぎ、端から端まで敵を飛ばしているだけでステージが終わっていることもあり、良好な操作感も手伝って、慣れるととにかく気持ちよくプレイさせてくれる作品だ。

本稿を執筆するにあたって改めてプレイしてみたのだが、その心地よさ、手触りの良さは健在だった。アクションゲームが苦手な方にはオススメできないし、長いGWを潰すにはボリュームが足りないかもしれないが、メインゲームの合間にでも是非触ってみてほしい。

Keiichi Yokoyama
Keiichi Yokoyama

なんでもやる雑食ゲーマー。作家性のある作品が好き。AUTOMATONでは国内インディーなどを担当します。

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