世界大会前にシーンの仕組みを知ろう。『リーグ・オブ・レジェンド』世界のプロシーン図解

『リーグ・オブ・レジェンド(以下、LoL)』の競技シーンは、日本ではサーバーが設置された2016年より本格的にスタートした。そのため、国際的なプロシーンの仕組みについてご存じない方も多いことと思う。本記事では2016シーズンにおける競技シーンのタイムラインや、プロシーンのシステムについての概観を紹介する。間もなく始まる世界大会観戦の参考にしていただければと思う。

競技シーズンのタイムライン

『LoL』の競技シーズンは通常、その年の1月より始まる(地域によって微妙に異なる場合も)。競技シーズンは春と夏の2スプリットに分かれており、1スプリットは10~11週+プレイオフで構成されている。毎週試合のある時期は「レギュラーシーズン」と呼称され、参加チームが総当たり戦を行う。レギュラーシーズンが終了すると、上位チームが「プレイオフ」への出場権を得る。プレイオフはトーナメント方式で開催され、1つの対戦カードはBo5(3本先取)など、複数の試合結果を見て勝敗が決まるようになっている。

春夏の間には1か月ほどの短いオフシーズンがあり、その間に春期スプリットの総決算である国際大会「Mid-Season Invitational(MSI)」が開催される。MSIでの地域順位はなんらかの形で世界大会のシードに影響するように設定されているのが恒例なため、オフシーズン間の交流大会とあなどることはできない。

つづいて6月からは夏期スプリットが始まる。夏期スプリットは各地域のプレイオフ優勝が世界大会への出場権獲得に直結するため、結果は非常に重要だ。夏期スプリットが終了して順位が決定すると、続いてChampionship Point順位での世界大会出場権が決定し、さらに「Regional Qualifier(地域代表選抜)」による世界大会出場権獲得プロセスが行われる。そうして決定した世界大会出場チームは、10月に5週間かけて開催されるその年の世界大会「World Championship」に参加することになるのだ。

世界大会終了と同時期に、ゲームシステム側でもその年のシーズンが終了する。シーズンが終了するとプロ選手も一般プレイヤーも関係なく、その年のランク戦の成績が確定し、ランキングに応じた報酬が配布される。シーズンが終了すると、来シーズンへの準備となる「プレシーズン」が始まる。プレシーズンは例年11~12月の約2か月間であり、ゲームシステムの根本的な変更が行われる。

プレシーズン中の12月上旬には、各地域からファン投票によって決定されたトップ選手を招いての国際交流戦「All-Star」が開催される。プロシーンの試合ではマップ「サモナーズリフト」での5対5の試合が通常レギュレーションとして用いられているが、All-Starでは1対1や二人羽織などの変則レギュレーションの試合が行われる。All-Starでは選手が地域の垣根を超えて「Team Fire」と「Team Ice」の2チームに配属され、最終的に勝利したチームをテーマとしたチャンピオンスキンが作られることになっている。

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世界大会出場枠とChampionship Point制度

五大リーグには毎シーズン、一定の世界大会出場枠が与えられている。一般的にまず1枠めは夏期スプリットプレイオフ優勝チームに。次の2枠めはChampionship Point合計2位チームに。最後の3枠めは地域代表選抜を勝ち抜いたチームに与えられる。

「Championship Point」制度については、少々複雑なのでここで解説をしておこう。この制度は春夏スプリット両方の結果を世界大会出場権獲得プロセスに反映させるためのシステムだ。

各スプリットに参加したチームは、スプリットのプレイオフが終了すると、確定した順位にもとづいて「Championship Point」と呼ばれるポイントを獲得する。このポイントはスプリットの順位が高ければ多く獲得でき、たとえばEU/NA LCSではスプリット1位が90ポイント、2位が70ポイント、3位が50ポイント、などと定められている。Championship Pointは春夏の各スプリットで獲得が可能であり、夏期スプリットの順位が確定した後、各チームはその年の春夏のポイントを合計する。そうして算出したChampionship Point合計が一番多かったチームが、世界大会への出場権を獲得することになる。

なお夏期スプリット優勝チームには自動的に世界大会出場権が与えられるため、Championship Point合計1位のチームと重複した場合は、ポイント合計2位のチームにこの枠が与えられる。なお、台湾/香港/マカオ地域からの世界大会出場枠は2チームのため、Championship Pointによる出場枠は存在しない。最後に、夏期スプリット優勝およびChampionship Point合計1位によって世界大会出場権を獲得したチームを除き、残ったChampionship Point上位チームによって地域代表選抜が行われ、最後の出場チームが決定されることとなる。

世界のプロリーグ

『LoL』のプロリーグは、地域ごとに設置されているサーバー、もしくは運営母体内の地域区分ごと開催されている。

五大リーグ

以下に挙げる各リーグは、各スプリットでの優勝が国際大会への出場権獲得に直結する大きなリーグとなっている。

  • LPL – 中国(テンセント運営)
  • LCK – 韓国
  • LMS – 台湾/香港/マカオ(Garena運営)
  • NA LCS – 北米
  • EU LCS – ヨーロッパ

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ワイルドカード地域

ワイルドカード地域は、五大リーグ以外のサーバー設置地域におけるプロリーグだ。これらの地域は、各スプリットでの優勝チームがワイルドカード地域同士が競い合う国際大会に進出し、MSIや世界大会への「ワイルドカード参加枠」を争うことになっている。

  • GPL – 東南アジア(Garena運営)
  • CBLOL – ブラジル
  • LJL – 日本
  • LAN – ラテンアメリカ北部
  • LAS – ラテンアメリカ南部
  • TCL – トルコ
  • OPL – オセアニア
  • LCL – CIS

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プロリーグの構造

各地の『LoL』プロリーグには、従来のスポーツと同様に一部リーグと二部リーグが存在している。一部リーグは文字通りその地域のトップリーグであり、参加するチームや選手は「プロ」と定義されている。二部リーグ(Challenger Seriesなど、地域によって呼称が異なる)はアマチュア選手の最高リーグであり、一部リーグの縮小版のような開催概要となっている。各スプリットの最上位チームは、オフシーズン前に一部リーグ最下位チームに対して「入れ替え戦(Promotion)」を挑む。入れ替え戦に勝利したチームは次のスプリットの一部リーグへの出場権を得ることになっている。

二部リーグへの登竜門は、各地域内で行われる公認アマチュアトーナメントや、Challenger Series Open Qualifierなどだ。こういったトーナメントにはチームでの応募が必要で、オンラインでの大会を勝ち抜くと、二部リーグ出場権を獲得できる。

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もうひとつの国際大会「IEM」

以上に紹介したプロシーンのシステムは『LoL』開発運営会社であるRiot Gamesが主催・開催委託を行っているものだ。『LoL』の国際大会としてはもうひとつ、Riot Games公認のもとにESLが主催する「Intel Extreme Masters(IEM)」が存在する。

IEMは『StarCraft2』『Counter Strike: Global Offensive』『LoL』の3タイトルを採用した国際e-Sportsトーナメントで、『LoL』については今年11月の「IEM Oakland」からSeason 11の競技がスタートする。翌月には韓国で「IEM Gyeonggi」が開催され、この2大会の上位チームが来年3月にポーランドで行われる最終大会「IEM Katowice」で覇を競うことになっている。

IEMは招待大会であり、地域リーグおよび世界大会で高順位につけたチームや、ファン投票で人気を集めたチームが招待される。Season 11からはこれまでなかったワイルドカード枠も設けられており、ワイルドカード地域にとっては貴重な国際大会出場機会にもなるだろう。

画像はIEM公式サイトより。既に7月に終了したIEM Shanghaiは『StarCraft2』のみで開催された。『LoL』の競技は今後の2大会で行われ、来年3月のIEM KatowiceでSeason 11の覇者が決まる。
画像はIEM公式サイトより。既に7月に終了したIEM Shanghaiは『StarCraft2』のみで開催された。『LoL』の競技は今後の2大会で行われ、来年3月のIEM KatowiceでSeason 11の覇者が決まる。

以上、競技シーンのタイムラインと構造について簡単に紹介させてもらった。2016シーズンの締めとなる世界大会は今週末より開幕する。出場チームたちがくぐり抜けてきた過去の戦いの激しさ、そして世界大会で披露されるトップレベルの技術やさまざまなドラマに思いを馳せていただければ幸いである。

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