『リーグ・オブ・レジェンド』学生プレイヤーのコミュニティ活性化を推進。Yahoo! JAPANとの合同で学生コミュニティ支援プログラム「e-Sports×U」が開始


日本国内で『リーグ・オブ・レジェンド(League of Legends、以下LoL)』の展開を行うライアットゲームズは、3月30日に学生コミュニティ支援プログラム「e-Sports×U」を開始することを発表した。「e-Sports×U」はライアットゲームズおよびYahoo!JAPAN・GameBankの3社による合同プログラムとなっており、「Yahoo!ゲーム」内に開設された特設サイトでは、学生プレイヤーの交流活動を支援・推進するためのさまざまなサポート内容が公開されている。

「e-Sports×U」には、『LoL』をプレイする学生が仲間を増やしたり、イベントを主催したり、学生トーナメントへの出場を目指したりといった、学生プレイヤーの活動を支援・推進するための企画が盛り込まれている。
プログラムの支援対象は“18歳以上”の「大学生」「専門学校生」「高等専門学校生」「大学院生」。活動を進んで行う学生には、「eSports Student Partner(ESP)」というコミュニティリーダーとしての称号が用意されている。簡単な書類審査があるが、サークルの立ち上げやイベント開催に際して、事務局から支援が得られるとのことだ。

また「e-Sports×U公認サークル」制度も開始される。公認サークルの応募条件は、大学・専門学校・高等専門学校・大学院内にあるゲームサークル(17歳以下は参加不可)で、サークルに5名以上メンバーが在籍していること。学校の公認サークルである必要はない。メンバーの1人が前述の「ESP」に任命されていることが必要となる。公認サークルには、他公認サークルとの交流戦や、サークルメンバー募集のサポート等が提供されるとのこと。4月からの新歓シーズンにサークル勧誘・加入がしやすいよう、Twitterのハッシュタグを使ってサークルを探すキャンペーンも展開されている。

そして2017年3月には公認大会「e-Sports×U Grand Tournament(仮)」の開催が予定されている。詳細は今後発表されるとのことだが、おそらく公認サークルによる大規模トーナメントになると思われる。

こうした支援プログラムは、すでに海外では行われているものだ。北米地域では全米の大学サークルによる「University League of Legends(uLoL)」が、オセアニア地域には公認大学大会「Oceanic University Championship」および公認サークル情報サイト「Club Directory」が存在する。ヨーロッパ地域ではまとまった公式サイトはないものの、各国ごとに大学大会が開かれている。

特に北米の「uLoL」は今年から大規模な公式リーグ「uLoL Campus Series」を開催している。このリーグでは、全米を東西南北の4地域に分け、その各地域リーグに8チームずつが参加。上位4チームずつが選抜され、最終的に4地域4チームの計16チームがプレイオフに進出。試合は毎週行われ、その週の「注目の試合」は、毎週土曜日のNA LCS配信終了後に、本職のプロリーグ実況者の実況解説つきで公式配信された。16チームはプレイオフのトーナメントに配置され、最終的な優勝チームが決定される。現在のシーズンではこの準々決勝までが終了している。出場大学サークルはe-Sports奨学金プログラムで知られる「Robert Morris University」をふくめて準プロレベルの選手を抱える強豪大学ばかりであり、プロ選手を目指すための登竜門のひとつである。

uLoL Campus Series 2016の現在のプレイオフ・トーナメント表。東西南北地域からの上位大学が、大学リーグ覇者を目指して争う。
uLoL Campus Series 2016の現在のプレイオフ・トーナメント表。東西南北地域からの上位大学が、大学リーグ覇者を目指して争う。

日本国内のプレイヤー人口では、北米のような大規模大会は望み薄と推測される。しかし、海外と同様に『LoL』をスポーツ的な文化として推進していく動きは、国内のe-Sportsにとって追い風のひとつになるのは間違いない。ゲームを通して社会参画を行うという点では、公認サークルやESPとしての活動が、進学や就職に際しての評価になるかもしれない。今後の活動内容や成果が注目される。