『龍が如く 極3 / 龍が如く3外伝 Dark Ties』先行プレイ感想。「懐かしさ」よりも「新しさ」が印象的、新しい沖縄、新コンテンツを通じた、新しい物語体験
『龍が如く 極3 / 龍が如く3外伝 Dark Ties』が、この令和の時代、いかに「極クオリティ」へ至ったのか。現時点で判明している作品の内容を紹介する。

シリーズ20周年という節目の年に発売されること、そして、外伝とセットで販売されることで話題となっている『龍が如く 極3 / 龍が如く3外伝 Dark Ties』。平成時代の空気が詰まった『龍が如く3』が、この令和の時代、いかに「極クオリティ」へ至ったのか。このたび作品の一部を先行してプレイする機会に恵まれたため、現時点で判明している作品の内容を紹介していきたいと思う。
『龍が如く 極3 / 龍が如く3外伝 Dark Ties』は『龍が如く3』のリメイク作品。いわゆる本編のリメイクとなる『龍が如く極3』と外伝作品『龍が如く3外伝 Dark Ties』(以下、Dark Ties)が1つのゲームにパッケージングされていることが特徴である。発売日は2026年2月12日。価格は8,990円(税込)。対応プラットフォームはPC(Steam)/PS5 / PS4 /Nintendo Switch2 /Xbox Series X|S となっている。
『龍が如く極3』ではリゾート開発計画と米軍基地増加計画に揺れる沖縄、そして東城会の因縁を描き、『Dark Ties』では東城会に入って間もない峯義孝の物語を描く。
なお、本作の体験版が、近日中に配信される予定だ。詳しい情報については追って紹介することになるだろう。
新しい戦闘スタイル、新しいストーリー

まず試遊することになったのは『龍が如く極3』において、作中展開される物語の1シーン。桐生を追う謎の組織との戦闘からスタートした。ここで体験できたのは新しいバトルスタイルとなる「琉球スタイル」だ。沖縄に伝わる武器術をモチーフに8種類の武器を駆使して戦うという形式である。盾のティンベーと短槍のローチンという基本の構えから始まり、各種コマンド入力を通じて、鎌やトンファーなどを用いた変幻自在な戦法を実現できる。シリーズファンの中には、『龍が如く8外伝 Pirates in Hawaii』における真島の「パイレーツスタイル」を思い出す人もいるかもしれない。とはいえ、桐生の武器攻撃は質実剛健にまとまっている印象だ。ティンペーを用いて敵の攻撃をパリィし、コンボを繋げながらヒートアクションを発動していく攻防一体のスタイルである。なお、このスタイルでは両手が塞がっているため、周辺のモノを武器として活用することはできない。
謎の集団を相手に、新しいバトルスタイルを試してみる筆者。戦いの最中蘇るのは『龍が如く3』時点における戦いの記憶である。『龍が如く3』ではとにかく戦闘の難易度が高かった。敵が防御をしっかり取ってくるからである。敵の防御には「投げ」攻撃を取れば良いのだが、投げに反応してカウンターを繰り出す敵もいたため、特に集団戦の難易度が高い印象であった。しかし、『龍が如く極3』の琉球スタイルならば、パリィを通じてスムーズに攻め立てることが可能だ。爽快感もあって心地よい。ゲージを消費して発動する強化形態「ドラゴンブースト」を発動すれば、攻撃はさらに苛烈に、爽快感あふれるものへ進化する。もちろん、練習と慣れは必要なものの、使いこなせれば本作ならではの戦闘体験が味わえそうである。

では、従来のスタイルの進化系となる「堂島の龍・極」の感触はいかほどか。喧嘩の内容が洗練されすぎていない、『龍が如く3』当時の桐生一馬をイメージして構築されたこのスタイルは、過去作の技を踏襲しているのはもちろんのこと、全体的にケレン味が大きく増している印象だ。よりド派手に、ダイナミックに。敵をぶん殴り、ぶっ飛ばす。ドラゴンブーストを発動すれば、その勢いはさらに爆発する。このスタイル中は街中のモノを武器として活用できるのみならず、今作ならではのヒートアクションも追加されており、桐生を動かすほどに新しい発見が生まれる内容に仕上がっている。本作の戦闘はこの2つのスタイルを適宜変更しながら、柔軟に戦っていくことになる。
戦闘のあとはカットシーンが始まる。柏木修を中心として、桐生一馬を六代目代行として呼び戻すか否かを決定する会議の場面だ。つまり、キャスト変更が行われた浜崎豪と、キャスト再演が決定している神田強のお披露目シーンである。再び神田強役を務める宮迫博之氏の演技は懐かしいを通り越して、洗練された印象を受ける一方、新しい浜崎豪役を務める香川照之氏の演技は「人の弱みにヌルリとつけ込む」ような、破壊的な印象の高橋ジョージ氏による演技とはまた違うヤクザらしいイメージを抱くに至った。もちろん、最新ハードで描かれるデティールに拘った情景を通じて、空間を支配する「凄み」が増している。よりシネマティックな没入感を覚えることができた。

神室町を確認したら次は沖縄だ。場面は「ステゴロのハブ」こと島袋力也とのタイマンから始まる。素直にこちらもステゴロで挑むのが漢、ではあるが、仕事なので「琉球スタイル」をメインに立ち回る。やはりパリィから攻め立てる逆転の爽快感が心地よい。適当にコマンドを入力してもさまざまな武器が顔を覗かせるため、分かりやすくエキサイティングな体験が得られる。また、島袋力也に関してもキャスト変更がなされており、本作では笠松将氏が演じている。地元愛に溢れる熱血漢という印象を持った過去作と異なり、本作の力也は「近所の兄ちゃん」感が増したように思う。地元愛という部分がよりフィーチャーされた印象だ。力也と地元民とのやりとりも、前作以上に近所の付き合いという趣が強い。宮川大輔氏演じる新垣幹夫については、「愛嬌ある舎弟」という方向に洗練されたように思う。マスコットのような印象が増した。

この印象を補強するように、戦闘後、力也のキャラクターを掘り下げる新規イベントが発生。玉城組の粗暴な振る舞いに対処する形で、なぜ力也が桐生を慕うのか、という点に関して物語を補強する内容だった。『龍が如く8』でも見られた、吹き出しを通じて移動中に会話が発生する演出に少しニヤリとしたことを覚えている。本作は登場人物の掘り下げによって前作の物語をよりグレードアップすることを標榜している。その姿勢が端的に示されたものであると言えよう。そのまま物語は琉道一家事務所へ。キャストが石橋凌氏へ変更となった新しい名嘉原茂のお披露目である。端的に言えば、「おじいちゃん」という成分が幾分鳴りを潜め、昔気質なヤクザとして随分と男前になった印象だ。
「アサガオライフ」でパパになり、「ツッパリの龍」でヤンキーになる

新しいストーリーの試遊を終えたら、次はサイドアクティビティの試遊に移る。本作では「アサガオライフ」と「ツッパリの龍」という2つの新要素が追加。前者はシミュレーションライクなミニゲーム集、後者は集団戦によるバトルコンテンツとなっている。
まずは「アサガオライフ」から説明していこう。「アサガオライフ」はいわば各種家事を通して、養護施設「アサガオ」の子どもたちと交流していく、というコンテンツになっている。施設の子供たちはもちろん、やる気だけはある新米パパの桐生一馬の成長譚もまた描かれる。基本的なゲームフローとしては、「腹減った」「明日ぞうきんが必要になった」「宿題に詰まった」といった子どもたちのリクエストに答える形で各種ミニゲームをクリアし、パパランクを上げていく。パパランクが上がると子どもたちに振る舞う料理の内容が発展していくほか、子どもたちとの絆ストーリーや、アサガオ全体の物語が進展していく。
ミニゲームのラインナップとしては毎シリーズながら、体験のバラエティを強く意識してくれているのが嬉しい。往年のセガのレースゲームを思わせる「さいほう」をはじめ、クイズに挑戦する「しゅくだい」、「むしとり勝負」や「ドラゴンリバーシ」といったものもある。いずれもスコアアタックなどやり込み要素が用意されているのが特徴だ。また、シミュレーションライクな要素として、町内会の人へ自家製の野菜や手芸品を納品し、アサガオの運営資金を稼ぐこともできる。そして、パパとしての働きに応じて遥からお小遣いを入手可能。普段これらの家事や業務をこなしている遥の凄まじさを、身をもって感じる一幕だ。

「ツッパリの龍」は沖縄の弱小レディースチーム「ハイサイガールズ」と共に敵と戦っていくチームバトルコンテンツだ。全国制覇を掲げ、その最後の地となる沖縄侵略を目論むチーム「闘狂ナイトメア」から地元を守るため、桐生は会長という立ち位置でチーム運営に参加することとなる。沖縄を巡って仲間を集い、装備を整えながら、普段とは一味違った、NPCの仲間たちと共闘を楽しめるコンテンツだ。『龍が如く8外伝 Pirates in Hawaii』における船員との共闘を思い出す。
仲間たちにはレアリティに応じたステータスが設定されているほか、「キメ技」という必殺技を持っている。ダメージを与えるものだけでなく、味方のステータスを向上させるものもあり、いかに仲間同士のシナジーを形成できるかが、このコンテンツを楽しむ上での肝となる。戦闘のルール自体も複数存在し、5人の仲間を引き連れて戦う「ツッパリ喧嘩バトル」をベースに、最大20人の仲間と共に戦う「血闘」へと発展していく。今回の試遊では「血闘」のうち、「制圧戦」と呼ばれるゲームモードを体験できた。
「制圧戦」はタクティカルシミュレーションライクなゲームルールだ。バイクに跨った「ハイサイガールズ」がマップに設置された敵拠点を制圧していくという内容である。桐生は遊撃手としてマップを駆け回りながらチームメンバーのサポートを行う。マップ兵器である「ツッパリ兵器」などを使うタイミングの調整も重要だ。一見するとやることが多く仕様の理解が大変に思えるが、実際はかなりミニマムな形にまとまっており、この手のジャンルに馴染みがなくともスムーズに戦いを楽しめることだろう。
このほか、「プリ帳」を埋めたり、「ガラケー」をカスタマイズしたり、といった平成時代に浸れる要素や(『龍が如く3』は2009年2月26日に発売されたゲームである)サブストーリーを楽しんだ。筆者は『龍が如く3』時点にも登場していた、個人的に好きなキャラ「イ・リュウジョン」に会いに向かったが、この他にも和田アキ子氏が登場するストーリーをはじめ、新しいサブストーリーが用意されている。中には過去のシリーズ作品の内容に直接関係あるものもあり、コアなシリーズファンほど、頬のニヤケが止まらなくなるだろう。
峯義孝の物語をさっくり体験

確かなグレードアップを感じた『龍が如く極3』のあとは、本作におけるもう一つの目玉『Dark Ties』をプレイすることになった。物語の時系列としては『龍が如く極3』より昔となる。リメイク前や『龍が如くONLINE』をプレイ済みの方は、峯義孝編から始めてみても楽しめるだろう。そうして試遊は、峯を操作しての戦闘からスタート。
彼の戦闘スタイルはボクシングをベースにしたスタイリッシュかつスピーディな内容となっているが、攻撃を重ねることでストックされる「闇ハート」を消費することにより、「闇覚醒」という強化モードになることができる。秘められた狂気を解放し、通常時とはまったく異なるアクションで暴れまわる。端的に言えば、「殺意マシマシ」になる。敵を地面ですり下ろしたり、人間をミンチにするのかという勢いで殴打を浴びせる大技などを駆使したりし、文字通り戦場を蹂躙する。冷静さと狂気という、峯が持つ2面性を分かりやすく表現する内容に仕上がっている。もちろん、『龍が如く3』にて敵として使ってきたコンビネーション攻撃も使用可能。桐生編との差別化も十分すぎるほど感じられた。

戦闘を経て、場面は錦山組二代目代行と談合するシーンに移る。堂島大吾と面会したが何も得るものがなく、ひとまず自分を助けてくれた神田強を兄貴分として担ぐことに決めた場面である。すなわち、錦山組二代目代行「碇新平」のお披露目タイムということだ。もともと彼は『龍が如く ONLINE』にて登場したものの、今回あらためてキャラクターが描き起こされたという経緯を持つ。担当キャストは松田賢二氏。『龍が如く8外伝 Pirates in Hawaii』にてジェイソン・リッチを演じていた。
筆者の抱いた印象は「嫌な上司」や「狂気的」といった人間性のいち側面を感じるものではなく、ひたすらな嫌悪感。何を考えているのかよくわからず、突然笑うので気味が悪い。本当に近寄りたくない。「絶対的な絆」を求めて組に入ってみれば、かたや「人間のクズ」、かたや「悪魔みたいな人間」のもとに仕えることとなった峯義孝の心中たるや。堂島大吾に惚れ込むのも当然である。

峯も苦労しているんだなぁとしみじみ思ったあとは、サイドアクティビティに移る。『Dark Ties』には体験のメインとなるストーリーのほか、サイドアクティビティも豊富に用意されている。そのうちの1つが「神田カリスマプロジェクト」だ。内容は簡単なタスク処理(特定のアクティビティをこなす、など)ではあるが、「人助けをして神田のイメージ向上」というコンセプトが面白い。人間のクズである神田を持ち上げたところで頭の上にはホコリしか落ちてこないが、それでもやるのが組織運営というものである。ある程度タスクを進めるとカリスマランクが上昇。「絆ドラマ」が順次発生する。今回の試遊では、日頃のお礼として、神田が性風俗店に連れて行ってくれた(案の定、峯はまったく興味を持たず、こっそり退店していたが)。この他にもカラオケやボーリングなどに向かうと、付き添いとして神田を呼び出すことが可能。兄貴分として見栄を張りつつ、側ではしゃいでくれる。
こなすべきタスクの中にはサブストーリー形式のような「善行クエスト」も存在する。ちょっとした小話を通じて、峯義孝というキャラクターの深堀りが成される。彼は外道で悪人ではあるものの、悪党ではない。そして、人生に妥協しない桐生とは対象的に、人間不信を通じて人生に妥協を重ね、そのことに深い後悔を覚えている人物でもある。普段まっすぐに相手を視界に捉える桐生とはまた違った、捻れ曲がってしまった峯義孝の視点を通じて描かれる物語は、シリアスな魅力があり興味深い。

また、戦闘を楽しめる「ヘルズ・アリーナ」というアクティビティも用意されている。単純に、制限時間内で敵との連闘を行う「ヘル・ファイト」というモードも用意されているが、今回プレイしたのはローグライトな戦闘が楽しめる「サバイバル・ヘル」だ。ダンジョンの中でハンターたちの猛攻を掻い潜り、最後に待ち受けるボスを倒すことを目指すコンテンツである。筆者としては『龍が如く8』におけるダンジョン攻略を思い出すが、内容はまったく異なっている。
基本的なゲームフローとしては、ダンジョン内を散策してアイテムを回収、アイテムを使用するか保持するかを適宜判断しながら、ボスを倒してダンジョンを踏破するという内容だ。使わなかったアイテムは次の探索に持ち越すことができる。アイテムの中にはその場限りの新アクションが使用できるサバイバルウェポンであったり、金を払うことで共に戦ってくれる「傭兵」などがある。今回体験したのは「チュートリアル」的な段階であったゆえに、ステータスアップアイテムを取っていくだけで順当に攻略できたが、高難易度になれば、プレイヤーの判断力が明確に問われることになるだろう。

試遊体験は以上となる。「常に今プレイして面白いものを作り、必要なことはすべてやる」を標榜してきた龍が如くスタジオではあるが、『龍が如く 極3 / 龍が如く3外伝 Dark Ties』でもその志は一切ブレることなく、作品に反映されていることが確認できた。今作もまた、「体裁を整え、ファン向けに追加要素を入れたゲーム」ではない。多数の新コンテンツという新しい語り口を通して、いま語り直すにふさわしい物語体験になっているという印象だ。『龍が如く』シリーズは発売から20周年を迎えたが、この作品に触れた限り、20周年とは一端立ち止まる休憩地点ではなく、通過点でしかない、という勢いを感じる。発売日が待ち遠しい限りである。
『龍が如く 極3 / 龍が如く3外伝 Dark Ties』は2026年2月12日に発売予定だ。また、本作の体験版が、近日中に配信予定である。
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