『PSO2 ニュージェネシス ver.2』オフラインイベント取材レポート。「アークスフレンドシップキャラバン」大阪会場は本格的な寒さに負けない、距離感が近くあたたかな催しだった

『PSO2 ニュージェネシス ver.2』のコミュニティイベント「アークスフレンドシップキャラバン」が12月7日、大阪でおこなわれた。本稿では、そのイベントの様子をお届けする。

セガは12月7日、『PSO2 ニュージェネシス ver.2(NGS ver.2)』のコミュニティイベント「アークスフレンドシップキャラバン」を大阪会場にて開催した。当日は会場内にて、公式特別大会やちょっとしたステージイベントなどが実施。冬らしい寒さになりつつある中、距離感の近い穏やかな催しがおこなわれていた。今回はそんなイベントの様子を少し覗いてきたので、当日の雰囲気などをお伝えしよう。

『NGS ver.2』は、国内向けにはセガからPlayStation 4/Nintendo Switch/PC向けに基本プレイ無料で配信中のオンラインRPGだ。同作は、2012年に『ファンタシースターオンライン2』としてサービス開始された。2021年には、ゲームシステム一新を含む超大型アップデートが配信され、『PSO2 ニュージェネシス』へ改題。2023年6月の大型アップデート後は、ver.2となっている。

「アークスフレンドシップキャラバン」は、プレイヤーの交流のためなどとして開かれる、『NGS ver.2』の抽選制コミュニティイベントである。12月7日の大阪会場を皮切りに、全国5箇所のeスポーツ施設などにて開催予定。各会場ではMCとして声優・舞台俳優の長谷川唯さんやナレーターの郡正夫さんが出演し、イベント参加者用のコミュニケーションエリアや2種目による公式特別大会などがおこなわれる。『NGS ver.2』のプレイヤーへ向けたオフラインイベントであるわけだ。

12月7日の「アークスフレンドシップキャラバン in 大阪会場」は、なんばパークス1階にある「eスタジアム なんば本店」にておこなわれた。同店は、地下鉄・御堂筋線なんば駅や南海電鉄なんば駅から歩いて10分程度の場所にある、eスポーツ施設である。

当日店内ではメインの大会やステージイベント以外に、オリジナルグッズの販売やコースター付きコラボドリンクの販売、設定画の展示なども実施。ノベルティとして「ラインストライク」リアルカード5種セットや所属シップを提示できる「アークスカード」の配布もされていた。また「アークス調査報告」では、メインクラスの使用率やレートバトルデッキ勝率ランキングなどが、シリーズディレクターの濱崎氏から紹介されていたという。

筆者が訪れた16時前には、小さめの会場内におおよそ50人ほどのアークス(プレイヤー)たちが集結。ステージエリアで長谷川唯さんによるトークが展開される中、予選エリアでは「ラインストライク」の予選Cグループが進行していた。

「ラインストライク」とは、2024年7月に実装されたばかりの『NGS ver.2』内で遊べる対戦型カードゲームである。予選は、3グループに分かれたスイスドロー形式となっており、各グループ1位と、各グループ2位の中からプレーオフを勝ち上がった追加1名が準決勝へ進出する形となっていた。

予選Cグループにおいては、若そうなプレイヤーからベテランゲーマーまで、幅広い年齢層のプレイヤーが勝利を目指していた。プレイ中も、真剣な眼差しでゲームパッドを握っていたり、笑いながら悩む仕草を見せていたりなどさまざま。デッキ構築タイムも含めて静かに進められていたものの、緊張しているプレイヤーから会場の空気を楽しんでいるプレイヤーまで、それぞれの大会があったことだろう。

予選Cグループの結果としては、参加者の中でも経験豊富そうな「ネコと金髪」選手が1位となり、準決勝への参加権利を手にしていた。なお手元に視線を移してみると、マウス+キーボード派は少なく、ゲームパッドを使用しているプレイヤーが多数。「ラインストライク」全体では女性プレイヤーの姿も数人見受けられた。

開発の想定を超えたタイムアタック

ラインストライク予選のあとには、ステージエリアでタイムアタック「特別演習:短時エネミー殲滅訓練」の準決勝・決勝がおこなわれた。同タイムアタックは、「アークスフレンドシップキャラバン」特別大会用のクエスト。ステージへ順に出現するグラティガル、ルイノ・ラグネ、ヘルジーグの3体を倒すとクリアになる。2人1組での参加となっており、細かなギミックなどはないため、決まった装備やキャラクターで純粋に倒す速さが競われた。当日の実況・解説によると、準決勝へ勝ち残った4チーム中、予選2位のゼブラから予選4位のらふろいぐまで、3チームが1秒差の接戦だったという。クラス構成としては、予選1位の「THE・サポーターズ」はレンジャーとテクター、予選2位の「ゼブラ」はテクターとバウンサー。さらに予選3位の「†自信ない†」はフォースが入るなど、それぞれ個性が見られる構成であった。

なおタイムアタックにおける開発チームの事前予想では、使用クラスはレンジャーとテクターが多く、テクターがより多い想定だったが、実際にはレンジャーが最も多かったのだという。クラス関連では、先日調整が入ったものの、本格的にフォースが採用されたことは予想外とのこと。参加者の構成がそれぞれバラバラであった点も、開発チームとしては珍しかったそうだ。

準決勝の試合が始まると、真剣な面持ちの4チーム8名によって、3体のボスが瞬く間に倒されていった。チームごとにクラス構成が違うため、それぞれ戦術や動作は異なるものの、いずれのチームも練度の高い正確な動きでボスを手早く削っていく。中でも予選1位の「THE・サポーターズ」は、別格の動きを見せていた。レンジャーが開幕のチャージした一撃から遠距離レーザーで最初のボスを削り切り、あっさり次のルイノ・ラグネも倒すと、3体目のヘルジーグは距離を取りつつダウン状態から一気に撃破。決勝のクリアタイムは2分2秒。開発チームのクリア想定タイム2分30秒を大きく上回る見ごたえのある走りで、見事優勝を成し遂げていた。

その後には「ラインストライク」大会の準決勝・決勝が実施。欠員が出たために急遽参戦した実況の郡正夫さんが準決勝に勝ち残っており、長谷川唯さんが実況代行を務めたり、公式特別大会「RED° TOKYO CUP」優勝者の「ドールズ石井」選手が公式大会連勝を成し遂げたりなど、引き続き見ごたえのあるイベントになっていたようだ。

近さゆえに生まれる交流

本イベントでは、物理的な距離感の近さが印象深かった。「eスタジアム なんば本店」は、オフラインイベントの会場として決して大きくはない。当日はそんな中でステージと予選がおこなわれ、「ラインストライク」のフリー対戦台や交流スペース、落書きエリア、フォトスポットなども設けられていた。ステージコーナーにおいても、小さなスペースをステージにしていたため参加者と登壇者の位置は近く、スタッフや機材も見える範囲にあった。小さな店舗内に当日の催し物が詰め込まれていたため、参加者と関係者の距離感が物理的に近かったわけだ。

またステージイベント内では、MCの長谷川唯さんへの質問コーナーも実施。好きな種族やBGMなど、参加者やスタッフからの個人的な質問に回答していた。前述のとおり、実況の郡正夫さんは自ら大会へ参加していたほか、プレイヤー間では待ち合わせ掲示板を使った、ゲーム内での打ち上げ会場の共有もおこなわれていたという。本イベントでは、小規模な会場ならではの物理的な距離の近さや、和やかな雰囲気による交流がおこなわれていたのだ。本格的な冬の寒さが訪れつつある中、現役のアークスなら温かく過ごせたことだろう。

『NGS ver.2』は、基本プレイ無料でPS4/Nintendo Switch/PC向けに配信中だ。また「アークスフレンドシップキャラバン」は名古屋会場、福岡会場、仙台会場、東京会場でも実施予定。1月12日開催となる福岡会場以降は、参加エントリーが受付中である。

Keiichi Yokoyama
Keiichi Yokoyama

なんでもやる雑食ゲーマー。作家性のある作品が好き。AUTOMATONでは国内インディーなどを担当します。

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