MSX turboRの魂を現代に蘇らせるRPG『LOST WORD』プレイレポート

「デジゲー博2016」では往年の8bitや16bitのようなピクセルアートデザインの作品が多数出展されていた。大抵はPCやタブレットにて起動されているのだが、その中でも年季の入ったマシンとアナログのディスプレイによって起動されている異様な雰囲気のピクセルアートの作品がひとつあった。

「デジゲー博2016」では往年の8bitや16bitのようなピクセルアートデザインの作品が多数出展されていた。大抵はPCやタブレットにて起動されているのだが、その中でも年季の入ったマシンとアナログのディスプレイによって起動されている異様な雰囲気のピクセルアートの作品がひとつあった。それが「MSX turboR」で起動していた作品『LOST WORD』である。今回は極端なくらいに往年の空気を現代に持ち込んだ本作のプレイレポートをお届けする。

『LOST WORD』はRPGをベースにタイピングゲームや音楽ゲーム的なゲームデザインが含まれた作品だ。格子状のマップには一マスごとにカードが裏返しにされて隠されており、操作キャラクターに隣接するカードをめくりながら先に進んでいく。制作者にお話を伺ったところ、このデザインは1988年に発売された翔企画の『モンスターメーカー』に影響を受けており、「世界は闇に包まれているため、それを切り開いていく」という設定を生かしているという。

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探索の途中で敵にエンカウントすると戦闘になる。戦闘はタイピングゲームや音楽ゲームが混ざり合ったようなデザインだ。上から流れてくるエフェクトを見て、タイミングよく下に表示されている文字をタイピングすることで敵への攻撃が可能になる。今回の試遊では戦闘の駆け引きまでは実装されておらず、どんな風に操作するのかまでを確認する形だった。

さまざまなジャンルがごった煮になったデザインはもちろんだが、最大の特徴は徹底してMSX turboRでゲームを作り上げようとする情熱である。レトロスタイルのピクセルアートの作品は数多くリリースされているが、当時のパソコンやコンソールでしか実現できないスペックによる制限までも再現するケースは実はあまり多くない。『LOST WORD』はMSX turboRでしか実現できない質感を表現しようとする情熱がなによりも印象深かった。

Hajime Kasai
Hajime Kasai

ブログ「GAME SCOPE SIZE」を運営。その他のメディアにも寄稿しています。

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