『鳴潮』KURO FESTの音楽ライブがとてもよかった。ど迫力生演奏と生歌唱クオリティ、特に「彼岸のレクイエム」がよし

中国・広州にて8月9日・10日に開催されたKURO GAMESによるオフラインイベント「KURO FEST」の、『鳴潮』ライブステージレポートをお届け。

中国・広州の広交会展館D区にて8月9日・10日、KURO GAMESによるオフラインイベント「KURO FEST(クロフェス)」が開催された。当日の会場では、KURO GAMESの手掛ける『鳴潮』と『パニシング:グレイレイヴン』に関するさまざまな展示やステージイベントなどが行われた(関連記事)。今回はそんなイベントに参加する機会をいただいたため、写真を交えながら当日の雰囲気をお伝えしたい。なお、この記事では『鳴潮』の楽曲が披露されたライブステージの感想をお届けする。

単独イベントで成立しそうなライブの圧倒的なボリューム

『鳴潮』は、オープンワールドのアクションRPGだ。基本プレイ無料タイトルとして2024年にサービスが開始され、継続的なバージョンアップによってメインストーリーやプレイアブルキャラクターなどが追加されてきた。『鳴潮』の魅力の1つとして、質の高い楽曲の数々が挙げられるだろう。メインストーリーの重大な場面で流れる楽曲はキャラクターの心情を丁寧に表現しており、プレイしたあとも記憶に残り続ける。

筆者も『鳴潮』の楽曲を普段から聴いているため、今回のライブステージは絶対に参加したいと考えていた。しかし、それは中国のファンも同じだったようだ。できる限りいい場所でライブステージを楽しめるように開演30分前に待機列へと並んだが、そこにはすでに黒山の人だかりが。正確な収容人数はわからないが、参戦者は数百人を超えていたことは間違いない。私の後ろにも長蛇の列が続いていたので、もしかしたら最終的には1000人規模になっていたかもしれない。

入場時にもらったプログラムによると、『鳴潮』のライブステージではなんと19もの楽曲が披露されるらしい。単独のコンサートならまだしも、ゲームイベントのライブパフォーマンスでここまで数多くの楽曲を聴けるなんて、はるばる日本から来た甲斐があったというものだ。

KURO FESTにおける『鳴潮』ライブステージで披露された楽曲は以下のとおり。

  1. 「Saving Light」
  2. 「Waking of a World」
  3. 「Daybreak Descends」
  4. 「Astrum Unicum / Stars, Rebirth, and You」
  5. 「千万の夢模様」
  6. 「昼夢グランドフィースト」
  7. 「Dancing Through Fantasies」
  8. 「Daisy Crown」
  9. 「沈む幻海」
  10. 「自由気儘な魂が誇る愚者の王(自任)(但し天命のキャプテン)」
  11. 「未完成の歌」
  12. 「EVERFLOW」
  13. 「退勤?」
  14. 「Lulala! Lululala!」
  15. 「RUNNING FOR YOUR LIFE」
  16. 「Ode to the Nameless Martyr」
  17. 「彼岸のレクイエム」
  18. 「With Glory I Shall Fall」
  19. 「Against the Tide(潮汐に逆らって)」

言語の壁を超える感動がそこに

『鳴潮』はゲーム内の楽曲を、「EP」と称してYouTubeなどで公開している。ライブ第1曲目の「Saving Light」は、本作のリリース前のPVで披露された楽曲だ。キャラクターたちが荒廃した都市を探索してモンスターと戦うポストアポカリプスものの雰囲気を彩る、寂しげながらもスタイリッシュな部分が際立つ楽曲となっている。「Saving Light」インストゥルメンタル版はログイン画面のBGMにも使用されているので、筆者は毎日プレイする度にこの曲を聴いている。その「Saving Light」をボーカル付きで、しかも音響設備の整った会場で聴くことができたのは幸せだった。

今回のライブステージで演奏される楽曲は、原則的に中国語版の楽曲だ。日本語版の楽曲しか知らない筆者は中国語版の楽曲を楽しめるか不安だったが、それは杞憂にすぎなかった。言語は違えども、生歌のボーカル付きで楽曲を味わっているとゲームの記憶が次から次へとよみがえってくる。「Daybreak Descends」は今州でのストーリーが佳境を迎える第1章7幕「春雷明かす乗霄の暗雲」のテーマ曲だったこともあり、中国語の楽曲を聴いていても今汐(コンシ)と一緒に戦った日々が懐かしくも鮮烈に思い出された。

作中のムービーをモニターに流す仕組みには、プレイヤーが旅の記憶を思い出すことを促すKURO GAMESなりの気遣いが感じられた。名シーンとシンクロする形で生演奏の楽曲を聴けることの、なんとありがたいことか。

『鳴潮』のVer2.0以降はリナシータを冒険の舞台としているが、そちらの楽曲も当然数多く演奏された。キャラクターをフィーチャーした楽曲の数々が流れると、そのキャラクターのファンは音楽に合わせてサイリウムを振っていく。どの楽曲も盛り上がったが、ザンニーをフィーチャーしたアップテンポな曲調の「退勤?」はサイリウムがもっとも多く振られた楽曲だったように思う。

なお、サイリウムは来場時に1人1本が配られている。そのほかにもライブを座って視聴できるようにする組み立て式の椅子なども配布されており、KURO GAMESにとってもライブステージはかなり力の入ったものだったようだ。ライブステージをより楽しく体験するための、ありがたい心遣いだった。

推しキャラの楽曲はまさかの日本語も?

1時間以上のライブはあっという間に過ぎ去っていく。生演奏と生歌の迫力に驚嘆しつつも、モニターに流れる映像によってゲームをプレイしたときの記憶がフラッシュバックのように頭に広がる。こうしていると、自分が日本を離れて外国に来ていることを忘れてしまう。外国にいるというよりむしろ、『鳴潮』の世界にいるといった方が正しい。毎日『鳴潮』をプレイしているからこその居心地がいい感覚だ。この瞬間が永遠に続いてほしいとさえ思う。

そうしたライブステージのなかで、筆者のもっとも心に残った楽曲は「彼岸のレクイエム」だった。「彼岸のレクイエム」はVer2.5で登場した楽曲で、同バージョンでプレイアブルになったフローヴァをフィーチャーしたものだ。筆者はVer2.5のストーリーで活躍したフローヴァに心を奪われており、「彼岸のレクイエム」も聴き込んで中国現地入りした。その楽曲をライブステージで聴くことができたのは幸せというほかない。

しかも、ライブステージは中国語版の楽曲が使われるはずだが、筆者の白昼夢でなければ「彼岸のレクイエム」は日本語版の歌詞が歌われていた……と思う。自分で聴いたはずなのに断言できないのは、そもそも筆者はフローヴァに脳をやられてしまっているため、当時自分が正常でなかった可能性を否定できないからだ。いずれにせよ、「彼岸のレクイエム」はフローヴァの美しさ、強さ、そして切なさに満ちた名曲だった。

「彼岸のレクイエム」で感極まった筆者は、この楽曲を聴いたあとは微動だにできなかった。不覚にも少し泣きそうになってしまったのだ。涙をこらえている筆者を体調が悪いのかを心配してくれたのか、隣に座っていたファンが心配してくれた。感動しただけで体調は大丈夫だと伝えると、そのファンは「フローヴァのストーリーは良かったよね」と慰めてくれた。その一言で満たされた気持ちになり、このライブステージに参加してよかったと心の底から思った。

総評

ライブステージは『鳴潮』のファンが楽しめる最高のステージイベントだった。数々の名シーンと一緒に流れる楽曲の数々が生演奏によって奏でられ、プレイヤーが旅した経験を呼び覚ます。漂泊者たちが集う会場の雰囲気は熱気に満ちていながらも、お互いを尊重する優しい雰囲気でもあった。ライブステージを含むKURO FESTは、『鳴潮』プレイヤーにとっての聖地であり故郷といえるのかもしれない。今回が初開催となったKURO FESTだが、いつか第2回も開催してほしいし、そこから第3回、第4回、そして定期的に続いていってほしいと、『鳴潮』の1人のファンとして強く望む。

鳴潮』は、PS5/iOS/Android/PC(Windows/Steam/Epic Gamesストア)向けに基本プレイ無料で配信中だ。2025年8月28日には最新アップデートとなるVer2.6が配信される。

Ryuichi Kataoka
Ryuichi Kataoka

「ドラゴンクエストIII」でゲームに魅了されました。それ以来ずっとRPGを好んでいますが、おもしろそうなタイトルはジャンルを問わずにプレイします。

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