基本プレイ無料アクションRPG『KRITIKA:ZERO』は、「苦行を減らし」現代向けに最適化。魔改造のリブート作に

『KRITIKA:ZERO』は、2024年7月18日にサービスを開始したアクションRPGだ。本作の一部を先行してプレイする機会に恵まれた。本稿では作品の内容を紹介していく。

KRITIKA:ZERO』は、2024年7月18日にサービスを開始したアクションRPGだ。対応プラットフォームはPCで、基本プレイは無料。ベースとなっているのは2013年から2019年にかけて運営された『KRITIKA』で、アジア圏を中心に多くの国でプレイされていた。今回リブートにあたって、キャラクター育成面は大幅に改良。成長ツリーとなる征服システムや素材周回用ダンジョンの実装、スキルのレベルアップ内容がよりダイナミックになるなど、さまざまなテコ入れがなされている。ほかにも操作面でのゲームパッドへの最適化など、プレイ面での改善点も盛り込まれている。

本作の開発をしているのは韓国に拠点を置くVALOFE。日本でのローカライズおよびパブリッシングは、VALOFEのグループ会社でありポータルサイトPmangの運営を行っている株式会社G・O・Pが担当している。二社は2024年5月からPC/iOS/Android向けに『ラストオリジン』の運営・開発も引き継いでいる。

このたびは株式会社G・O・Pを通して、本作の一部を先行してプレイする機会に恵まれた。本稿では作品の内容を紹介していく。なお、本稿にて使用した画像および映像については開発中のものとなっている。正式サービス開始時の仕様とは異なる場合があることは留意されたい。


コンボが生み出す爽快感

本作には大剣を振るう戦士、弓矢を使う狩人、魔法や道具を駆使する「魔法少女」など、多くのクラスが存在。その中で今回、筆者が体験することができたのは魔剣銃士だ。その名の通り近距離での剣による連続攻撃と、銃による遠距離アクションを組み合わせるクラスとなっている。高い機動力からくる回避力や、距離に関係なくダメージが出せる強みがあるものの、その反面防御力は低い。さらに、ダメージは近距離の方が高く、銃はあくまで補助。敵との距離を詰めつつ、いかに危険な時に離脱できるかが重要なクラスだ。

基本となるゲームシステムは、ステージと難易度を選び、出てくる敵を全て倒すと先に進めるという単純明快なもの。ステージには多くの雑魚敵が現れ、それらを倒しきると最後にはボスが待ち受けている。今回はレベル60の高レベルキャラが使用できたため、さっそく高難易度ステージに挑戦をさせていただいた。

 


アクションはメイン攻撃、サブ攻撃、ジャンプ、緊急回避の四つ。魔剣銃士の場合はそれぞれメイン攻撃が剣、サブ攻撃が銃となる。攻撃を使う順番によって、さまざまな派生コンボが可能だ。剣による基本コンボを中断して銃を撃ちつつ飛び退いたり、空中に回避しつつ銃を乱射するなど、状況に応じた使い分けが求められる。

また、基本的な攻撃以外にもMPを消費して使用できるスキルがある。魔剣銃士は天から無数の剣を振らせたり、一直線に貫通する弾を撃つ攻撃スキルや、瞬間移動をしつつ軽く攻撃もする移動系のスキルを持っていた。スキルはクールダウン時間があるため連続使用はできない。一方でMPは敵に攻撃を与えると一定量回復するため、クールダウン時間さえ待てば実質スキルは使いたい放題。プレイ中はガンガン使うことができたため、いつスキルを切るか頭を悩ませる場面はなかった。

道中の敵はそれほど強くなく、攻撃をしてしまえばよろける。攻められる前に攻めてしまえばこっちのものだ。しかし、背後を取られたり、遠距離から攻撃されると、手痛いダメージをもらってしまう。これも魔剣銃士の脆さゆえなのだろう。回復や復活の手段が限られていると気付いた頃には遅く、一度ステージ失敗となってしまった。

再び同じステージに挑み、今度は周囲の敵を怯ませ続ける戦法を取ってみる。一部の敵には集中して攻撃を当てつつ、銃の掃射で円心状に攻撃をばらまくことで安全に敵を倒していく方法だ。このプレイスタイルは安全だったものの、移動が多く範囲攻撃スキルが多い魔剣銃士とは噛み合いが悪かったのだ。

そこで、次は機動力を活かして敵を上手く一方向に集めてみた。敵をまとめて攻撃してのけぞらせ続ければ、敵は滞空するサンドバックというわけだ。上手くまとめたあとは敵を自分と壁の間に誘導をし、取りこぼさないように延々とコンボをし続けた。この戦法は効率がいいうえに、ひたすら雑魚敵をボコボコにできる気持ちのいいものだった。

一方で、ボス戦では苦戦を強いられる場面もあった。強力な攻撃をしかけてくる直前など、ボスには攻撃を受けてものけぞらないタイミングが存在する。前述のような永久コンボは使えないのだ。そのため、ボス戦では敵の動きを見極めて回避をしつつ、攻撃でのけぞったタイミングでダメージを出す必要がある。筆者が戦った人型のボスは、ダウン後の復帰時に大ダメージのカウンター技を出してきたり、突進して連撃を繰り出したりしていた。雑魚敵を壁に打ち付け続ける成功体験に目が曇り、このパターンに気付くまで何度も再挑戦をしていた。攻撃を見切ったあとにはこちらのコンボが入るため、爽快感は健在ながらより緊張感のある戦闘だ。

現代に合わせた数々の改良点

冒頭でも述べた通り、本作は現代で再リリースするにあたってゲームパッドの最適化を行っているとのことだ。実際にキーボードと操作感を比較してみたところ、2デバイス間で違和感はなかった。画面下部にはゲームパッドのトリガー用のUIが用意され、スキルのボタン割り当てが分かりやすいものとなっていた。プレイヤーがどれほど最適化の恩恵を受けているのか、先行プレイだけでは分かりづらい点もあった。だが、少なくともゲームパッドでのプレイに支障はなさそうだ。

また、以前のシリーズ作品ではキャラの育成がやや味気なく、開発スタッフいわく「苦行に近い部分もあった」のだそうだ。そこで今作ではプレイヤーの負担を減らしつつ、よりキャラの強化が楽しめる改修が加えられたとのこと。以前はスキルのレベルを上げてもダメージ上昇しか恩恵が得られなかったものの、本作では攻撃範囲やモーション、追加効果などが得られるようになった。また、キャラクターのステータス強化を自由に行える征服システムや、育成補助の素材周回用のダンジョンが実装。より気軽にキャラクター育成が楽しめるようになったとのことだ。

 

現時点における筆者のインプレッションとしては、無料でサクサク遊べる良質のアクションという印象を受けた。キャラクター造形は綺麗で、エフェクトも派手。スキルが多いおかげでアクションは単調にならず、ボス戦はそこそこ緊張感がある。総じてカジュアルに遊べるゲームとして申し分ない出来のように感じられた。今回先行プレイで体験できたのはソロコンテンツのみだが、本作はパーティを組んでの協力プレイやPvPのモードも実装されている。こちらもぜひリリース時にプレイして体験してみたいものだ。

KRITIKA:ZERO』はPC(Pmang/DMM GAMES/Steam)にて配信中。

Rikuya Melichar
Rikuya Melichar

ゲームだいすき。独特の世界観や没入感があるゲームが好きで、気付いたら流行りのゲームを尻目にずっと遊んでたりします。

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