あの剣と変身の冒険を再び。『モンスターワールド』シリーズの系譜継ぐ『Monster Boy And The Cursed Kingdom』プレイレポート

今回は東京ゲームショウ2016にてプレイすることができた『Monster Boy And The Cursed Kingdom』(以下、『Monster Boy』 )のプレイレポートをお届けする。本作は東京ゲームショウ2016へは公式に出展しておらず、本来ならばプレイすることはできなかったのだが、編集部がインディーブースを回っている中で偶然本作のパブリッシャーFDG Entertainmentの共同創設者Philipp Doschl氏(以下、Doschl氏)と出会い、会話するなかで意気投合。なんとDoschl氏が所持していたノートパソコンに入っているデモをプレイさせていただくことになった。

『Monster Boy』はジャンプと剣術を駆使する2DアクションRPGである。フランスのデベロッパーのGame Atelierが開発を担当しており、かつてセガのアーケードやコンソールでリリースされた『ワンダーボーイ』『モンスターワールド』シリーズの流れを汲む20年ぶりの新作となる。コンポーザーには古代祐三氏や桜庭統氏をはじめ豪華メンバーが名を連ね、極め付けにはオリジナルのシリーズを作ってきたクリエイター西澤龍一氏も参加する

もともと『Monster Boy』は『Flying Hamster II』というまったく別のタイトル名で開発が進められており、『モンスターワールド』シリーズをリスペクトした基本的なゲームデザインはその時点で固まっていた。Kickstarterにてプロジェクトを公開し資金を募っていたところ、それを見た先述のFDG Entertainmentがパブリッシャーとして登場。Kickstarterを打ち切り、急きょタイトルとキャラデザインを変更し、過去をリスペクトしたゲームから一転『ワンダーボーイ』『モンスターワールド』シリーズの正式な続編という展開になったという。

monster-boy002
デモがスタートするとなんと日本語の歌によるオープニングが流れる。

基本的なゲームデザインはシンプルなもので、剣をふるって敵を倒し、お金を集めてアイテムを買い、先に進んでいく。ステージ上のお店で重要なアイテムが売っており、買って装備することでこれまで行けなかった場所にいけるようになる。そのほかに人間の姿からブタやヘビといった様々な動物の姿に変わって先に進むことにもなる。それぞれの動物は特殊な能力を持っており、それを生かしてステージをクリアしていく。

monster-boy003

今回は人間の姿で基本的なアクション要素を体験させてもらった。まず剣での攻撃で敵のカニを倒していき、お金を集めていく。攻撃にはジャンプと組み合わせて相手を串刺しにしてしまう技もあり、シンプルな操作ながら細やかなアクションができる。しばらくすると目の前に深い海があり行き止まりになってしまうのだが、近くにあるお店で海の底にまで行ける「ヘビーブーツ」が売っており、購入することで先に進むことが出来た。

その先にはボスの巨大なイカとの戦いが待っていた。足を狙って攻撃することでボスの体力を削ることができるのだが、ザコ敵が周りからどんどん現れ簡単には攻撃できない。自分の体力が削られ続けるも、負けるギリギリのところで勝つことができた。

ボスの巨大なイカとの戦い。敵の攻撃で自キャラが手前までふっとばされてカメラにはりつく、コミカルかつダイナミックな演出もある
ボスの巨大なイカとの戦い。敵の攻撃で自キャラが手前までふっとばされてカメラにはりつく、コミカルかつダイナミックな演出もある

基本的な動作がわかったところで、なんと次はブタに変身してしまう。この姿では剣が使えなくなってしまうのだが、代わりに大きな鼻で周囲の匂いを嗅ぎまわることができるようになり、ステージ上に隠れたドアやアイテムなどを見つけ出すことが可能となる。敵との戦いを避けながら隠れたドアを探すという、人間の姿とはまったく違ったゲームプレイが印象深い。

monster-boy005

その後はさまざまな動物に変身してからの展開をDoschl氏自身が実際にゲームをプレイしながら説明してくれた。カエルのパートでは氷の剣を装備しているところからスタート。流れる滝を斬りつけると凍らせて足場にするギミックがあるほかに、舌をグラップリングフックのように使い難所を超える要素も存在。舌を伸ばしてステージに配置されたフックに引っ掛け、振り子のように動いて遠くまでジャンプしたり、高くまで飛んだりすることができる。また、フックのついた床を動かして新たな足場にするなど、人間形態の時とは違ったダイナミックなアクションが魅力となっていた。その他にも変身できる動物はいくつか用意されており、要所要所で変身していくことで、これまで行けなかった場所へ行けるようになるデザインだとDoschl氏は説明してくれた。

Doschl氏によれば、本作は「懐かしさと新しさをミックスした作品にしていく」という。『Monster Boy』は来年2017年の発売を目指して開発しているとのことだ。

Hajime Kasai
Hajime Kasai

ブログ「GAME SCOPE SIZE」を運営。その他のメディアにも寄稿しています。

記事本文: 46