巨大な機械生物たちの脅威にたったひとりで挑む。TGS2016『Horizon Zero Dawn』プレイレポート
国内での発売日が2017年3月2日に決定したオープンワールドアクションRPG『Horizon Zero Dawn』。東京ゲームショウ2016では試遊台が出展され、15分間にわたり一通りのアクションを体験することができた。編集部では朝一番に整理券を受け取って列に並んだのだが、プレイまでにおよそ1時間半も待つほどの行列が出来るなど、ファンからも高い注目を集めている作品だ。今回はそのプレイレポートをお届けする。
『Horizon Zero Dawn』は、かつて『Killzone』シリーズを開発してきたGuerrilla Gamesが完全新規IPとしてPS4向けに制作を進めているオープンワールドアクションゲーム。プレイヤーは熟練の女性ハンター「アーロイ」となり、自然と機械が融合する不思議な世界を探索しつつ、1000年前に人類文明が崩壊した理由や機械生物の出生の秘密を追う。今回のデモでは限られたエリアを探索することができ、いくつかの目標がプレイヤーに与えられていた。目標をクリアしていくことで、ゲームデザインをひととおり理解できるようだ。
プレイヤーが操作する主人公アーロイの立つスタート地点は、木々や岩場の多い自然の中だ。見渡してみるとさまざまな機械生物が生息しており、近くの岩場から地表へはジップラインが張られている。×ボタンでジャンプしてジップラインを滑り降り少し走ると、常に獲物を探している機械生物の「ウォッチャー」に見つかってしまい、そのまま真正面からの戦闘になってしまった。あせって□ボタンや○ボタンをつい連打してしまったがこれは攻撃ボタンではなかった。本作ではR1/R2に近接での通常攻撃と強攻撃が割り振られており、『ダークソウル』シリーズのアクションキーコンフィグに少し近い。
比較的に弱いタイプの機械生物でも、発見されてから真正面で殴り合おうとすると苦戦してしまう。こちらの攻撃では相手は簡単に倒れず、逆にみるみるうちにアーロイの体力が削られていってしまう。ここで冒頭に提示されていた目標に「ウォッチャーにサイレント攻撃をする」という項目があったことを思い出し、すぐさま○ボタンでローリングで回避し距離をおく。□ボタンでしゃがみ、草むらの中に隠れる。
すると敵はきょろきょろとこちらの足取りを探るが、だんだんと見失っていく。その隙を見て死角に回り込む。慎重に忍び寄り、△ボタンを押すとアーロイの一撃が急所を貫いた。崩れ落ちた ウォッチャーからは、いくつかのアイテムを手に入れることができた。
続けて何回か機械生物との戦いに苦戦すると、真正面からの戦闘は死に直結することがわかってくる。ではどうすればいいのか。有効な戦法の1つが、敵の攻撃の届かない距離から足止めをする戦い方だ。そこで出番になるのが「ロープキャスター」である。これは2015年のE3でのプレイ映像でも登場し、『Horizon Zero Dawn』ならではの戦闘シーンを印象付けた武器のひとつ。敵に撃ち込むと地面からロープが張られ、敵の行動を抑制することができるのだ。さらに何本か打ち込むと相手が崩れ落ち、地面に縛り付けることで攻撃のチャンスができる。
ふと前を見ると、大きな水牛のような機械生物「ブロートヘッド」が歩いている。。L1ボタンを押しっぱなしにしてサブウェポンのサークルを開き、ロープキャスターに切り替える。見つかってもすぐに逃げられるよう静かに距離を取りながら、L2トリガーを引き狙いをつける。1本目のロープが打ち込まれると、水牛はよろめいた。横に動き、2本、3本と打ち込んでいく。ついにブロートヘッドの大きな体がよろめき、地面に倒れこんだ。一気に攻撃を叩き込むチャンスだが、目標の一つに「ブロートヘッドに騎乗する」という項目ももあった。倒れたブロートヘッドはそうやって仕留めるだけではなく、捕獲することもできてしまう。
近づいて△ボタンを押しっぱなしにすると、アーロイはブロートヘッドをハッキングしていく。するとブロードヘッドはこちらへの敵意を無くして従順になり、乗り込むことができるようになる。水牛に乗った後は×ボタンを連打すると走り出す。それは『Red Dead Redemption 』で野良の馬にロープを投げ、そのまま乗り込んでしまう感覚に近かった。
ブロートヘッドに乗ってしばらく走っていると、背中に緑のエネルギーポットを背負った機械生物「グレイザー」が近くを歩いていた。あのエネルギーポットを撃ち落とすことも目標だ。機械生物にはそれぞれ弱点が設定されており、さらに撃ち落とすことでアイテムになる部分もある。そこで弓矢の出番だ。やぶさめのようにブロートヘッドで走りながら弓矢でエネルギーポットを撃ち落とそうとしてみるが、動きが速くて簡単には当たらない。そこで右スティックを押し込むとアーロイは精神を集中させ、目の前がスローモーションになり狙いやすくなる。今度はスローモーション中にエネルギーポットを無事撃ち落とすことができた。
このあとに巨大なボスとの戦いも体験することができ、ここまでに覚えた一通りの戦略で相手の動きを止めたあたりで、試遊の時間は終了となってしまった。
ゲームを理解していないデモ冒頭では何度も死んでしまい難易度が高く感じたが、トライ&エラーのなかでだんだんと操作方法と戦略を習得していけるレベルデザインが、短時間のデモのなかでも光っているようにと感じた。本編ではさらなる巨大な機械生物が待ち受け、様々なチャレンジが用意されているのだろう。プレイヤー自身が成長し、徐々に戦略を覚え強大な敵に打ち勝つような、巧妙なゲームデザインやバランスが本編でも期待できそうだ。