ついに発表された「EVO Japan」 日本で開催する経緯と展望とは?

今回は、8月15日から18日までに幕張メッセで開催される「東京ゲームショウ2016」のビジネスデーにて開かれた「実行委員会設立にともなうプレス説明会」のレポートを掲載。日本で開催するに至った経緯とは、そして展望はいったいどのようになるのだろうか。

「EVO」が持つ魅力、「EVO Japan」への期待感

プレス発表会の最後に登場したのはRedbull所属の梅原大吾氏と、Evil Geniuses所属のジャスティン・ウォン氏。10年以上も「EVO」に参加するふたりのプロゲーマーは、「EVO Japan」にどんな期待を寄せているのだろうか?

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――EVOには長らく参加してますが、毎年参加してしまう魅力は?

梅原氏:
初めて行ったときから現在に至るまで、常に最大規模の大会ですね。場所もどんどん豪華になっていく。他の大会には出ないけどEVOには出るというプレイヤーもいるくらいの存在ですね。

ジャスティン氏:
世界中の人々がひとつの場所に集まるところですね。日本やヨーロッパといった他の国の人たちとはプレイできるところが魅力的です。

――「EVO Japan」がどういう形であればプレイヤーが喜ぶでしょうか?

梅原氏:
自分の好きなゲームを持ち寄って遊ぶコミュニティにとって重要な部分ですし、もうひとつの特徴としてチャンスの場だと思っています。EVOで勝つとプロになるとか注目を浴びる、みんなを沸かせるプレイでゲーム人生が大きく変わるんですよ。そのふたつの部分をEVO Japanも出せたらいいなと思いますね。コミュニティにとってなじみがいいだけではなくチャンスの場になってほしい。

ジャスティン氏:
私は2005年から日本に来ています。これまでの経験上、格ゲーが世界一上手いのは日本人ではないか思ってます。今回のEVO Japanでは、ラスベガスに来れないプレイヤーと遊べるのを楽しみにしています。

 

決定事項ではない箇所もいくつか……

「EVO」の醍醐味といえば、やはり上位プレイヤーだけが手にすることができる賞金がかかってることだろう。プレイヤーは参加費を払うことで「EVO」の各タイトルに出場しているが、参加者が多ければ多いほど金額は跳ね上がり、メーカーやスポンサーからの追加賞金も加わると、その総額はゆうに1万ドルを超えることも決して少なくはない。

日本国内では現在においてもゲーム大会の賞金授与に関する部分は不透明な部分も多いが、「EVO Japan」においても「日本とアメリカでは法律が異なるため、同じように運営するのは難しいと認識しています」と小宮氏は述べている。

今回のプレス発表会は、あくまでも概要や経緯の説明のみに留まったところがあるのは否めない。しかし、現在でも家庭用コンソールやPCでのネット対戦をはじめ、ゲームセンターでも活発に対戦格闘ゲームの大会は盛んに行われていることは事実であり、またジョーイ氏やマーク氏と同じように日本への憧れを抱いている海外プレイヤーも決して少なくはないだろう。日本の凱旋開催となる「EVO Japan」では、海外からの遠征勢を日本人プレイヤーがどのように迎え撃つのだろうか。実行委員会による今後の発表だけではなく、日本における対戦格闘ゲームシーンがどのように盛り上がるのかにも期待したい。

Takuya Kudo
Takuya Kudo

1989年生まれ。UNDERSELL ltd.所属。ビデオゲームとピンボールをこよなく愛するゲームライター。新旧問わない温故知新のゲーム精神をモットーに、時代によって変化していくゲームセンターの「いま」を見つめています。

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