ついに発表された「EVO Japan」 日本で開催する経緯と展望とは?
開催は2018年1月
気になるのは開催日程と場所、そして選定タイトルだろう。今回のプレス発表会では2018年の1月に開催を予定しているということと、本開催を前に「EVOとはいったいどんなイベントなのか?」を知ってもらうための小規模なプレ大会を行なうという告知で留まった。ちなみに今年の「EVO」は参加選手数は約1万5千人だったが、「EVO Japan」では8千人を目標としているとのことだ。
選定タイトルについては2017年の7月に行なわれる「EVO」にて発表を予定しているものの、基本的には「EVO」で採用されたゲームをベースに、「日本ならでは」「日本のプレイヤーが求めるもの」を採用したいということに加え、対戦格闘ゲームという軸を曲げることなく幅広い対戦ゲームを選定することも考えているという。
EVO Japan実行委員会の小宮鉄平氏(株式会社ハーツユナイテッドグループ 経営戦略統括本部シニアマネージャー)からは「EVO」を日本で開催する意義として、これまで世界に出て海外のライバルと戦ってきた日本のプレイヤーたちが、今度はホームで世界を迎え撃つ「日本凱旋」であることをアピール。それ以外にもゲームメーカーと既存のコミュニティ、そしてプロゲーマーたちにはそれぞれ「目標、指針、ビジネスを提供する」として「ゲームをプレイするから楽しい、人と競い合うから楽しい」というメッセージを伝えることで日本のゲームシーンをさらに盛り上げていきたいと考えているとコメント。開催にあたっての体制作りとして、「EVO」を運営するTriple Perfect Inc.が監修を務め、EVO Japan実行委員会が企画と大会運営を行ない、成功に向けてさまざまなパートナーとの協力体制を提携していくことも併せて発表された。
「日本だからこそできること」とはいったい?
実行委員会とは別に運営委員会を組織し、自身も対戦格闘ゲームライターとして活躍、ほかにも大会の実況・解説やMCで活躍してきた金子紀幸氏が実行委員長を務め、続いて4Gamer代表の浩平氏や、GODSGARDEN代表の稲葉央明氏、TOPANGA代表の豊田風佑氏が名を連ねた。対戦格闘ゲームを知り尽くした布陣が揃った形となり、「EVO Japan」という大会の濃度がさらにが高くなったことが伝わるだろう。
金子氏からは「EVOの理念を継承することを重視しています。理念や魅力とは人数制限のないオープントーナメントであること、各国から強豪から集まる大規模な世界大会になっていること、優勝者には高額な賞金が渡されること、実力が反映されやすいダブルエルミネーション方式がとられていることです。これらは時間がかかってしまうという都合上、日本ではなかなか大規模な形で開催されることはありませんでしたが、国内で可能なかぎりは実現します」とコメント。豊田風佑氏(EVO Japan運営委員/株式会社TOPANGA代表取締役)は「我々は対戦格闘ゲームのイベント企画運営を主に活動しています。EVO Japanの運営として招かれたことだけではなく、参加者と運営者がともに楽しんでいるイベントが日本で行われることを嬉しく思っています」と話し、稲葉央明氏(EVO Japan運営委員/GODSGARDEN代表)は「TOPANGAと同じようにいろんな対戦格闘ゲームのタイトルを扱った大会を軸に、動画を通じてゲームの魅力を知ってもらうことを主眼に置いています。微力ではあるが成功できるように頑張りたいと思います」とそれぞれコメントを述べた。
TOPANGAやGODSGARDENといった大きなコミュニティ以外にも、「高田馬場ゲーセン ミカド」「ゲームニュートン」などゲームセンターのアーケードシーンをはじめ、「X-MANIA」「クーペレーションカップ」といった特定のタイトルを楽しんでいる大会にも協力を仰ぐという。金子氏は「(対戦格闘ゲームシーンにおける)仲間はずれは一切しないつもりで考えている」と語った。
また、EVO Japanが目指すものとして「コミュニティをひとつに」という思いがあることも発表された。ゲームを好きな人たちが一同に会してイベントを作りあげるという「EVO」の空気感をそのままに、オリジナルのEVOでも欠かせないサイドトーナメントの開催や初心者講習会、対戦会にトークイベント、さらにはコスプレに攻略本の販売も可能であることを明らかにした。