脱出系ダンジョンPvPvE『ダークアンドダーカーモバイル』はPC版の”容赦のなさ”が緩和されて遊びやすい。ハブワールド「村」などのモバイル版独自要素も試遊してきた


『ダークアンドダーカーモバイル』はPvPvEダンジョンサバイバルだ。ソロ、あるいは3人までのパーティを組んでダンジョンを訪れ、装備品や宝石類などの物資を集めて帰還するのが目的となっている。ダンジョンはスケルトンやミミックが住み、矢の飛び出す罠などのある危険の多い場所。しかし時に一番警戒すべきは、同じく物資目当てにダンジョンを訪れている他プレイヤーだ。

本作はPC向けに早期アクセス版が配信されている『Dark and Darker』のiOS/Android版。PC版の開発元であるIRONMACEから許諾を受け、韓国に拠点を置くKRAFTON傘下のBluehole Studioが現在開発を進めている。この度は本作のβバージョンを先行プレイする機会に恵まれたため、本稿では本作の魅力やPC版との違いなどをお届けしたい。なお本稿のスクリーンショットはAndorid版のものになる。試遊にあたり、機種は「Xperia 1 VI」を使用した。

モバイル向け最適化で抜群に遊びやすい

本作はプレイアビリティを向上させるため、エイムアシストやジャイロ操作、三人称視点といったPC版にはなかった追加機能が多く実装されている。また、グラフィックは全体的に明るめに変更され、ダンジョン内の視認性は大きく向上。ほかにも足音が画面上で表示されたり、敵の攻撃時にマーカーが出るなど、ユーザーフレンドリーな仕様が多く搭載されていた。UI面も刷新され、異なる大きさのアイテムをインベントリ内で整理するシステムは廃止。限られたスペースをやりくりするプレイ感はそのままに、アイテムの大きさは統一されている。また、今回のプレイでは使用しなかったものの、ゴールドでNPCを雇ってダンジョンに連れて行くことのできる「AI傭兵」といったシステムも実装されている。

確かに試遊中はPC版のダンジョンのような、たいまつで辺りを照らしながら進む緊張感が恋しくもあった。インベントリ内をうまく整理し、ギリギリまで多くのアイテムを持ち出す創意工夫もなくなっているのは寂しいところだ。だが、モバイル機器では個別でのグラフィック調整が難しい。アイテム整理もマウスが使えない以上、かえってプレイの妨げになってしまうのだろう。本作のプレイアビリティの調整は『Dark and Darker』をモバイル用に移植するうえで、ちょうどいい落としどころのように思えた。

PC版を踏襲しつつ、独自要素で差別化

今回の試遊で選ぶことのできたクラスはウィザード、バーバリアン、レンジャー、クレリック、ローグ、ファイターの6クラス。PC版の9クラスよりは少ないものの、近接攻撃から盾役、遠距離魔法から回復役とバリエーションは充分だ。筆者はPC版『Dark and Darker 』をプレイしているが、正直に告白すると難しいことは何も分からない。プレイする時はいつもバーバリアンを選び、歯茎をむき出しにして斧を振り回しては回復役に怒られている。よって、この度もバーバリアンを選ばせていただいた。

試遊ではソロプレイ、及びフレンドを招待してのトリオプレイを体験することができた。ダンジョンに潜りアイテムを漁り、命からがら帰還するという基本システムはモバイル版でも同じだ。帰還後にはPC版と同様にアイテムの売却や納品、キャラクターのスキルやパッシブのカスタマイズも可能。システムや操作面での違いを除けば、モバイル版とPC版ではそれほどプレイ感に変わりないように感じられた。バーバリアンのプレイスタイルが相手を追いかけて殴る、というシンプルなものであることもそう感じた要因の一つといえるだろう。

だが、やはり本作が三人称視点であることは大きな違いだ。視野が広く敵との距離感が掴みやすいため、敵に囲まれて袋叩きにされることは少ない。また、PC版では敵の攻撃が容赦なく当たるのに対して、操作性の違いも考慮してか、モバイル版ではやや攻撃が回避しやすくなっていた印象だ。くわえて、前述の通りグラフィックは明るめに作り直されているており、敵の足跡もマップに表示される。そういった点もあってか、PC版のように暗闇から敵の奇襲を受けることは一度もなかった。また、ソロプレイでは敵のダメージもやや控えめのように感じた。ダンジョン探索中には、格段に死にづらくなっている印象だ。総じてPC版『Dark and Darker』の「容赦のなさ」が緩和され、遊びやすく間口が広く作られているといえる。初めて本作を触れるユーザーにとってはありがたい仕様といえるだろう。


また、本家PC版には実装されていない、モバイル版の独自要素も開発中とのこと。そうした新要素のうち、今回の試遊で体験することができたのは「村」だ。村はロビーから離れて訪れるエリアで、自由に歩き回って住民や他プレイヤーとの交流が可能となるハブワールドだ。試遊段階では何人かのNPCと会話ができるのみだったものの、グラフィック面はほぼ完成している印象を受けた。いずれは住民からクエストを受けたり、世界観に関する会話を聞いたりできるのかもしれない。今回プレイは叶わなかったものの、釣りや採掘・採集、ステータスアップの料理作りといったシステムも実装予定だという。実にMMORPGらしい要素だが、開発元のBluehole StudioはMMORPGの開発・運営経験があるため、そのノウハウを取り入れた形になるのだろう。ほかにも、PC版にはないPvP専用のアリーナも開発中とのこと(PC版ではダンジョン内でのPvPのみ)。こうしたモバイル版独自要素があるのは、筆者のようなPC版ユーザーにとっても気になる点ではないだろうか。こちらに関しては続報を待ちたいところだ。


『ダークアンドダーカーモバイル』はiOS/Android向けに開発中だ。なお、8月1日から8月11日にかけて、本作のグローバルベータテストが開催される。エントリーは7月31日の23時59分までとなっているため、興味のある方は早めに応募してみてはいかがだろうか。

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