オープンワールドアクション『紅の砂漠』を6時間プレイしてみた感想。めんどくささが最高に面白い、ゲーマーのための超大作

筆者が『紅の砂漠』をガッツリとプレイして感じたのは、ゲーム内容の方向性が「世界を冒険すること」に特化しているということだ。

発売日が目前に迫っている超大作オープンワールドアドベンチャー『紅の砂漠』。このたび合計6時間に渡る、2度目の試遊体験会が実施される運びとなった。本稿ではその模様をお伝えしよう。

『紅の砂漠』はMMORPG『黒い砂漠』の開発・運営で著名なPearl Abyssによる、オープンワールドアクションアドベンチャーゲームだ。対応プラットフォームはPC(Steam)/PS5/Xbox Series X|S/Mac App Store。発売日は2026年3月19日を予定している。

ゲームの舞台となるのは「ファイウェル大陸」。主人公「クリフ」は「灰色たてがみ」の一員だ。しかし、敵対組織「黒い熊」による襲撃を受け、1夜にして壊滅してしまう。「クリフ」は 離れ離れになった仲間たち、そして失ったものを故郷を取り戻すため旅にでる。

めんどうくさくて最高に面白い

今回体験したのは、計6時間分の内容。「本編の第2章までをクリア」。そして、育成済みのセーブデータを用いて行われた「さまざまなボス戦」だ。なお、本稿では筆者が体験した内容のうち、特徴的だと感じた要素をまとめたものになっている。ストーリーのネタバレはないため、安心して欲しい。

まず、筆者が『紅の砂漠』をガッツリとプレイして感じたのは、ゲーム内容の方向性が「世界を冒険すること」に特化しているということだ。本作ではスタミナの続く限り、自由に壁を登り、空中を滑空できる。いわゆるファストトラベルのような冒険を快適にする要素や、キャラクターの成長に関する要素のほぼすべてが、積極的なゲームプレイを通じてアンロックされていく。

たとえば、アイテムに関しては対象物に関してちゃんと勉強しないと情報が判明しない。フィールドをうろついても知らないモノに関しては「???」と表記され、入手したり、調べることではじめて何か判明する。本作にはクラフト要素があるため、アイテムの情報管理は重要である。スキルツリーのアンロックについては、フィールドを探索したり、敵を倒すことで入手可能なポイントを振り分ける必要があるほか、攻撃用のコマンドについては「敵の技を見て習得する」ことも可能だ。雑魚からボスまで、敵のモーションを観察し、特定の条件を満たすことで、一部の技をこちらも使えるようになる(ポイントを振り分けることでもアンロックは可能)。

冒険の途中で出会う街の住民や、傭兵などのグループには好感度が設定され、「あいさつ」や「犯罪行為」などを通じて上下する。一定値以上、もしくは一定値以下になるとイベントが発生するらしい。ちなみに、悪人プレイ……窃盗をする際には覆面をするなど、「犯罪者っぽい」装備を犯罪者から強奪して身につける必要がある。身も心も悪人になる必要があるわけだ。悪人と言えば、本作の世界には賞金首がうようよしており、彼らを生け捕りにして牢屋まで運ぶことで、資金を稼ぐことも可能だ。賞金首といっても、街中で不審な行動をしている奴からシリアルキラーまで、その種類はたくさん。筆者の場合は、自分が近づいた途端に逃げ去ろうとする女性を捉えたら賞金首だった、ということがあった。

このほかにも、フィールドを探索していると、アクティビティをたくさん発見した。いや、発見したというより、アクティビティに埋め尽くされていたという表現の方が正しい。人助けの依頼はもちろんのこと、敵に占拠された拠点の奪取や、巧妙に隠れた謎解きパズル。作中には昼夜の概念や、ドレスコードの概念などがあることを通じて、特定の時間帯でしか発生しないイベントがあったり、特定の服装を身に着けていないと正当な手段では入れない場所がある。(一応、壁をよじ登って侵入することは可能だが、犯罪行為となる)なかには、物質に宿る記憶を映像化する道具を使い、それを辿って謎を解く……なんていう展開もある。正直なところ、今回の試遊が仕事でなければ、最後までフィールドを探索していただろう。それほどまでに本作の世界は密度が高い。

ここまで目を通してくれた読者の中には「調べものをするのが大変そう」「あいさつとか、ドレスコードとか手間だ」と思った人がいるかもしれない。言葉を選ばず表現すれば、『紅の砂漠』は「めんどうくさいゲーム」である。だが、それが良い。見渡す限り未知で満ちた世界を、手探りで確かめ、自らの頭で謎を解き、両の足で踏破する。時に人を助け、時に人に助けられながら。この自らの意思で感じる「めんどうくささ」=世界に振り回されつつも、それを掌握しようと試みる体験こそ、冒険するということ。ひいては生きるということの醍醐味なのだ。

華やかな「死にゲー」になっている戦闘アクション

『紅の砂漠』の醍醐味は、世界を掌握していく探索体験だけではない。豊富なアクションを通じた華やかな戦闘体験も、作品の主軸となっているように思えた。これは前回の試遊体験でも確認できたことではあるが、本作にはさまざまなアクションが用意されており、それがシームレスに接続する。たとえば、以下のような連携がある。「ジャンプ⇢ワイヤーアクションで高所に振り子のような形で飛び移る⇢アクションを途中でキャンセルして、空中で範囲攻撃⇢空中から飛び蹴りを叩き込む」。連携の途中で使っている武器を切り替えることもできるほか、二刀流も可能。もちろん、盾を使ったアクションや体術もある。炎や氷といった属性を武器や矢に込めれば、敵を燃やしたり、氷塊にして砕くこともできる。もちろん、適当にガチャガチャ動かしても華やかで楽しい。

戦闘体験そのものも多彩だ。そして結構難しい。基本的に対集団戦になることが多く、敵は攻めっけタップリで突撃してくるため、パリィアクションや回避行動が上手くできないと簡単に倒されてしまう(だから、世界を探索して回復アイテムの情報を集め、料理などを通して事前に準備しておくことが肝要である)。特にボス戦ではそれが顕著だ。ほぼ「死にゲー」である。

遠距離、中距離、近距離とマルチレンジで猛攻をしかけてくるため、敵の行動を制限できるアクション(パリィや掌底、飛び蹴りなど)を適宜差し込みつつ、こちらも可能な限り連携を繋げながら猛攻を仕掛けていく。正面からがっぷり四つで組み合うようなボスもいれば、巨大な体躯にある弱点部位をアクロバティックにピンポイントで叩く必要があるボスもいる。今回は複数のボスと戦う機会に恵まれたが、いずれも遊びごたえを感じる、凄まじい強敵であった。

最後に、話題になっている「ドラゴン」と「ロボット」に騎乗。これは同ジャンルのゲームによくある、広大なフィールドを快適に移動できる要素なのだが……とんでもない。攻撃力が高すぎた。ドラゴンであれば火炎を吐き、ロボットであればミサイルやビームを放つことで、敵を一方的に殲滅できる(ドラゴン、ロボット共に体力が設定されており、無理をすれば倒されてしまう)。さきほどの繊細な戦いは何処へやら、ほぼシューターゲームのような操作感を通じて、ゲーム内容が大きく変わってしまっていた。これが本当に許されて良いのか?良いのだろう。なんともめちゃくちゃなゲームである。あまりにも強かったため、本編で入手する機会が実際にあるのか今でも疑っている。

さらに言うと、実のところ主人公の他にも操作キャラクターが存在しており、今回は自分についてきてくれる形で一緒に戦ってくれた。製品版では冒険の随伴のみならず、操作を切り替えられるのだろう。主人公ほどの大きさではないが、スキルツリーが用意されていたりと強化要素も確認できた。本作は出現する敵の数が本当に多く、基本的に多対一を強いられることになる印象を受けたが、将来的に仲間が加入するのは心強い。

そうして濃密なゲームプレイに浸っていると、あっという間に6時間が過ぎ、今回の試遊は終了した。筆者のインプレッションとしては、前回の試遊に引き続き、既存の人気超大作にてみられた要素が上手くまとまっている。ある意味、現時点におけるオープンワールドゲームの集大成的な内容に仕上がっている、という印象である。それでいて、各要素の随所にTRPGやコンピューターRPG、MMORPG、死にゲーアクションといったマニアックなゲームから影響を受けたであろう「強いこだわり」が随所に見られる。そのニッチなこだわりが「面倒くさい」。この面倒くささを愛嬌と感じるのかは人それぞれだが、筆者としてはこういうゲームと分かり合い、友人関係を築くことが本当に楽しい。間違いなく『紅の砂漠』は人を選ぶゲームである。同時に、筆者のような面倒くさいゲーマーの親友になれるゲームでもある。発売日までウキウキワクワク、思わず童心に帰ってしまった試遊体験であった。

『紅の砂漠』は2026年3月20日に発売予定だ。

この記事にはアフィリエイトリンクが含まれる場合があります。

Takayuki Sawahata
Takayuki Sawahata

娯楽としてだけではなく文化としてのゲームを知り、広めていきたい。ジャンル問わず死にゲー、マゾゲー大好き。

記事本文: 311