Steamモンスター育成・操作『Voidling Bound』はとにかく育成自由度が高い、新体験型アクションRPG[BitSummit the 13th感想]

さまざまなモンスターを育成して使役する三人称視点の3DアクションRPG『Voidling Bound』(ボイドリング・バウンド)を紹介していく。

日本最大級のインディーゲームの祭典「BitSummit the 13th」が7月18日から3日間、京都市勧業館「みやこめっせ」にて開催された。本稿では会場にプレイアブル出展されていた作品の中から、デベロッパーのHatchery Gamesが手がける『Voidling Bound』(ボイドリング・バウンド)を紹介していく。対応プラットフォームはPC(Steam)。

『Voidling Bound』は、さまざまなモンスターを育成して使役する三人称視点の3DアクションRPGだ。本作にてプレイヤーは「ボイドリング」と呼ばれるモンスターたちを遺伝子操作で進化させ、育成し、戦わせることができる。戦わせると言っても、ニューラル・バインドにより神経接続してコントロールするため、プレイヤー自身がボイドリングに変身して戦う感覚だ。プレイヤーが活動することになる惑星には凶悪な寄生生物が蔓延っており、人類ではとても太刀打ちできない。そこでボイドリングに乗り移って戦うわけだ。

なお本作は現在体験版が配信中。 配信当初は日本語に対応していなかったが、BitSummitの開催に合わせて日本語が追加されるアップデートが実施された。会場にて試遊できたバージョンと同じであるため、本稿の各要素は体験版に基づく内容となっている。

モンスター自身を操作する収集ジャンルの新たな形

プレイを開始すると、宇宙船内にて人型のキャラクターを操作するところから始まる。船内で可能なアクションは会話などのインタラクティブコマンドとジャンプのみ。会話の指示に従っていくと、最初のボイドリングとなるキウィペックが仲間になる。キウィペックは鳥のような外見をした2足歩行のモンスターだ。パッと見では魅力を感じにくい造形に思えるかもしれないが、船内を歩けば後ろをヨチヨチついてくる上に、近くにいけば撫でることもできて可愛い。

キウィペックが仲間になったので惑星を取り戻す戦いへ向かうため、船内中央にあるニューラル・バインドステーションにアクセス。するとキウィペックに神経接続した状態で惑星に降り立つことになる。この瞬間からプレイヤーが実際に操作するキャラクターがキウィペックとなるのだ。

キウィペックは基本アクションとしてダッシュや2段ジャンプ、クールダウン制の回避など非常に高い機動力を備えており、3Dアクションとして気持ちよく動かすことができる。攻撃手段としては射撃のような遠隔攻撃と近接攻撃が可能。遠隔攻撃については、弾数制限はないものの、代わりにスタミナ制となっており、定期的にリロードのような操作を挟む必要がある。一般的なシューター操作に近いためコントローラーでも違和感なくプレイできるだろう。

本作はステージ制となっており、最初のステージでは上記の操作方法を学びながら戦っていく一本道のステージとなっている。ステージはジャンプアクションも駆使するような構成となっており、ステージの最後にはボスも待ち受けている。ボス戦では範囲攻撃や遠近織り交ぜた攻撃を繰り出してくるため、こちらも射撃スタミナや回避のクールダウンを意識しながらの攻防を楽しめる。そしてボスを撃破するとステージクリアとなり自動的に船内へと戻っていく。

船内に戻るとステージ中に入手した素材を使用してキウィペックの進化や強化が可能。強化詳細については後述するが、遠距離ボムのようなクールダウン制のサブウェポンと、戦う中でゲージを貯めて発動するアルティメットアビリティを習得できる。次のステージは広場のようなエリアで複数ウェーブを戦い抜き、最後にボス戦という構成となっているため、新たなスキルを試す絶好のステージだ。

3つ目のステージはこれまでと違い分岐のある構成となっている。高低差もあり、ジャンプアクションを駆使して隠されたエリアに到達するといくつかの卵が見つかるだろう。このステージをクリアすれば船内で卵を孵化して新たなボイドリングが仲間になるのだ。また、以降は複数の惑星から攻略ステージを選択できるようになる。ステージには推奨レベルや属性なども設定されており、クリア済みのステージを周回することも可能。素材を集めてボイドリングを育成し、新たなステージをどんどんとクリアしていくのだ。ちなみに体験版はここまでとなっている。

自由度が高すぎる育成システム

後回しにした育成システムについて触れていこう。本作のボイドリング育成は大きく分けて、レベルアップによるステータス強化、進化による属性やスキル変化、スキルツリーによるアクション強化が用意されている。

レベルは敵を倒すことで経験値により上がっていき、神経接続する際に火力や体力など5種のステータスにポイントを割り振っていくシステムとなっているため分かりやすいだろう。孵化するボイドリングによってはネイチャーという特性を持っており、所有する特性によって伸びやすいステータスなどもあるようだ。

進化は敵が稀に落とす変異原を消費することで、ボイドリングの形状が変化するとともに新たな力を身に着けていく。進化先によって、たとえば遠距離射撃に属性や毒を付与したり、貫通効果を持ったりするのだ。進化は最初こそ2分岐となっているものの、その先でも2分岐という具合に、ボイドリング1種につき31もの進化が用意されている。進化するたびに能力が大きく変化するため、実際に操作する際の立ち回りも変わっていくのだ。

スキルツリーについては、探索などで入手したポイントを消費して各種アクションの強化が可能だ。たとえば射撃の火力や速度を上昇したり、回避の移動距離などを上昇することができる。こちらはボイドリングの種族ごとに共有される強化となっており、キウィペックのスキルツリーを強化すれば、異なる進化を遂げたすべてのキウィペックも強化されるわけだ。

体験できたこれらの要素だけでも自由度の高い育成が可能なのだが、本作ではさらに交配することで突然変異したり、体のパーツの遺伝子を集めてカスタマイズできる要素もあるという。また、通常では付与されないような複数の能力を組み合わせることで、強力な相乗効果を発揮することもあるようだ。どんなゲームでも最大強化を目指すことが大好きな筆者は、未だ見ぬボイドリングや能力にワクワクしてしまった。

ちなみに、体験版のSteamユーザーレビューは259件のうち98%が好評とする「非常に好評」ステータスとなっている。戦闘・探索・そして育成システムに至るまで高く評価されているため、興味のある方はプレイしてみてはいかがだろうか。


『Voidling Bound』はPC(Steam)向けに、2026年第1四半期に配信予定。BitSummitの試遊バージョンが体験版として配信中だ。

Haruki Maeda
Haruki Maeda

3DアクションRPGと犬をこよなく愛するPCゲーマー。『フォールガイズ』のようなわちゃわちゃ系も大好きです。

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